前回の続き。
「発見の手帳」と「ブレスト手帳」をre-collectionで行なう事は決定したものの、現状の体制では入る余地のないモレスキンを一体どのように活用するのか、という所から。
ポイントは、今までに無かったものを作る、です。
ツールについて考える上でのポイント
いくつかアイデアを考える上で設定した質問があります。
「今、何が必要だろうか?」
「書く事が義務的にならないだろうか?」
「活用できるだろうか?」
これらの質問に満足に答えられない場合は、新しいノートを作ったとしても、いずれ埋没していく事は目に見えています。
「今、何が必要だろうか?」
「必要」という言葉自体がとても曖昧ですが、不必要なものを作ったとしても時間の無駄であることは確かです。例えば私が購入した文具リスト、みたいなものは見直せばそれなりに楽しい気分になるはずですが、現状それによって得られるメリットはとても小さいものです。しかもEvernoteに写真付きでログを取っているので、二重のリストが出来上がってしまいます。
もちろん、それを専門にしているあるいは強くコミットしている方ならば価値ある物でしょうが、今の私に必要なものとは思えません。
「書く事が義務的にならないだろうか?」
それを行なう事で、仮に飛躍的に効率があがるものができたとしても、「いやいや」感があれば続きません。特に手書きを必要とするアナログツールではそれは顕著です。
※だから手帳はデザイン的に気に入った物を使うのが一番です。
また効果はあるものの、手間がかかりすぎても書くのが面倒になる可能性は充分にあります。どのようなツールでも使い続けていく中で見いだせる物があります。事前に中途半端に終わりそうなものに、手を触れない方が賢明でしょう。
「活用できるだろうか?」
「活用」という言葉も、またまた曖昧です。が、それは置いといて書くだけ書いてそれで終了というのでは、あまり意味はありません。アナログの良さ、つまり電源が無い状況でもすぐに閲覧できる。ぱらぱらと見返せる、という点を活かすような形での使用方法を考えたいもの。もし、それが無ければ手書きでやる事のメリットは随分と小さくなってしまいます。
※もちろん、ゼロになるわけではない。
単発のアイデア以上のもの
「今何が必要なのか」、を考えてみると「大きい企画を育てていく事」がこれからの私にとって必要という事に思い当たります。今まではこうして一日一回の単発の記事を書いていただけですが、書籍の出版や電子書籍あるいはメールマガジンの連載など定期的に企画というものが必要になってきます。
そのために「企画」を生み出す物として「ブレスト手帳」というものを作りました。それに合わせて一日15分の「一人ブレスト」も日課に加えてリマインダーをセットしてあります。
ただ、これに深みを与えるような要素があればいいなと思います。単に単発の記事をくっつけて長い記事を作るのではなく、大きな視点、異なった視点からの企画。そういった「大きな枠組み」でのアウトプットに向けて何か準備をしていこう、と思いました。
今まではアイデア帳としてEvernoteの中にネタをどんどんと詰め込んできましたが、それにひとひねり加えられるような何かがあれば、将来的な自分の役に立つのではないか、と考えたわけです。
うぉんとぅ インスピレーション
「アイデア」におけるインスピレーションは化学変化における触媒のようなものを必要とします。アイデアを複数集めてミキサーにかけても、「アイデア的」な物はできるかもしれませんが、インパクトのあるアイデアになるかどうかは不明です。
要するに、自分の心に「!」が浮かび上がらないと大抵他の人の心にも「!」を浮かび上がらせる事はできない、ということです。
ここで、一つの質問を立てました。
「インスピレーションを得る事だけに特化したノートというものが存在するならば、それはどのような形式のノートになるだろうか」
宮崎駿さんが創作のための秘密のノートを持っていらしたのを、テレビかなにかで拝見しましたが、そういうノートを作ってみてもいいかなと思いました。
そのノートの形式はだいたい次のような感じになるはずです。
- 「見るためのノート」「読むためのノート」
- 自分の興味のある分野の情報が雑多に詰め込まれている
- 異質なジャンルの情報が入り交じっている
初めからぱらぱらと見返す事を前提にノートを作っていく。ネタ帳というよりも「アイデアの種本」。そんなイメージのノート。
※アイデアの種本に関しては「アイデアのつくり方」参照
もちろんEvernoteでも同じものは作れると思います。むしろ集められる情報量とかかる手間を考えれば圧倒的にEvernoteに軍配があがるでしょう。ただ、一度アナログで作ってみる事で、デジタルとの比較ができるのではないかと思います。
※もちろん、Evernoteでの収集も続けます。データが二つあっても何か具体的に困る事態にはならないでしょう。
一日に一回、週に一回の書き込み
以前紹介した「ブレスト手帳」と同じようにこのインスピレーション手帳の設計も3部構成にしました。
前部分は「面白そうなトピックス」or「ちょっとした考察」。中うぶ分は「疑問帳」。最後は「台詞集」という構成です。
それぞれ、一日に一回ほぼ日カズンやリコレを見直してモレスキンに移行させていきます。はっきり言って手間ですが、面倒というレベルではありません。だいたい一日に15分なり20分なりを手帳と向き合う時間が持てなければそれは「仕事の詰め込み過ぎ」でしょう。
あとは週に一回レビューの際にノートを見返して目次作りなどを行なう、ということになります。
ちなみに「疑問帳」は思い浮かんだ疑問だけを書き込みます。答えを思いついても別の場所に書きます。一つの疑問でも時間とともに自分の答えが変わるかもしれません。しかし答えを書き込んでしまえばそれに縛られてしまう可能性もあるので、疑問は疑問だけで保存しておきます。
「台詞集」はどこから集めてきたのではなくて自分で考えたもの。時々小説のいっぺんに使えそうな「台詞」を思いつくんですが、現所使う場所がないので行き先に困っていたのですが、とりあえずはこのインスピノートに入れておく事にします。ちなみに、これはページの最後から書き込んでいきます。
※ほとんど増えないため。
まとめ
というわけで、しばらくモレスキンポケットはインスピ手帳として使っていく事にしました。集中してアイデアを考える場合、パソコンから離れたい時がたまにあるので、こういうアナログツールで種本を作るのはありではないかなと現段階では考えています。
まだ書き始めたばかりなので、具体的な成果は見えてきません。ノート類は蓄積した時に、初めてその威力が垣間見えるものです。これはアナログノートでも、デジタルノートでも同じです。
しばらくは、モレスキンと共にアイデア生活を送る日々が続きそうです。
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