Mac用のEvernoteベータ版が出ていました。ノートブックに関しての二つの新機能が加わっているようです。現状はMac版のみで、もちろんベータなのでバグに遭遇する確率大という事は念頭に置いておいてください。
詳細は以下のブログを。
Mac用Evernoteベータ版リリース – クライアント内共有とノートブック・スタックの新機能も(Evernote日本語版ブログ)
とりあえず、ということでベータ版をダウンロードして試してみた感想などを。
アプリ内からの共有ノートブック
以下は日本語ブログよりの説明。
ノートブックを共有するためにいちいちウェブ版のEvernoteにログインする必要がなくなりました。これからは、 Mac版Evernoteクライアントの中で、友達、同僚とノートブックを共有開始することができ、またあなたに対して共有されたノートブックを見ることができます。
今まではノートブックを共有するためにブラウザを立ち上げる必要がありましたが、このバージョンではその必要がなくなりました。重要なのは次。
「あなたに対して共有されたノートブックを見ることができます」
共有されたノートブックはブラウザからしか閲覧できませんでしたが、このバージョンからアプリ内でもそれらのノートブックを見ることができるようになりました。これは長らく私が望んでいた機能の一つでもあります。
この機能でようやく「共有ノートブック」が使い物になったといえるのではないでしょうか。今まででも限定的な状況で使うことはできましたが、かなり使い方の幅が広がったことは間違いないでしょう。
ある程度閉じた環境内で情報を共有したり、共同で特定の情報を収集したりするのに便利だと思います。あるいはビジネスモデルとしてメルマガの変則的な形を作ることができるかもしれません。
何からの手段で入金をしてもらって、それを確認した後ノートブック共有のメールを送る。すでに情報としてまとまっているノートブックを共有するもよし、定期的にノートがアップデートされるノートブックを共有するのもよし。Evernoteのノートブックは文字あり、画像あり、表組みありと結構なんでもできるので、メルマガ以上の事ができるかもしれません。プレミアム同士だともっと多彩ですね。
まとめてみると、
1.同一プロジェクトの共同作業に
2.同じ関心を持つ人同士の情報アーカイブに
3.新しいメルマガ的使い方の萌芽?
という事ができそうです。
ノートブック・スタック
簡単に言えば、ノートブックの階層化。
はじめこのトピックスを見たときに、若干「えぇ〜」と思いました。いや別にそんなの必要ないでしょ、と。そもそも表紙幅を削減するために頑張ってノートブック数減らした私の労力は・・・みたいな怨念が混じっていたことは否めません。
そういう怨念は置いておくにしても、複雑な階層を作るのはEvernoteユーザー的にあまり面白くない結果になる事は見えています。「ノートブック」はノートがたった一つだけ所属できるもの、つまり「居場所」です。これを例えば200個ぐらい作っていったとしたら間違いなく「えっと、あのノートはどこのノートブックにあったっけな?」という事態に陥りかねません。結局検索で引っ張るならそもそもそんな数のノートブック作る意味はないわけで、「それって普通のフォルダ管理と同じじゃん」という事になります。
しかしながら、実際に試してみるとそういうものではないということが分かりました。
基本的に作れる階層は1。それ以上深く作る事はできません。また階層の大本になるノートブックにはノートを入れることはできません。ノートブック・スタックという表現では伝わりにくいかもしれませんが、要するにノートブックの「グループ化」です。
例えば、タグの整理をするときに、親タグ・子タグ・孫タグというものを作ったりします。
アルコール(親タグ)
ビール(子タグ)
エール(孫タグ)
ラガー(孫タグ)
ランビック(孫タグ)
こんな感じですね。普通この場合は、「アルコール」という親タグはノートに添付しません。あくまで「タグの分類」のためのタグです。ノートブックのスタックはこれに近い感じです。しかしながらあくまで近い感じであり実際は違います。
上の例を少しアレンジして孫タグを抜きます(ノートブックの階層化は1つまでなので)。
アルコール(親タグ)
ビール(子タグ)
ワイン(子タグ)
ウィスキー(子タグ)
焼酎(子タグ)
マッコリ(子タグ)
この場合、普通は「アルコール」というタグはつけないと先ほど書きました。だから、アルコールタグで検索しても表示されるノートは0です。これと同じ事をノートブックのスタックで行った場合は違います。
アルコール(ノートブック・スタックの親元)
ビール(ノートブック)
ワイン(ノートブック)
ウィスキー(ノートブック)
焼酎(ノートブック)
マッコリ(ノートブック)
この場合、「アルコール」というノートブック・スタックにノートを移動させることはできません(なにせノートブックではない)。しかし「アルコール」というノートブック・スタックをポチっと押せば、その下のノートブックに含まれる全てのノートが表示されることになります。
タグの例でいうと、一つ一つ親タグをつけていったのと同じ効果があるわけです。
しかしながら、あくまで概念上のものであり実体はありません。ノートブック・スタックはノートの置き場ではないので「置き場所」で混乱するということもないでしょう。
確かにこれであれば、スマートにノートブックを管理することができるかもしれません。
例えば、GTD(あるいは全ての行動)というスタックを作っておいて、その下に
「次の行動」
「いつかやる・たぶんやる」
「連絡待ち」
という形を作ることもできるでしょう。
あるいは、「次の行動」というスタックを作っておいて
「オフィス」
「家」
「外出先」
みたいな、物理的場所(つまり同時に成立することがあり得ないもの)のコンテキストでノートブックを分ける、という事もできそうです。
この辺はいろいろ考える事ができそうです。
さいごに
重ねて書きますが、あくまで今回のものはベータ版ですので「面白そうだな」と思ってもリスクを追うつもりのない方は様子見をおすすめします。抜本的な付加機能というよりは、現状の使い勝手をあげるもの、ぐらいの認識です。
※そもそもMac出ない方は試すことすらできないわけですが。
しかし、これでまたEvernoteが持つ可能性がさらに広がったことは間違いないでしょう。
▼その他ブログ記事:
Evernote 新 Mac 版ベータが登場、さらに強力な共有機能と階層ノートブック(Lifehacking.jp)
Evernote for Mac2.0 β ノートブックの階層化と共有ノートブックのローカル編集が可能になった(goryugo, addicted to Evernote)
▼こんな一冊も:
EVERNOTE「超」仕事術 |
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倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2010-08-18 |
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