7-本の紹介

書評 IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」(奥乃美/渋川よしき)

この本の著者の一人である奥乃美さんはブログ「works4Life」の中の人(@nomicoxさん)である。
※もう一人の著者は@shibukawa氏。イラストは@sawonyaさんである。

IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 (技評SE選書)
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@nomicoxさんとは以前、このBlogの「GTDは何のために行うのか?」という記事で少し絡ませてもらった。顔見知りというのは言い過ぎだが、Twitterのタイムラインで見かける方が本を書いたとなれば、やはり興味は出てくる。いそいそと本屋に出かけて購入した、という次第だ。

現状IT業界にいるわけではないが、プログラミングの勉強をいくつもした事がある私から言わせてもらえば、「ごもっとも」な内容であった。正直「IT業界を楽しく生き抜くための」という部分は謙遜と言っても良いだろう。これからのビジネスパーソンに取って「勉強」は欠かせない要素になってくると思う。そういう意味で、IT業界とは関係ないビジネスパーソンが読んでも得るところは多い。

本書は大きく分けて、二つの構成になっている。「つまみぐい勉強法」に関する部分と、「勉強会」に関する部分だ。今私が興味を持っているものの一つがたまたま「勉強会」だったので、非常に興味深く読めた。巡り合わせというのはなかなか面白い物である。

今回のエントリーでは、「つまみぐい勉強法」のエッセンスについて紹介することにしよう。

「つまみぐい勉強法」とは?

これは、具体的な勉強法ではない。むしろ勉強に向かい合うための心構えと言って良いだろう。要点は3つにまとまってる。

・えいやで、すぐ始める
・ほかの勉強へすばやくスイッチする
・対象は変わっても、勉強自体は続ける

この3点だ。既存の勉強法が主張している事と相反するような内容もあるだろう。特に「ほかの勉強へすばやくスイッチする」には疑問を持つ人もいるかも知れない。

「そんな、根性のないスタイルでは技術なんて身につかない」

そういう気持ちはすごく理解できる。確かに一つの事に真剣に打ち込む事は重要だと思う。でも、その行為を支えるのは何だろうか。熱意・モチベーション・やる気、言葉は何でも良い。行為を支える感情的要素が無いと、続けていけない事は確かだ。それは私が具体例を挙げるまでもないだろう。社会人になるまでに勉強して続いた事と、途中で挫折した事のどちらが多いか振り返ってみればよい。

自分の時間や労力を費やせるぐらい熱中できる対象にはなかなか巡り会えない、というのが真実なのだ。それは何も悪いことではない。人には向き不向きがあるし、世の中にはたくさんの勉強の対象がある。自分に向いた物を見付けられた人はどちらかというと「幸運」な人なのだ。

「つまみぐい勉強法」が目指すものは

一つ一つのステップは、細切れになってしまうかもしれませんが、社会人生活や人生という長い目で見たら、何かしらの勉強はずっと行っている。そのような状態を目指します。

となる。要するに「歩き続けながら目的地を探す」と言うことだ。

ミドルウェイ

社会人は「引き出しを増やす」ことと「目標を見つける」ことが求められていると著者は述べている。確かにその通りだ。引き出しが一杯になってから目標を見付けるのでもなく、目標を見付けてから引き出しを増やし始めるわけでもない。

「引き出しを増やしながら目標を探す」

これが、「つまみぐい勉強法」のエッセンスになるだろう。細切れでも一年間ずっと学び続けている人と、一時期は集中してやるけども結局続かずに2ヶ月ほどしか勉強しない人を比べてみればどうなるだろうか。将来的に多い「引き出し」を持っているのはどちらか。そして自分にぴったり合う目標を見付けられている可能性が高いのはどちらか。共に明白ではないだろうか。

目標に向かうためのアプローチにはトップダウンとボトムアップの二種類があるが、この「つまみぐい勉強法」はその両方のエッセンスを上手く取り込んでいると言える。つまり中道(ミドルウェイ)というわけだ。

まとめ

「学ぶ事」と「学び続ける事」の差は果てしなく大きい。単に勉強するだけでは今の時代はとても「追いつかない」というのが現状だ。スキルをアップ‐ツー‐デートしていくためには「勉強し続けていく事」が必要になっている。それは決して「楽」な道のりではないだろう。であるがゆえにいかに「楽しめるか」というのは重要な要素になってくると思う。

そういう意味で、「つまみぐい勉強法」は「社会人のための実践的勉強法」と言えるだろう。

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