「タスク」の研究

スケジューリング概論 ~コミットメントの選択~

※前回はこちら「スケジューリング概論 ~二つのスケジューリング~

前回では、時間を確保すると言う観点から二つのスケジューリングについて考えてみました。スケジューリングの要は前回にも書きましたが、

自分の持ち時間を把握する
自分のやるべき仕事を把握する

この二点です。前者についてはとりあえずはできた、ということにしておいて次は「やるべき仕事」について考えてみたいと思います。

限りある時間 奪われる時間

一日は24時間です。一週間は168時間。一年は8760時間。人生はx時間・・・。

人間が一日にこなせる作業量は限られています。睡眠や食事を取る必要もありますし、集中力が続くとも限りません。これは考えるまでもないことでしょう。これは一週間でも同じ事。一年でも同じ事です。ある一定の長さの時間が与えられたときこなせる作業の量は自ずと限界が決まってきます。

言い方を変えてみれば、「作業」するためには「時間」が絶対的に必要だ、ということです。これは魔法を使うにはMPが必要だ、というのと全く同じ事です。

私たちは毎日毎日24時間という新鮮なミルクを配達してもらえますが、それは限りある資源です。いつかはなくなります。

まずはこれを意識しましょう。一日24時間は万人に等しく与えられているものですが、世の中にはそれを巧妙にあるいは傲慢に搾取する人々がいます。社会生活をしていく上では、そういった人々とある程度付き合う必要があります。反逆児になれば、そういう人たちと距離を置くことができ、時間の搾取からは逃れられるかも知れません。反逆児になれないならば、ある程度奪われることを前提として時間の量を見積もるしかありません。

時間を奪うのは、そういった傲慢な人々だけではありません。唯一にして最大のライバルがいます。それは、「自分」。これがもっとも強力です。

ハマトンはこのように述べています。

時間浪費の最大の敵は、中途半端な勉強だ」

なかなか耳の痛い話ではありますが、とっておきの真理でもあるでしょう。勉強が中途半端になってしまう理由はなんでしょうか。

  • 周りに流されて勉強を始めた
  • 勉強してもまったく力になっていない
  • 途中でこんなことを勉強していても意味があるのかという疑問が湧いてきた

おそらくはこんな感じではないでしょうか。これでは時間を勉強に充てても、それが浪費になってしまう確率は高いといってよいでしょう。始めた当初は、「自分にとって正しいことをしている」つもりだったのに、蓋を開けてみれば時間の浪費だったというのは、いくら「他人の搾取」に気を配っていても防ぎようのない事態です。

やるべき仕事とは

他人の時間の搾取、自分の時間の浪費、これら二つが時間を削り取ってしまうということを前提として考えるべきは

「自分がやるべき仕事は何か」

という事です。この質問を軽視している方がおられるかも知れません。「そんなの当たり前じゃないか」と。でも、本当にこの質問は簡単な事でしょうか。すくなくとも私はそうは思いません。

この情報化社会において、面白うそうな事、興味の向く事はたくさんあります。日常的にそれらに触れていると、まるで暗闇の中の灯火に羽虫が誘われるようについついそういう情報を知ったり、勉強したくなってきます。好奇心は人間を人間たらしめているものの一つでもありますが、時間の浪費の源になっていることも間違いありません。

世の中には「わざわざ自分がやるべき出はないこと」が山のように存在しています。それは「やる価値がない」と言うことではなく、「比較優位」の考えから「やっても価値がうまれない」という事です。

人に与えられた時間は有効活用すべき資源であるとともに、制限時間でもあります。自分がやるべき仕事は、「自分の時間」を使うべきものなのかを真剣に問いかけてから考えた方がよいでしょう。

また先ほどの問いは逆向きに使うこともできます。つまり、

「自分がすべきことではない仕事は何か」

これも、案外簡単そうに見えますがGTDをやっておられない方は一度意識してみるとよいかもしれません。身の回りの「別にやらなくてよい仕事」が結構見つかるかも知れません。

石の大きさ、箱の大きさ

一日24時間というのは、一つのサイズが決まった箱と考えることができます。それは万人に配られる箱です。そして、そこに「作業」という石を入れていく作業が「行動」です。どのように入れていくかを考えるのが「計画」あるいは「スケジューリング」というものです。

箱詰め作業はまず大きな石から入れていくというのが基本です。重要なものから、ということですね。あるいは時間のかかるものからその「枠」を確保するという事でもあります。もし、箱の容量以上の石があったとすればどうでしょうか。この場合、箱詰め作業がパズルから選択問題へと移行してしまいます。

小さな石が二つか三つ入りきらないならば、話はそれほど難しいものではないでしょう。しかし、一番サイズの大きい石が4つあって、そのうち1つが入らないとすれば、一気に選択の難易度は上がります。

この場合大きな石を砕いてから入れ、入りきらない残りは次の日に回すという手法もあるでしょう。あるいは、まるまる一個次の日に回すこともできます。しかし、次の日もきっと同じ状態になってしまうはずです。

一日の場合で考えましたが、一週間でも、一年でも同じ事です。1週間という曜日は人間の頭でも把握できますが、それが何時間ということになると「漠然とした結構たくさんある時間」ぐらいにしか感じられません。しかし、結局箱の大きさが変わっただけで、一日の場合と同じ事です。至極当たり前な表現になりますが

「人間は自分ができる事以上のことはできない」

ということです。能力を鍛えていくことで「できる事」の量を増やしていくことはできるでしょう。でも、現状のキャパシティー以上の仕事はできない、というのは当然です。困った場面でいきなり力が覚醒して3倍の早さで動けるようになる、というような展開はまっていません。

箱の大きさ、つまり自分の手持ちの時間を確認したら次は、仕事量の確認です。それぞれの石の大きさと、その全体量を把握しましょう。もしかしたら自分の目の前に置いておくべきではない石が見つかるかも知れません。箱の量から考えて入りきらないならば、そういう石は捨ててしまうか、誰かに回すか「いつかやる」リストにでも入れておきましょう。

まとめ

仕事量を考える上で単発の仕事ならば、トータルに与える影響はあまりありません。肉体を酷使すればどこかの時点で帳尻を合わせることができます。しかし、継続的なプロジェクトの場合は違います。一つ一つの石はそれほど大きくなくても、その石は何度も配達されてあなたの目の前に配られてきます。一週間、一年というトータルで考えた場合かなりの量になることでしょう。

かまどを二つ作るのはやさしいけれども、かまど一つの火を絶やさないでいるのはむずかしい
__「プア・リチャードの教え」(ベンジャミン・フランクリン)

いろいろな興味を持つのは良いことです。しかし、何でもかんでも引き受けるというのは、いくつもいくつもかまどを作ることと同じ事です。自分にとって一番大切なかまどの火を絶やさないでいるためには、新しいかまどを作ることをあきらめたり、送らせたりすることが必要かもしれません。

「自分のやるべき仕事を把握する」

これは、どのくらいの量仕事が残っているのか把握するということでもあり、「何が自分のやるべき仕事であるのか」を把握することでもあります。後者の事を考える上で、自分の価値観に基づいてコミットメントを選択していく必要があるでしょう。

▼参考文献:

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