情報とか、経験というものがある。
人間はそれらを得て、変化していく。
だから、人間はそういうものをしまっておく「引き出し」というものがある。
ただ、人によってその引き出しの使い方や性質は違う。
貪欲に手当たり次第に目に付くものをバンバン入れていく人もいれば、
情報を慎重に吟味して、気に入ったものだけを入れる人もいる。
広い引き出しを、整理整頓しながら使う人もいれば、
恐ろしく狭い引き出しを混沌とともに使いこなす人もいる。
自分が持っていないものを入れることをいとわない人もいれば、
頑なに自分の持っているものの関連したものしか入れない人もいる。
人間が持っている性質というものに加えて、こういう引き出しの使い方が成長というものに大きくかかわってくる。
本来、引き出しはどのようにも使えるし、どのようにも形を変えられるようなもののはずである。
だが、何かに凝り固まった人は、先に自分の引き出しの大きさを考えて、「あ、これは入らないな」と情報を捨ててしまうこともある。非常にもったいないことだ。
自分の引き出しに入らない情報ならば、引き出しのサイズを変えればよい。
それが、その人間の変化につながっていく。
変化を嫌がる人間は多いが、柔軟さを失ってしまえばただ老いて行くだけである。
それはあまりにも寂しいことなのではないかと思う。