本の紹介

レビュー 「日経アソシエ 決定版手帳術 2011年11月16日号」

昨日発売の日経アソシエを購入した。
なんといっても手帳術特集だ。しかも「決定版」と来た。
これはチェックせずにはいられない。

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簡単にレビューしておこう。

大まかな内容

構成は次の通り。

  • 活用の達人40人に学ぶスゴ技
  • デジタル管理の効用
  • ベストな一冊を選ぼう
  • 手帳をもっと便利に!

活用の達人40人に学ぶスゴ技

シゴタノでも連載をお持ちで、先日発売になったばかりの「朝活手帳」をプロデュースされた池田千恵さんトップバッター。そこから最前線を行くビジネスパーソンの手帳術が40人分、写真付きで紹介されている。

面白いのは、Twitterやブログで「知っている」人が多く登場していること。

例えば、@smilesignalさんとか@sta7kaさんとか。

もしかしたら他にもおられるのかも知れないが、IDが表示されていないとさっぱり、というのがTwitterの問題である。アイコンがあると一発で判別できるんだけども・・・。

参考になるならないは別として、人の手帳の使い方というのは見ているだけで面白い。他の人のiTunesとか本棚とかを見る楽しみに似ている。

デジタル管理の効用

「手帳」のデジタル活用面では、小山龍介氏が登場。両方のいいとこ取りを目指すという、このBlogでも書いているような事だ。まあ、仕事の種類によってこれができたり出来なかったりする、ということだけは頭に置いておいた方がよいだろう。

あと、「超」整理手帳がiPadアプリがあるらしい。個人的にはあまり興味なし。

ベストな一冊を選ぼう

手帳王子こと館神龍彦氏が手帳選びに悩んでいる読者3人の「手帳探し」を手伝いするという企画。
※今のところ王子ということは、次は「手帳王」ですね。これで「文具王」と同ランクです。

40人のスゴ技も面白かったが、ここも面白かった。

手帳王子はこう語る。

皆さん、”My手帳”を探し出すためには、手帳に注目しているだけではいけません。

では何に注目すべきなのか?

どんなスペックの手帳と、どんなツールを組み合わせて、どう使うか。その3点を常に考えることが大切なのです。いいですか?「手帳のスペック」「ツール」「習慣/テクニック」ですよ

これはとても大切な事だと思う。手帳について考えるときは、その手帳の機能だけに注目していたのではいつまで経っても「最適解」にたどり着けない。周りの環境を変数とした関数の解が「手帳」の選択として出てくるのだから。

この辺は「文房具を楽しく使う ノート・手帳編」が参考になるだろう。

それに続いて。2011年度版の手帳のガイド。これはまあいい。

あと「ほぼ日手帳」のビジネス版として登場した「ほぼ日手帳Weeks」についての糸井さんと佐藤さんの対談が載っていた。これについては後述。

手帳をもっと便利に!

ここでは、手帳のDIYとか便利アクセサリーとかペンについて。関連グッズの紹介。
最後にアソシエと日本能率協会マネジメントセンター共同開発の「リスティ」手帳の紹介。

ほぼ日手帳Weeks

先日ほぼ日手帳Weeksが発表されたときに感じたのは、

「なぜ、あえてこんな普通の手帳を?」

という疑問だった。ここまでオリジナル色を貫いてきたほぼ日手帳が「妥協」したのか、という危惧もあった。でもそんなに単純な話でないことがこの対談を読んでみてわかった。

次は糸井さんの言葉。

ほぼ日が王道のデザインに近づけるなんて前例がないですよね。いつも”隣の庭”にいる僕たちだけど、今回はあえて相手のルールで勝負します。

私はこういう「あえて」が大好きだ。

今までは他の手帳と違った手帳として認識されてきたほぼ日手帳。それはビジネスパーソンが思い描く手帳よりは、むしろ「ノート」や「日記帳」に近いものだった。それで拡大してきた歴史があるわけだが、あえてそこを広げてみる、という事なのだろう。

要するに「普通の手帳もちゃんと作れますよ」とアピールしておいて、「これどうですか?」とほぼ日手帳へのルートをつなぐわけだ。

確かに、長い間使われ続けている「普通の手帳」のフォーマットは洗練されているといってもよいだろう。そこにほぼ日手帳らしさを織り込んだものを売り出すこと、つまりある種の挑戦なのだろうと思う。

見方を変えればこういう事になる。今までのほぼ日手帳は「糸井事務所の人たち」が使いやすい手帳を目指して始まった。ユーザーの声を取り入れながらも発展してきたが、射程圏内は「ほぼ日」読者の中だったわけだ。

今度はそれを「外」に出してみよう、というわけだ。アウェーで闘うわけだ。

私はビジネスシーンでも普通のほぼ日手帳を使っていたが、そうしにくい環境もあるだろう。そういう環境の人もWeeksならば使えるはずだ。で、使ってみて「トモエリバー」の書きやすさとか方眼ノートの便利さを発見するかも知れない。

要するに「ほぼ日手帳文化」というものを、一般のビジネスシーンにも広げていきたい、という思いがあるのだろう。

発売初年度から売れるかどうかはわからないが、ユーザーを増やし続けていくためにはこういう試みも必要なのだろうと思う。

こだわる事と、タコツボに引きこもることは別物なのだ。

40人のスゴ技について

さて、手帳術として紹介された40人のスゴ技についての感想。

ぱっと見て感じたのが、ほぼ日手帳ユーザーが結構多い、ということ。これにはバイアスがかかっている。

普通の手帳は普通に使える。しかしほぼ日手帳は自由度が高く、工夫する余地がある。こういった企画のサンプルに手を挙げる人は当然「自分なりの使い方」をしている人の割合が高くなるから、ほぼ日手帳ユーザーの比率はあがる。まあそういう検証をしてもまったく意味はない。

あと、皆さんが本当にいろいろな手帳を使い、自分なりの工夫をしている。

そこで見えてくるのは、「手帳術」に正解はない、ということ。もしかしたら「王道」はあるのかもしれないが、絶対的な正解はない。

もう一点気になったことは、結構「手帳+α」の構成にしている人が多いこと。

手帳+iPhone、手帳+手帳、手帳+ノート・・・今の日本では本当にいろいろな選択肢がある。自分の好みや環境に合わせてカスタマイズすることができる。ツールにはそれぞれ長所短所があるわけだから、それらを組み合わせるのは当然の選択だ。

皆さんノートをカラフルに彩ったり、シールを付けたり、写真を貼ったり、ハンコを押したり、縦横無尽に付箋を張り込んだりと、本当にいろいろな使い方がある。一冊それだけの本でもおもしろいかもしれない。流通に載せる出版は無理でも、電子書籍ならばそういうこともできるだろう。

当たり前だが、それぞれの人にそれぞれの正解がある。だれが一番かを決める必要はないし、決められるはずもない。社長には社長の、営業には営業の手帳術があるし、同じ職業や役職でもそれぞれの仕事の環境に合わせた最適な手帳術がある。

手帳術について書かれたビジネス書を読むと、あたかも「その使い方以外ダメ」みたいな印象を受けることがあるが、それはその著者の中での「正解」を提示しているに過ぎない。

もし日本中の人がおなじような手帳の使い方をしていれば、ちょっと気持ち悪いだろう。であれば、手帳に精通している人は画一的な方法論を提示するのではなく、できるだけ幅広い具体例の紹介と、そこから見えてくる「基本と原則」について考える事が必要だろう。

多くの人の手帳術を見て、そういう風な事を感じた。

さいごに

まああえて私がプッシュするまでもないが、手帳好き、手帳術マニアの方は一読しておいて損はない一冊だ。なんといっても「決定版」なのだから。スクラップするも良し、スキャンしてEvernoteに入れておくも良しだ。

この時期は雑誌で手帳関連の記事がよく出てくるが、そういうのとは一線を画した企画でした。あとおまけにデータブックと超極薄フィルム付箋も付いてきます。なかなか便利そう。

その他関連エントリー:
日経ビジネス Associe — 決定版 手帳術 2011(PlusDiary.com 手帳と文房具のレビューサイト 2nd.)
日経ビジネスアソシエ 2010年11月2日・11月16日合併号(日経BP)

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