~Evernote企画3rdのこれまでの流れ~
・Evernote企画3rd:第一回:Evernoteの運用の7原則(上)
・Evernote企画3rd:第二回:Evernoteの運用の7原則(下)」
・Evernote企画3rd:第三回:ノートブックについての掘り下げ(上)
・Evernote企画3rd:コラム:ノートブックについての掘り下げ(番外編)
・Evernote企画3rd:第四回:ノートブックについての掘り下げ(下)
・Evernote企画3rd:第五回:ここから始める「ノートブック」
さて、今回はEvernoteと連携するiPhoneアプリ「Egretlist」について。アプリが登場したときに少し紹介しましたが、GTDをかなり意識したバージョンアップが行われたので、その辺を中心にもう一度紹介しておきたいと思います。

どんなアプリか?
Egretlistは、Evernoteと連携することが前提になっているアプリです。他のアプリとの違いは「チェックボックス」を取り扱えること。以下のような機能があります。
- チェックボックスがついたノートを表示するためのアプリ
- チェックボックス付きのノートを追加できる
- チェックボックスのOn/Offがアプリ内で行える
Evernoteの標準アプリでは(2)と(3)ができません。特に(3)は致命的です。チェックマークを入れられないチェックボックスの存在価値は片方のレンズが外れてしまった3Dメガネ並みの価値しかありません。
Egretlistは、そこにフォーカスを置いたアプリです。つまり、「チェックボックスノートなら俺に任せろよ、でも後は知らねーよ」的に、Evernoteやその他の連携アプリと「補完的」な関係性があるわけです。
基本の機能
Egretlistアプリで表示できるのは、以下の5つです。
・Notebooks
・Categories
・Starred
・Saved Searches
・Archive
表示の順番はアプリの環境設定で変更することができます。
Notebooks
「チェックボックスが含まれているノート」が含まれてるノートブックのリストが表示されます。
Categories
GTDを意識したカテゴリーが並んでいます。限定的な「Saved Searches」と考えておいて間違いないです。
Starred
スターを付けたものを表示。緊急用などに。
Saved Searches
Evernoteでの「検索保存」が表示されます。当然、チェックボックスが含まれていないノートは表示されません。
※以下特に説明がなければ「ノートが表示される」というのは「チェックボックスが含まれているノートが表示される」という意味です。基本的にそういうアプリなんで。
Archive
完了したタスクとその時間がリストになっています。完了したというのはチェックマークを入れたという事と同義です。
以上が大まかな説明です。今回は「Categories」に注目してみます。
Categories
カテゴリの中には以下の7つの要素が含まれています。GTDを実施されている方ならばおなじみのものでしょう。
- Next
- Contexts
- Projects
- Responsibilities
- Goals
- Roles
- Someday
Next
GTDでは「次の行動」「NextAction」と呼ばれているリストが意識されています。具体的には指定したタグにマッチするノートが表示されます。タグの指定は複数可能です。
Contexts
コンテキスト、つまり文脈ですね。タスク管理で言うと、そのタスクを何処で行うものか、どういう状況で行うものか、というタスクのメタ情報がコンテキストです。よく@で表現されます。タスクを分類(仕分け)するためにこれらの情報が添付されます。
Nextと同様に指定したタグにマッチするノートが表示されます。違いはNextは指定するタグにマッチする全てのノートがリスト表示されますが、Contextsではまずタグのリストが表示され、そのタグごとのノートが表示されます。
Projects
プロジェクトは複数のタスクから構成されているものを指します。動作はContextsと同じ。
Responsibilities
Responsibilitiesという単語は「i」の削減努力を行った方が良いんじゃないかと思いますが、とりあえず意味合いとしては「責任」と言ったところ。「ストレスフリーの整理術」によれば「仕事や生活で責任を負っている分野」となっています。例えとして
チームのモチベーション
業務プロセス
時間管理
スタッフ
仕事量
コミュニケーション
という責任があるようです。
この「Responsibilities」からがこの「Egretlist」のややこしい所になってきます。「Responsibilities」の主な振る舞いは二つあります。
・Responsibilitiesに指定したタグにマッチするノートを表示
・Responsibilitiesに指定したタグかつプロジェクトに指定したタグの両方にマッチするノートを表示
上の使い方ならば「Contexts」「Projects」と同じです。下の使い方は、以下のような概念の元で成り立っています。
「あるプロジェクトは、なにかしらの責任の元にある」
例えば、私が来年の家計簿は新しい物を使おう!と考えたとします。プロジェクトとしては「家計簿リニューアル」となるでしょうか。そして責任は「家計管理」です。

こういう風に、プロジェクトと責任というものをリンクさせるというのが二番目の使い方です。一つの「Responsibilities」に複数のプロジェクトを割り当てることができます。
Goals
大きな意味合いでの目標が「Goals」です。これも「Responsibilities」と同様にプロジェクトを下位付けることができます。
Roles
日本語では「役割」になるでしょうか。夫、コミュニティー、表現者、会社員などがそれに当たります。動作は「Responsibilities」と同じです。
Someday
「いつかやる、たぶんやる」に分類されるリスト。動作は「Next」と同様に指定したタグにマッチするノートが一覧されます。
ちなみに
「Responsibilities」「Goals」「Roles」はそれぞれ「責任」「目標」「役割」とあるプロジェクトを関連づける、という役目を持っています。現バージョンではそれぞれの項目とプロジェクトを関連づけておけば、ノートにプロジェクトタグを付ければ、自動的に関連づけられた「責任」「目標」「役割」のタグも付く使用になっているようです。
まとめ
今回はEgretlistの基本的な機能の説明でした。今までいくつものタスク管理アプリを使ってきましたが、このEgretlistはあまり直感的なものではありません。もともとEvernote自体がタスク管理を目的としているわけでもなく、それを保管する存在としてのEgretlistも専用のタスク管理アプリに比べれば見劣りする点はいくらでもあります。
個人的には、外出先で見たいノートにチェックボックスを付けて「簡易ビュアー」として使うのが一番スマートな気がします。Evernoteの買い物リストを見てチェックを入れる、みたいな使い方ができるアプリとしては最強と言っても良いでしょう。
でも、「Evernoteを母艦にしてなんでもこなしたい」という方もおられるかも知れません。
次回はGTDを意識した運用について考えてみたいと思います。
アプリリンク
参考文献:
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 |
|
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田口 元
二見書房 2008-12-24 おすすめ平均 |
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