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デジタルイミグランド世代とアナログノート、あるいはホームグラウンドを持つこと

Posted on 2010 年 11 月 26 日2017 年 5 月 5 日 by Rashita

シゴタノ!主催者である大橋さんとお話しさせていただいたときに、少し気になった言葉がある。

「僕より若いのにアナログのノート使っているっていうのが驚き」

実際の言葉とは違うだろうが、ニュアンスはこんな感じだった。確かに大橋さんはほとんど紙を使わないスタイルだし、私は好んで紙のノートやほぼ日手帳を使っている。

私はあんまり年齢でどうこうとは考えないが、どちらがデジタルネイティブに近いかというと、それは私の方だろう。デジタルネイティブを言葉通りに捉えれば、幼少時代からデジタル機器あるいはネット世界に通じていて、親和性が高い人々の事を指すのだろう。

しかしながら、私の世代はまだぎりぎり「デジタルネイティブ」とは言い難い。ネットが当たり前のように生活に浸透してきたのは高校を卒業したあたりだったのではないかと思う。

だから、例えば私と同い年の@goryugoさんみたいに「アナログはほとんど使わない」という大橋さんと似たような思想をお持ちの方もおられる。また、私より少しばかり若い@beck1240さんは私と同様「アナログ好き」派である。
※この辺の「デジタル好き・アナログ好き」マトリックスをだれか作ってみてほしい所だ。

「結局の所世代は関係ない」というのが結論な訳だがもう少し考えてみたい。

情報の摂取が形作る思考と嗜好

次は「デジタルネイティブ 次世代を変える若者たちの肖像」という本の中にでてくるマーク・プレンスキーの2001年のレポートの引用だ。

平均的な大学の卒業生は、これまで人生で5000時間以下しか読書していないかわりに、1万時間もビデオゲームをしている。そうなると、もうそれまでの人類とは違うものになっている。彼らは、複数のタスクを同時に処理し、情報を猛烈なスピードで受け取ることに慣れている。テキストよりもグラフィックを見ることを好み、ランダムに情報にアクセスすることを好む。インターネットにつながっている時が最も機能する。リアルタイムに評価されることを好み、仕事よりもゲームを好む。

プレンスキーはこういった世代、つまりデジタルネイティブ世代をデジタルイミグランド世代が教育する事の難しさを提言している。そういう意味では、私はデジタルイミグランド世代と言えるだろう。

先の引用の中に出てくる「それまでの人類とは違うもの」という表現はいささか大げさな響きがあるが、実際その通りなのだと思う。日常的に受け取る情報の形や質や速度によって脳の処理機能は最適化されていく。

私たちの体が毎日口にする食事によって長期的に大きくその形を変えるように、私たちが日々摂取する情報によって、私たちの思考というのは長期的に大きな変化にさらされることになる。

振り返り

自分の歴史を振り返ってみて、「読書での情報摂取」「テレビ・ビデオでの情報摂取」「ゲーム」の3つの行動の総量はやはり「読書」が一番多いと思う。しかし、圧倒的な量というわけではなく、「テレビ・ビデオ」と「ゲーム」を合わせればなかなか良い勝負ができると思う。

インプットだけではなく、アウトプットも同様だ。さすがに最近は手書きでまとまった文章を書くことはないが、過去を振り返れば、学校という場所ではすべて手書きで過ごしてきたし、カバンに入れて持ち歩くものはアナログのノートばかりであった。
※未だにたくさん残っている。

趣味としてプログラムのコードを書いたり、あるいは副業的にウェブデザインをやっていた事はあるが、それは本職ではない。今までの私の仕事の大半は人と接することであった。パソコンを使って何か処理することはあくまで「補佐的」な位置づけでしかなかった。ややアナログに偏りながらも、両方を使う必要があったわけだ。

すると、今の私が「アナログとデジタル」をほぼ平均的に扱っている__すくなくともどちらかが極端に優れているとは考えていない__というのは、私のこのような歴史的経緯に理由があるのかもしれない。

現在の情報の取り扱い方の最適解は過去の情報との接触状況経験による。

これは他の方がどのような歴史的経緯があり、今現在どう考えているかという事例で比較してみないと検証しようもないが、あながち的外れではないと思う。
※ちょっと考えてみていただけるとありがたいです。

私の中ではほぼ日手帳に日常のログを書き残すことと、Evernoteに情報を集約することに何一つ違和感を感じない。というか、むしろそういう行為自体を楽しんでいる。「なぜそうするのですか?」という問いに理由をつけて答えることはできるが、「なぜそう考えるようになったのですか?」という問いに対しては、明確な答えを返しにくい。「そういう環境で生きてきたからです」という身も蓋もない答えになってしまうからだ。

だから私が志向している方向性は、私と嗜好が似ていないと効果は発揮しないかもしれない。「効果」については断言しにくいが、一つ言えることがあるとすれば、おそらく「楽しく」はないだろうし「好き」にもならないだろう、という事だ。

ホームグラウンドを持つこと

佐々木正悟さんの「ライフハック心理学」から引けば、

それから、コーヒーが好きになる人は、毎日のようにコーヒーを飲んでいることが多い。実のところ、好きだから毎日飲むというよりも、毎日飲むうちに好きになってしまうのである。

となる。

結局の所、何が言いたいのかというと、「今の自分が好きなこと」は簡単に否定できない、という事だ。

「何かが好き」というのはそれだけで立派な個性なのだ。それは決して変えられないものではないにしろ、変えるのには大きな労力と時間がかかると思う。

「自分の好きなこと」はだいたいにおいて「長期間自分がやってきたこと」であるし、それは言い換えれば「脳が最適化されている」事ともいえる。つまりは自分のホームグラウンドなわけだ。もちろん、時にはアウェイに出て試合をする必要はあるかもしれないが、ホームグラウンドが力を発揮しやすい場所であることは間違いないだろう。

そういう自分の居場所をとりあえず確保しておけば__つまり自分の好きなことをいくつか持っておけば__外にでて戦う事もやりやすいのではないかと思う。逆に自分の「好き」な要素がまったく入り込まない「新しい仕事術」なんていうのはいつまでたっても身につかない(活用できない)という気がする。

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