物書き生活と道具箱

プレゼンの反省材料あるいは「こんなセミナーは」の提案

ブログ「ライフハック心理学」で「プレゼンのための5:3:2の法」というエントリーがあがっていました。ちょっと思うところがあっていろいろ考えてる間に、「ホッテントリー」になってしまったので、引用するのも人気の後追いみたいでいやなんですが、なかなか耳の痛い話が含まれているので、自戒を込める意味でも紹介させていただきます。

要点だけをまとめれば、プレゼンの場合

「まったく知らない話ばかり聞かされるのは苦痛だし、理解の範囲を超えるので全体の1~2割程度を未知の話にして、残りは既知あるいは聞き覚えのある話ぐらいにしておいたほうがいいですよ」

となります。

割合は

  • 聴衆がすでに知っていること50%
  • 言われれば「聞いたことがあるな」思い出すこと30%
  • 初めて聞く話20%

という程度のようです。

ものをよく知っている、しかも新人さんのような方のセミナーにお邪魔すると、未知6割くらいの話を、早口でまくし立てていたりします。私も昔やっていたことですが、聴衆としては、とてもつらいものです。

私なんかは、この典型例のような感じ。しかも、ものをよく知らないのだからタチが悪いですね。既知か未知の割合というのはあまり→ほどんど→まったく意識していませんでしたし、当然「早口でまくし立てて」しまっています。

これでは聴衆置き去りといわれてもしかたありません。

重要なことだけを

さて、このプレゼンのための既知未知割合の法則を考えてみると、「プレゼンテーションZEN」(以下プレZEN)と同じ考え方に到着することに気がつきます。プレZENの極意を一言で表せば、

「作りこんだシンプルたれ!」

となります。要するに単純さを乗り越えたシンプルさを持ってプレゼンにあたれ、ということですね。

当然シンプルにするためには、徹底的に「重要な事」を絞り込んでいく必要があります。既知未知割合の法則でも同様でしょう。仮にこの法則を「未知のことを今までの半分以下にせよ」というアドバイスとだけ取ってしまうと誤った方向性に進む可能性があります。

これは、重要なことに絞り込め、というアドバイスに捕らえるべきでしょう。伝えたい未知の情報を減らすというのは、それほど簡単なことではありません。重要なことの中でも、まあまあ重要、結構重要、そここそ重要、というランク付けを行う必要があります。

そして、真に重要な情報を見出せたら、あとはそれを取り囲むように既知の情報を配置していくということになります。プレZENの場合は、スライドにこの既知の情報はまったく配置しないという手法になっています。

たとえば、こんなセミナー

さて、スライドを使って話すにもいろいろな状況が考えられると思います。講演もあればセミナーで何かを教える場合もあるでしょう。

最近私が考えるのは、物事の学びの本質は「質問」にあるのではないか、ということです。

であれば、2時間セミナーがあれば、そのうち重要な部分だけを2割の時間を使って伝達し、残りの8割の時間は参加者の質疑応答に当てる、という方法はどうだろうか、と思います。

はっきりいってこれは主催者、参加者ともにリスクフルです。8割の質問の時間に質問が出てこなければその時間とセミナー費用はまったくの無駄になります。

でも、それぐらいの危機感を持ってセミナーに参加しないとなかなか学ぶことってできないんじゃないかなと思います。小学生の授業ではないのだから、全部の時間一方的に教えるよりも、参加者の自発的な質問にアプローチしていく、というのが学びの費用対効果(時間も含めて)がもっとも高いような気がします。
※ついでに言えば、教えているほうが学ぶのもこのやり方が一番大きいような気がします。

もちろん、こうやって書くのは簡単ですが実際にそれをやるとなると問題は山積みです。
主催する側も参加する側も簡単な気持ちで望むことはできません。講師側は想定外の質問に対応する必要がありますし、参加者は必死に必要な質問をひねり出さなければいけません。でもまあ、こういうのも面白いかなとは常々思います。

一歩足を先に進めて、講師が参加者に質問していく「サンデル教授」講義タイプも考えられます。

さいごに

とまあ、いろいろ考えてきましたがこれで私の話す内容の質があがるわけではありません。ポイントだけつかんですぐにプレゼンの内容が良くなるならば、「プロの講師」なんて職業は成立しません。

しかし、「抑えるべき点」「踏んではいけない地雷」というのは知っておくだけで成長は早い、と信じて日々精進です。

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