物書き生活と道具箱

ノート企画2nd:第一回:機能別アナログノート(上)

シゴタノ!の大橋&佐々木コンビが送る、「マンガでわかる!スピード仕事術」は好評発売中です。

でもってその次作の著者が公募されているというのは、「R-style » 「マンガでわかる!」シリーズに向けた8コママンガのストーリーワークフレームについて」でも紹介しました。次作のテーマは「ノート術」ということで、一応私の「守備範囲」です。

これは参戦せねば、という事で過去のエントリーを読み直したり、ネタだししていたんですが、よくよく考えると「8コマ」で伝えるのって難しいですね。もちろん「やるべきこと」は十分に理解できているのですが、私自身文章を使ってくどくど説明(解説)するのが好きなので、トピックス一つをガツンと紹介するという場数をあまり踏んでいません。
※このブログの読者の方に説明は不要でしょうが。

そういう時に、「じゃあ、いっちょ自分のBlogでワントピックスをガツンと紹介する記事でも書くか」とならないのがR-styleクオリティです。むしろ文章の密度を上げる、ぐらいの勢いです。ひねくれ者ですね。

シゴタノ!でもノート企画をぼちぼちと始めていますが、R-sytleでも「ノート企画1st」に続く感じで、ノートについてあるいはノート術について考えてみたいと思います。

今回は「アナログノート」について。

アナログツールとアナログメディア

すでにEvernote+アナログノートは私の中で日常の一部になっているので特に違和感はないのですが、iPadというツールを見ると「アナログノートの存在価値」というものについて深く考えてしまいます。すくなくとも単純な機能で見れば「iPad+スタイラスペン+ノートアプリ」はアナログノートの代用品として十分に成立すると思います。

記録の保持、過去データの参照、牽引の作成、検索、(比較的)すぐに書き始める事ができる・・・。もし、アナログノートにこんな機能があればよいだろうな、というものが標準で装備されています。であれば、iPadが普及すればアナログノートは死滅するのでしょうか。

この問いかけは、別の問いかけと似た響きがあります。それは、電子書籍が普及すれば普通の「本」は消えて亡くなるのだろうか、という問いです。

それぞれの意味

私自身、後者の問いに対する答えは、Noです。適切なフォーマットとプラットフォームが整備された電子書籍が普及することで紙メディアの本の売れ行きが下がることは容易に想像できます。しかし、それはそれとして今までの本はしっかりと残っていくだろうと思います。それは単に新しい機能を使いこなせない人や骨董品集めをする人がいるからではなく、実際の「物」としての価値であり意味が紙メディアの本にはあるからです。

日本の出版業界は今のところ紙の本を単に電子メディアに置き換えているだけですが、業界全体の活性化を考えていくならば、「紙」と「電子メディア」で展開する方向性に変化を加えることも必要なはずです。

「紙」ならではなものと「電子」ならではなもの。それぞれの特徴を最大限に生かせるコンテンツ展開をしていくことが業界の生き残りを考える上で最重要課題になってくるのではないかと思います。そのためには、それぞれのメディアが持つ特色をしっかりと把握しておくことが重要でしょう。

そして、アナログノートを含むノート環境にも同じ事が言えると思います。議論すべきは「どちらが優れているか」という機能の争いではありません。むしろ「いかに使い分けるべきか」「どのように統合すべきか」というある種の生態系のあり方でしょう。

そのためには、それぞれの優れている点をもう一度はっきりと確認しておくことが必要になってくると思います。

機能的分類

「アナログノート」が指し示すものは多様です。キャンパスノートからルーズリーフまで、どれでもノートの範疇に入っています。極限まで言ってしまえばA4のコピー用紙を何枚か持ち歩いていても「ノート」と言い張ることもできます。

これらの雑多なものを機能的に分類してみましょう。

綴じっぱなし

要するにノートです。ノートブックという呼び方がやや正確でしょうか。B5サイズのキャンパスノートが一般的で、さまざまなサイズ、罫線のバリエーション、特殊な機能付きのノートが発売されています。基本的に時系列で記入していき、書き終えた後は書類棚なり本棚に保管される事になります。

このノートの最大の特徴は「場所が動かない」という所。同一のテーマについて時系列で記入したい場合はこのノートが一番最適です。講義のノートなどはまさにこれにあたるでしょう。もちろん、ページを破ることもできますが、あまり意図された使い方ではありません。

「知的生産の技術」をひけば、

ノートは内容の保存には適していても、整理には不適当である

と書かれています。これが綴じっぱなしノートの特徴でしょう。

ちなみに、時系列で残る、ページを破ることがあまり意図されてないというのは、Evernoteでも共通のポイントだと思います。

とりあえず綴じてる

これは「最初は綴じてあるけども、切り離せる」ノートです。有名なアイテムでは「ニーモシネ」があるでしょう。その他レポートパッドもこの部類です。なんならロディアも付け加えましょう。

普通のリングノートもびりびり破ることができますし、ミシン目が付いていて切り取りやすいものもあります。

私が今一番気に入っているのが、このタイプのノートです。基本的に書いた物はスキャンしてEvernoteという流れが出来上がっているので、書き終えたものだけをスキャンにまわせる、このタイプのノートはものすごく使いやすいです。用済みの物はGTDで、ちょっと手元に置いておきたいものはクリアファイルにまとめられます。
※GTD・・・Go To DustBox.

しかし、このタイプのノートは例えば「メタノート」といった用途にはあまり向いていません。もちろん綴じノートを破るのと同じで出来なくはないですが、基本的に情報はそこに留まるのではなく、どこかに移動することが前提です。

移動先はバインダーかも知れませんし、クリアファイルかも知れません。あるいはスキャナでもありでしょう。なんにせよ、保存よりは整理を目指しているのがこのタイプのノートです。

そもそも綴じてない

これをノートに分類するかどうかは判断が分かれるところですが、一応広い意味でのノートに入れておきます。

例えばルーズリーフ。バインダーに綴じればノートですがもともとの状態は単なる紙です。先ほどのA4のコピー用紙と基本は同じ。さらにカード(情報カード)というものも、ここに入ってきます。

これは最初から最後まで整理することを目的としています。「保存するため」ではなく、それぞれを情報のパーツとして捉え、再利用することに特化していると言って良いでしょう。

一応時系列で保存することもできます。カードそれぞれに日付と時間を書いていけば、それがナンバリングになります。が、これらは意図的にやる必要があって自然な状態では「順番」というものは存在しません。

例えば、学生が講義を受けているとします。授業内で出てくる重要な点を1テーマごとにカードに書き写すことで講義ノートをつくることもできます。出てきたトピックスを受けた授業の日付に関係なく並び替えて、新しい視点を導き出し、オリジナルな論文をつくる・・・必要は普通の学生はありません。基本的にそれは「記憶」するためのものです。そのためには、記憶するには時系列にまとめておく、塊をつくる、流れを意識する、という要素があった方がよいでしょう。だから大抵はキャンパスノートを使うことになります。
※なぜこの要素があった方が良いのかについては割愛

そういう意味で、そもそも綴じてないノートはかなり極端なものです。

もちろん、普通にルーズリーフに書いて、バインダーに時系列に綴じていけば「綴じノート」として使うことができます。しかし、この使い方をするならば、初めから綴じノートを使えばよいのではないか、という気がします。

まとめ

今回はアナログノートについて見てきました。あくまでアナログノートの機能という点にだけ絞ったので、「アナログで書くこと」についてはまた別の回に考えたいと思います。

デジタルとの組み合わせで考えた場合(特にEvernote)、「綴じっぱなしノート」は若干取り回しが悪い点が目に付きます。もちろん、それらのノートもスキャンすることは可能ですし、スキャナの種類が多様化してくれば、全然問題なくなる可能性はありますが、今のところは面倒です。

「とりあえず綴じてるノート」はスキャンスナップなどのドキュメントスキャナタイプと非常に相性が良いノートです。普段はノートのように持ち運んで、記入し、使い終えたらスキャン。この実際に使うのと保存・整理のバランスが良いでしょう。

「そもそも綴じてないノート」もデジタルとの組み合わせは便利です。それ単体でも情報アーカイブ(※)として機能させることもできます。が、持ち運ぶあるいは外で記入するような場合、他のツールが必要になる場面もあります。
※PoICなど。

「アナログとデジタル」の使い分けについて考え始めたわけですが、そもそものアナログノートですら様々な使い分けが存在します。個人的に日記を書くとしたら綴じっぱなしノートにするでしょう。逆に自分のアウトプットにつなげるものはとりあえず綴じてるノートか、そもそも綴じてないノートに記入した方がよさそうです。

次回はこの点について、もう少し突っ込んで考えてみたいと思います。

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シゴタノ! —    『マンガでわかる!スピード仕事術』第2弾のネーム(下書き)を公募します(採用者には印税をお支払いします)(シゴタノ!)

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