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2010年7月参院選雑感

Posted on 2010 年 7 月 12 日2017 年 4 月 27 日 by Rashita
Tag:
  • 政治・社会

2010年7月11日に、第22回参議院選挙の投票が行われました。民主党苦戦の前評判がちらほらと流れていましたが、苦戦どころの騒ぎではありません。

【参院選】民主44、自民51 参院選で全当選議席が確定(産経新聞)

 第22回参院選は12日朝、改選121議席(選挙区73、比例代表48)の当選者がすべて確定した。民主党は選挙区28、比例16の44議席で、改選54から大きく後退した。民主党大敗の結果、非改選を含めた与党系議席は参院過半数122を12議席も割り込んだ。菅直人首相は続投を表明したが、与党内にも首相、執行部への批判がくすぶる。「衆参ねじれ」が生じる中で、厳しい政権運営を強いられることは必至だ。

結局、与党で過半数を維持することが出来ず、「ねじれ」の構造を生むことになってしまいました。逼迫した日本の状況を踏まえて、管内閣がいかにスピード感を出していけるのか、というのは注目したいところです。

今回は選挙やその結果について考えたことを書いておきたいと思います。

微妙な変化

投票日当日、開票が進められている中、TV局では選挙速報の番組が行われていました。そういった番組に出演している議員の方々の話を聞いていると微妙な変化が生まれつつあるのかな、という印象を受けます。

「与党は即刻解散すべきだ」と声高に叫ぶ議員をあまり見かけませんでした。一昔前ならば、こういった状況になれば野党側から「解散すべし」のシュプレヒコールが起きていたことでしょう。しかし今、野党の立場にいるのは自民党です。自民党もねじれの立場での与党の運営を体験してきています。政治がちっとも前に進まない状況の苦さということを知っておられるのでしょう。

現状、微妙なパワーバランスの上に政治があることは間違いありません。それを含めての発言でしょうが「協力していけるところは協力していきたい」という声が多く見られたのは、政治的な一つの成熟と言えるのではないでしょうか。少なくとも「反対のための反対」というだけで政治の「議論」が行われていた事に比べればはるかにマシな状況と言えます。

もちろん、未だに「反対のための反対」を唱えておられる方もおられます。「民主党が頭を下げてきたら聞いてやらんでも無い」という大いなる勘違いをしておられる方もおられます。政治は議員の自尊心を満足させるために行われているのではありません。明確な方向性を持った人たちが、時に協議し、時に議論し、時に協力する。その総体こそが政治と呼べるものではないでしょうか。

日本が失ってきたモノ

管総理の消費税増税発言はあまりにも唐突でした。すくなくともデフレ克服の政策無しに消費税の増税を行うのは大変危険です。しかしながら、税制というものを社会保障を含めて議論していく必要はあるでしょう。そしてその議論は一日でも早く始めた方がよいことは確かだと思います。

あの発言を受けても、民主党はそれなりの議席を獲得しました。管総理の「議論そのものが否定されたわけではない」という発言自体はある程度納得できるものです。しかし、全体の投票率は57・92%。これは国政選挙の投票率としてはあまり誉められた数字ではないでしょう。投票率の善し悪しという事だけではなく、この数字はある種の事実を示しています。

それは、国民の半分近くが「政治」に関心を持っていないということ。よく知られているように投票率が低ければ低いほど「組織票」を持っている政党が有利になります。極端なたとえですが、この投票率が80%まで行けば今回の選挙の結果は大きく異なっていたことでしょう。さらに微妙なパワーバランスが出来上がっていたかも知れません。

おそらく高度経済成長と自民党の長期にわたる与党運営による大きな弊害はこの「政治に対する関心の薄さ」を引き起こした事でしょう。それは国民主権を規定している国家から見れば「王の不在」と呼べる現象です。この国の王は不透明度60%ぐらいの、幽霊のように薄く透けた存在になっています。

マーケティング的政治

一億総中流と呼ばれた時代においては_それが現実的には幻想であれ_、強力な政党が一つ存在していれば充分でした。政党というのはある種の理念を持ったものですが、それは特定の層の利益を確保するためのものとも言えます。国民の中に「差」が無いならば、必要とされる政党も一つあればOK。日本の中流層に「ウケがよい」政策だけを掲げておけば圧倒的な議席を獲得できたわけです。

選挙はほとんど勝つ政党が決まっている、投票率が低くても国の政治はうまく行っている、そんな思いこみが国民の中に生まれていたとしてもおかしくはありません。

しかし、現代ではどうでしょうか。そこらじゅうに「格差」が見え隠れしています。それはバブル後に生まれてきたものなのか、それともずっと隠蔽していたものが顕在化してきたのかはわかりません。

都市部と郊外や農村部といったものでも明確な格差があります。団塊の世代近辺と、現在20代あたりの「格差」も大きなものがあるでしょう。

本来二大政党制というのは、こういった異なった層の利益をそれぞれが主張し、お互いに綱引きをすることで全体のバランスを取っていく事が目的でしょう。しかし、現状の自民党と民主党にはそういった差異は感じられません。

それは、未だに一億総中流の名残を引きずっているからではないでしょうか。国民という非常に大雑把な範囲を対象にしたアピールを行えば、出てくる政策は似たり寄ったりになりがちです。これは、マーケットを絞り込めず玉虫色の商品開発しかできない企業の置かれている状況に似ています。

現在投票が行われていない30%の層の利益を主張する政党がでてくれば、きっと面白いことになるのではないかなと思います。老人を切り捨ててこれからの若者に徹底的に資源を分配していく政党、といったものです。もちろんこれは極端なものであることは理解しています。少なくともその政党が議席の大半を占めるということはないでしょう。しかし、そういった政党が若者の利益を国会の場で主張することで、ようやく綱引きに参加することができるようになります。

今のところ、日本の若者のために綱を引いてくれる議員の数は目につく数ではありません。

まとめ

今のところ、私が望むのは

  • 政治家のための政治が無くなること
  • 投票率が90%に近づくこと
  • 異なった層の利益を代表する二大政党ができること

この二つです。これを実現していくためには、多くの環境を変えていく必要があるでしょう。選挙制度や投票制度も変えなければいけまん。政治の側だけではなく、国民の意識も変わっていく必要があるでしょう。

でも、それしか「この国を救う」術が無いのではないでしょうか。カミカゼや黒船や冷戦に期待するのではなく、自らの手で状況を変えていくしか残られた道はないように思えます。

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