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Evernote企画4th:第一回:「補助脳」としてのEvernote

Posted on 2010 年 8 月 18 日2017 年 4 月 30 日 by Rashita
Tag:
  • Evernote

Evernoteは「第二の脳」と言われます。私は記憶を助けるという意味合いで「補助脳」という言い方をしています。どちらにせよ、脳の機能の一部を担っているという点は共通しているでしょう。

一体、この「第二の脳」(あるいは補助脳)というのはどういった意味合いなのでしょうか。

今回は具体的な使い方よりも、一歩足を引いてみてメタ的なEvernoteのとらえ方について考えてみたいと思います。

Evernote運用遍歴

まずは、私がどのようにEvernoteを使うようになってきたのかを簡単に書いておきます。

ユーリカ!

私が使い始めた時は、多分他の方がそうであるように具体的なEvernoteの使い方は見えていませんでした。いろいろな試行錯誤と文献を当たっていく中で「情報カードボックス」として使えるということを発見しました。これはEvernote企画の第一回の記事にまとめてあります。これはいまでもメインの使い方の一つです。そのときは「クラウドベースで使えるデータ保存」ぐらいの感覚で使っていました。

おそらく普通に使う分はこのぐらいで十分だと思います。「情報カード」「書類入れ」「本棚」「アドレス帳」・・・の代わりに使う、ということです。

とりあえず、入れておく

そのときはまだフリー(無料)のアカウントでした。ある時、ちょっとした事情があってアカウントをプレミアムに移行しました。フリーの時ですら毎月のデータ送信量は余らせていたので、プレミアムにしたら相当余るな、とそのときは考えていました。

不思議なもので、データの送信量に余裕があるといろいろと送信したくなってきます。幸いメールを使えば、デジタルデータの大半をEvernoteに送ることができます。PC上のデータでもクライアントにドラッグすれば簡単に移せます。

どうせ余らせるぐらいなら、とほいほいEvernoteにデータを放り込んでいきました。おそらくこのあたりから徐々に使い方の変化が起こってきたと思います。「何でもEvernoteに入れてみる」を実行していくうちに「とりあえずEvernoteに入れておこう」という習慣が身につきました。

この時期に読んだ「グーグル時代の情報整理術」と「ライフログのすすめ」という二冊の本の影響もかなり大きかった思います。

  • 検索して引っ張り出せるならば整理の形にこだわる必要はない
  • 日常的に「脳」は記憶に関して頑張りすぎているかもしれない
  • 「情報」は均一ではなく、自分にとっての重要度がある
  • 後から使うかどうかは別として、ログを取っておく

Evernoteを使い続けていく中で、こういった行動指針・考えが生まれてきました。今の私の使い方の軸はこれらの要素を踏まえて成立しています。

身体感覚の拡張性

「ソーシャルブレインズ入門」の中で”ラバーハンド実験”が紹介されています。

ラバーハンド実験は、机の上に両方の腕を置くところから始まります。どちらかの腕を机の上に置いた衝立(ついたて)の向こう側に移動し、腕のあった場所にマネキンの腕を置きます。この状態で自分の目から見えるのは「自分の片手」と「マネキンの腕」だけです。

面白いのはここから。

さて、この状態で衝立の陰に隠れている腕とマネキンの腕のまったく同じ場所を、まったく同じタイミングで、筆で触ります。被験者には、マネキンの筆が触れている部分を見つめてもらいましょう。この筆によるマネキンと本当の腕の同時刺激を繰り返していると、徐々にマネキンの腕が自分の腕のような気がしてくるのです。

「自分」という感覚がマネキンの腕にまで拡張してしまっている、という事です。これは特別に不思議なことでもなくて、日常生活でもドライバーやらバットなどの道具を「手足のように使う」という表現があります。幻肢と呼ばれる現象もあれば、義足を本当の足のように使いこなす人もいます。

普段私たちが感じている「自分」というものの境界線は、それほど強固なものではなく、ある条件下で拡大しうるものだといえるでしょう。

まとめ

「とりあえずEvernote」習慣を続けていくと、まるでEvernoteが脳の拡張的機能を担う物として感じられるようになります。ラバーハンド実験でのマネキンの腕、使いなれたバット。そういった感覚が「補助脳」としてのEvernoteです。言い換えれば「脳デジタル出張所」を持ったような感じです。

ちなみに、「とりあえずEvernote」習慣とは

  • とりあえずEvernoteに保存しておく
  • とりあえずEvernoteから探す

という二つの行動から成り立っています。

何かを保存しておきたいという「入力刺激」が起きた場合にEvernoteへ、何かを探したいという「出力刺激」が出た場合もEvernoteから。

こういった事を繰り返していると、徐々に「Evernote」をツールとしては意識しなくなってきます。私たちが普段何かを憶えておくときに、「脳に情報を保存しておかなきゃ!」とは考えないのと同じ事です。

おそらくEvernoteを使いこなしている状態というのは、「Evernoteを使っていることを意識していない」状態なのではないかと思います。そういった状態まで行くことで「補助脳」を手に入れることができるのではないでしょうか。

参考リンク:
Evernote企画:第一回:Evernoteとは何なのか?(R-style)
幻肢(ウィキペディア)

参考文献:

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6 thoughts on “Evernote企画4th:第一回:「補助脳」としてのEvernote”

  1. moyori より:
    2010 年 8 月 18 日 12:35 PM

    たしかに、プレミアムにアップグレードしてから使い方が大きく変わりました。
    Evernote を使いこなすコツは、一度プレミアムに上げることかもしれませんね。

  2. rashita より:
    2010 年 8 月 19 日 7:12 AM

    >moyoriさん
    やはりプレミアムにすると見えてくる世界が変わってくる感覚がありますね。使い始めからプレミアムはちょっとリスクが高いですが、ある程度使って使い方が分かったら試しにやってみる、というのは良いかな、と思います。

  3. ピンバック: R-style » Evernote企画4th:第五回:影響を受けてきた書籍など
  4. ピンバック: R-style » Evernote企画4th:まとめ:御礼にかえて
  5. ピンバック: R-style » Evernote企画5th:第0回:「ノートブックリスト、共有しませんか」企画
  6. ピンバック: R-style » Evernote企画8th:第一回:新しいアプリのアイデアをどう考えるか

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