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スケジューリング概論 ~二つのスケジューリング~

Inspired by クラウド時代のスケジュール管理術・応用編/ビギナーズ・ハック第3回

introduction

ラシタ  「ベック君、スケジュール管理に必要なものって何かわかるか?」
ベック君 「はい!手帳ですね」
ラシタ  「ちゃうちゃう。それはあくまでツールや。手帳やなくても管理はできる」
ベック君 「じゃあ、必要なものって何ですか」
ラシタ  「それはな・・・」

スケジューリングとは

タイムマネジメントの一つとして「スケジューリング」というものがあります。スケジュールという言葉はよく使われていますが、タイムマネジメントとしてのスケジューリングとはどのような事でしょうか。今回はこれについて考えてみたいと思います。

野口悠紀雄氏いわく、スケジューリングとは「持ち時間に仕事を割り振る」作業の事。これは、「タスクを時間に結びつけること」と言えるでしょう。この作業をするためには二つの要件を満たしておく必要があります。

自分の持ち時間を把握する
自分のやるべき仕事を把握する

手帳というのは、この二つを把握するための機能が付いています。ビジネスパーソンの方が手帳を使われるのも、それが理由でしょう。しかし、必ずしも手帳が必要かというとそうではありません。上記の二つが実現できるならば別のツールを使ってもよいでしょうし、単一のツールである必要もありません。

タイムマネジメントにお悩みの方は、まずこの二つがきっちり出来ているかを検証してみてください。特に「自分の持ち時間」については曖昧な方が多いのではないでしょうか。

持ち時間の把握

持ち時間の把握のためには、未来に入っている予定+過去の記録という二つの物を考慮する必要があります。1日が24時間とすれば一週間は168時間。ここにアポイントメントで消費される時間が引かれ、人間としての生命維持のための時間が引かれ、家の雑用が引かれ・・・とまるで銀行口座から料金が引き落とされるように時間が目減りしていきます。しかし、それは現実です。そこを無視して自分の持ち時間を把握することはできません。

ここで、スケジュールというものを二種類にわけて考えてみることにします。

パッシブ・スケジュール

これは、受動的なスケジュールです。会社であれば会議の時間やアポイントメントなど自分の裁量だけでは動かせないものの事です。

このスケジュールの一番の目的は「ダブルブッキングを防ぐこと」です。これは一番やってはいけないことなので、最低限このスケジュール管理はできるようになっておく必要があります。

ポイントは管理を一元で行うことです。手帳ならば一冊に、ウェブカレンダーならば単一のツールに統合できる環境を作っておくこと。日頃から一元管理ができていれば、ダブルブッキングの脅威に晒されることはないでしょう。

ダブルブッキングとリソースのキャパ越え

ダブルブッキングとは同じ日・同じ時間に別の場所の予定を入れてしまうことです。少し広い意味で捉えれば、15時に東京で会議、16時に札幌で会議、というのもダブルブッキングといえるかもしれません。

ダブルブッキングは、「単一のリソースを複数の対象に割り振ってしまった」事により起こる現象です。リソースのキャパ越えと呼んでもよいでしょう。先ほどの例も、人間の体が二つに分裂できるならば、取り立てて問題になることはないでしょう。
※その場合はトリプルブッキングが問題になるだけの話ですが

この「リソースのキャパ越え」はダブルブッキングだけに留まるものではありません。例えば複数の作業を同時並行的に進めるというマルチタスクというのも同じ事です。あるいは、「仕事の引き受けすぎ」というのも同様です。自分のキャパを超える作業を行うことは、ダブルブッキングをしているのと同じ、ということは覚えておいた方がよいかもしれません。

アクティブ・スケジュール

手持ちの時間をどう活用するか、がアクティブ・スケジュールです。プランニングと言い換えてもよいかもしれません。パッシブ・スケジュール後の「手持ち時間」の活用がこの作業の目的です。

この時、気をつけたいのが、以下の二つの点です。

  • 「時間を確保する」
  • 「バッファーを設定する」

時間を確保する

「時間を確保する」というのは、自分自身とのアポイントメントを取るとも言えます。漠然と空いている時間ほど無意味に浪費されるものはありません。この時間はこれをやる、とはっきり決めてしまうことです。自分との約束を取り付けてしまうことです。そういった明確な約束がないと、事前にやろうと思っていた事の成否は「その日の気分次第」になってしまいます。つまり永遠に出来ない、ということです。

自分がすべきことを、自分との約束事として時間を確保する、これがアクティブ・スケジュールの第一歩です。「重要かつ緊急でないこと」を処理するためにはこの時間を使うのがもっとも賢明だと思います。

もしその時間になってもそれをやる気が全然起きない、ということがあるかもしれません。そのときに別のことをするのではなく、その作業のタスクを細分化したり、あるいはやらない言い訳を考えたり、関連する本をじっと眺めたり、といった多少なりとも関係あることをやっておいた方がよいでしょう。

例えば、あなたが誰かに1万円貸したとします。「来月必ず返すから」と言っていたその人は次の月になっても何の音沙汰もありません。もしその人が「ごめん、今月思ったより給料少なくてさ、1000円だけ返すから次の月まで待って」といったとしたらどうでしょうか。どちらの方がその人に信頼感を持てるでしょうか。

自分との約束でも同じ事です。あまり頻繁に自分で決めた時間に別の作業をしてしまったりすると、徐々に「自分で決めたこともやらなくていいんだ」という感じになってきてしまいます。これを私は「セルフイメージの低下」と呼んでいますが、こうなってしまうと「予定」や「計画」というものが意味をなさなくなってしまいます。

もし、自分が「約束を守れない人間だ」という自己認識を持っておられるならば、ごく短い時間にごく簡単なタスクを約束して、それをクリアしてみることから始めてみるのがよいでしょう。

バッファーを設定する

これは、多くのタイムマネジメントで言われていることです。要するに「予備日」をつくれ、ということです。あるいは「予定には余裕を持って」と言えるかも知れません。

こういった「予備日」を創っておけば、体調不良や突発的な事態に対応することができます。またそれ以外にも、使わなかった予備日に見直し作業を行って質を高めたり、整理や掃除をしたり、仕事のメンテナンスをしたり、読みたかった本を読んだり、と普段やらないような事をする時間に充てることもできます。

「予備日」は順調に仕事が進めば「おまけ」の時間として自分の好きなように使うことができる、ということです。仕事と生活に余裕を持つというのが「予備日」の役割です。

つづく

今回は、二つのスケジュールについて考えてみました。仕事の種類によってはアクティブとパッシブの比率はずいぶん変わってくると思います。どちらにせよ、一週間に1~2時間くらいは「自分の時間」を確保しておきたいところです。

「やるべき仕事」については、次回に続きます。

参考文献

続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 (中公新書)
続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 (中公新書) 野口 悠紀雄

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