0-知的生産の技術 4-僕らの生存戦略 「タスク」の研究

これからのビジネスパーソンに必要な3つの要素

山本一郎氏の「ネットビジネスの終わり」という本の中に印象深い一節がある。

マーケティングと製品が組み合わさってこその「ビジネス」

至極もっともな意見であるが、日本企業を見るとこのマーケティングの部門が非常に弱いことがわかる。海外向けのマーケティングが特にそうだろう。モノ作りとしての日本の技術は優れているかも知れない。しかし、それを売り込むためのシステムや、パッケージングといった仕組みが弱点になって海外企業とまともにやり合うことができない状況になっている。

電子書籍の現状を見るだけでもそれは理解できるだろう。つまり「デザイン思考」が機能していないのだ。いくら良いモノを作れる技術があったとしても、それを展開していく力がなければ市場で認められる事はない。

これから日本企業が先細る国内市場だけを頼りにするのではなく、海外でシェアを獲得していくためには、こうした全体としてのシステムの視点を持って施策を展開していく必要があるのだろう。

企業とビジネスパーソンのフラクタルな構造

私はその国と国民の状況はフラクタルな構造があると常々考えているので、この日本企業が置かれている状況はおそらくビジネスパーソンにも当てはまるのだろうと推測する。この場合、企業における国内市場が一つの企業になる。海外市場はそれ以外のさまざまなビジネスや他の企業だ。

今までの日本企業が良いモノを作れば売れたように、今までのビジネスパーソンは社内で仕事をきちんとこなしていれば評価された。

しかし、状況は変わった。一つの企業にずっと勤めるかどうかもわからなければ、その企業が自分の生涯存続しているかどうかは分からない。そのような状況では日本企業が海外に市場を模索するように、ビジネスパーソンも一企業にとらわれない市場を持つ必要がある。つまり、他の企業に転職したり、自分でビジネスを起こすという選択肢を持つということだ。

その選択肢を活用するためには、単に「仕事ができる」というだけでは十分ではない、という状況がきているのだと思う。海外で企業が販売活動を行うように、システムが必要だ。あるいは仕組み作りが。

ビジネスパーソンがビジネスパーソンたろうと思えば、マーケティングが必要になってくる。最初に引用した言葉を拝借すれば

パーソナル・マーケティングと自分の能力が組み合わさってこその「ビジネスパーソン」

となるだろう。

もちろん、日本国内だけで生き残れる企業があるように、こういった戦略を必要としない会社員の方もおられるだろう。それはそれで全然かまわない。ただ、自分の置かれた状況を考えてみて、新しい市場が必要だと思うならばマーケティングの戦略は必須だと思う。

仕事ができるだけではなく、それを告知し、広め、さらにはビジネスの仕組みとして体系立てる技術があれば、荒れ狂う日本の労働環境の海を乗り越えていけるようになるだろう。

「仕事ができる人」以上の存在になる

先ほども述べたが、こういった視点は環境やその人の人生観により必要かどうかの判断は分かれる。公務員でその仕事に一生を捧げるつもりのある方ならば時間の無駄でしかないだろう。

私が言いたいのは、「仕事ができる人」がそれを広めていかないのは勿体ない、ということに過ぎない。それだけで評価されると考えているのは少々甘い考えだ。労働市場にはさまざまな人々がいる。それは潜在的能力だけで自動的に評価されるようなものではない。どんな形でも良いから、少しでもそれを外に向けて出し、できればある程度体系立てていかないと誰かの目にとまる可能性は非常に低い。

そのための手段の一つがセルフ・ブランディングである。しかし、これは「単一の手段」を示すものではない。企業のブランディング手法が異なるように、個人のブランディング手法も目指すべき方向性によって変わってくる。しかも、これはマーケティングにおける一つの選択肢の一つでしかない。ただ、TwitterなどのSNSを介した人との多様な関係性の構築、あるいはブログを使ったアウトプットというのはたいてい有効である。少なくとも何も出さない人よりはマシなポジションにつくことができるだろう。

こうして考えてみると、今のビジネスパーソンに必要な事柄が3つ浮かび上がってくる。

  • 仕事ができること
  • 情報を外に出していく能力
  • マーケティング戦略

この3つだ。これは「仕事術」「知的生産」「セルフブランディング」という言葉の対応で理解することができる。しかし、これらの言葉が意味するところが曖昧になりつつあるので、少し置き換えてみる必要があると思う。現状私が考えているのが

・仕事の技術
・情報生産力
・顧客の創造

この3つだ。「顧客の創造」はドラッカーの言葉だが、他に適切な言葉が見いだせなかったので仮として拝借しておく。

この3つの要素を備えていれば、ビジネスパーソンと仕事の関係性は大きく変化するようになるだろう。今後このブログやら近々発行予定のメルマガにてこれらの要素について書いていく予定である。

▼参考文献:

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starネットビジネスの本??
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