4-僕らの生存戦略

「電子書籍の衝撃」企画:第二回:ソーシャル・コミュニティーを成功させる5つの要素

前回は、ネットのソーシャル・コミュニティーとコンビニが似ている、というところで終わったわけだが、ここからが本題である。

仮に両者に共通する属性があるとするならば、人気コンビニ店が持つ要素は「人気ソーシャル・コミュニティー」を作る上で応用できるのではないか。もしそうならば、どんな要素があるかについて考えてみたい。

人気コンビニ店

これは、「人気チェーン」の話ではなく、個別の人気のお店の事だ。地元の人に愛用されている店にはどんな特徴があるのか。列挙してみよう。

清潔

当たり前かも知れないが、人気のお店は綺麗である。清掃が行き届いている。綺麗とか汚いといった要素は簡単に人の心理状況に影響するので、気配りできている店では「綺麗な状態」というのは当たり前の状態ある。

コミュニケーションがある

人気のお店は会話がある。それは店員がおしゃべりしている、というのではなくお客と店員の会話がある、ということだ。それは「~お安くなっています。いかがですか?」という販促インフォメーションの伝達ではなく、「寒いですね」とか「遅くまでお疲れ様です」とか「いってらっしゃい」とか、そういう日常のごく普通のやりとりだ。

口コミで良さが広がる

コンビニは普通セールの折り込みチラシなどは入れない。その店の人気を支えているのは大抵口コミだ。対象としている商圏が小さいので口コミの力は大きく根強い。良い評判も悪い評判も口コミで広がっていく。

一度「従業員の扱いが悪い」という「噂」が立てば、バイト募集の広告を出してもまったく人が集まらない、という事はよくあるようだ。

独自性がある

簡単に言うと「本部が提示する型」というものにはまっていない、ということ。売り場の作り方が独特であったり、他では扱っていない商品を取り扱うことにも意欲的。

定期的にコンテンツをリニューアルしている

小商圏高頻度型の店舗では「飽きられる」可能性が発生しやすい。一年という期間では季節ごとに、短い期間では一週間に一度商品の入れ替えが発生する。

そういう時に、単に新商品を並べるのではなく、「自店の売りこみたい商品」をチョイスして、プロモーションを考え、実際にアピールする。人気のお店は、毎週そういう事を労を惜しまずやっている。

お客様本意

これは、当たり前かも知れないが「お客様」を中心に商売が行われている。これは、店全体うんぬんよりも、細かい気配りから感じられる雰囲気の問題だ。決して「お客様は神様だ」と念仏のように唱えているわけではない。

楽しんでいる

すごく単純ではあるが、お客様に愛されている店は従業員が楽しんで仕事をしている。姿の見えない経営者もきっと楽しんで仕事をしているのだろう。案外些細な事のように思われるかも知れないが、一番重要な要素かも知れない。いくらそれを実現したくても、マニュアルに「仕事を楽しみましょう」と書いても意味がないことは確かである。

ソーシャル・コミュニティーへの応用

上に挙げた要素をソーシャル・コミュニティーに応用するとどうなるだろうか。いくつかはそのまま使えそうなものもあるが、少しひねりが必要なものもあるだろう。

まとめてみると、ソーシャル・コミュニティーを運営する上で気を付けるべき事は以下の5つに集約できそうだ。

  • 管理が行き届いている
  • 独自のコンテンツを、定期的に配信している
  • コミュニケーションがある
  • 口コミしやすい仕組みがある
  • 楽しんでやっている

それぞれについて少し見ていくことにしよう。

管理が行き届いている

ソーシャル・コミュニケーションは前提としてソーシャル・メディアの存在がある。ソーシャル・メディアは複数のウェブサービスを使って提供されているわけだが、それぞれのサービスが常に最新の状況で、かつ最適化されているかどうか。そこがポイントになってくるだろう。

現在であれば、iPhoneなどのスマートフォンに対応したアプリなどを提供できているかは大きなポイントになってくる。それはユーザー視点での「使いやすさ」を意識できているかどうか、とも関連してくる。

独自のコンテンツを、定期的に配信している

コンテンツに関しては、この部分で言い尽くされるだろう。このどちらかだけでは十分ではない。両方を満たすこと。出ないと、「必要ない」と判断されるか、「飽きられる」のどちらかだ。

コミュニケーションがある

コミュニティーだからコミュニケーションがあるのは当然かもしれない。しかし、ブログのコメントに返事をしなかったり、Twitterで情報を配信しながら、リプライに対して返さない、というのではコミュニケーションがあるとはいえない。

口コミしやすい仕組みがある

これはシステム面。自分が提供したコンテンツに対しての感想などをユーザーがソーシャル・メディアに流しやすい仕組みを作ること。ブログであれば、はてぶでもいいし、リツイートボタンでもいい。

その他新しい仕組みを考える上でも、Twitterなどと連携ができないかどうか考えるのはとても重要。

楽しんでやっている

単に儲かるからという理由だけでソーシャル・メディアに関わっているだけでは、ソーシャル・コミュニティーは生み出せないだろうと思う。

理由としては、まず第一に儲からない。お金が発生する仕組みを作ることはできるだろうが、それは大きな金額にはならない。そして、今日仕組みを作ったから明日結果がでる、というものでもない。どうしても時間がかかる。これは二番目の理由に繋がるのだが、楽しめないと続かない。

ある程度結果がでる、つまりコミュニティーが育つまでには時間がかかる。その間続けるためには活動そのものが楽しくないと途中で挫折するだろう。

もっとも簡単な理由はそういう空気が伝わる、ということだろう。人は楽しそうに何かをしている人のもとに集まるし、そうでない人とは距離を置く。

ソーシャル・メディアに関わるならば、「今流行しているから」とか「お金になりそうだから」とか「簡単そうだから」といった理由でテーマを選ばない方が賢明だ。最低限「自分がそれを楽しめるかどうか」が判断の基準になるだろう。

まとめ

ソーシャル・コミュニティーとコンビニの類似性からスタートして、いかにすればソーシャル・コミュニティーを成功に導けるか考えてみた。なかなか突飛な関連づけかもしれないが、案外的は外していないのではないかと思う。人と人が関係する場として捉えた場合、本質にあたる部分には共通する要素が多いのだろう。

次回はソーシャル・コミュニティーがどんな性質を持つのか、について少し考えてみたいと思う。

参考文献:

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