オープン・リストとクローズド・リスト

先日の「iPhoneに振り回されないiPhone活用術セミナー。」の際に講演者の北さんが「クローズド・リスト」という言葉をなにげに使われていました。もちろん一般的な言葉ではないので参加者の方からツッコミが入ります。一応その場である程度の説明はさせていただきましたが、一応補足&復習的な意味で、クローズド・リストとオープン・リストについて書いておきます。

一般的なToDoリスト

「やるべき事を書きだそう!そしてそこに書いた物をこなしていく!」という心構えは大変重要です。こういうToDoリストを使うのはライフハッカーでもおなじみの手法です。でも、そのリストが機能するのは最初の間だけ、ということはないでしょうか。

もしそういう状況になっているとすれば、運用方法に問題があるのかもしれません。

『マニャーナの法則』という本では、一般的なToDoリストを「オープン・リスト」と表現しています。オープンつまり「開いている」ということです。

一体何が開いているのかというと、「追加口」です。

朝の9時に「ToDoリスト」を作成したあなたは、順調にそれをこなしていきます。11時に上司から「あれやっといて」と言われ、ToDoリストにそれを書き込みます。11時30分には同僚から「あの資料ちょっと貸してくれない?」と頼まれます。手元にないのでPCから探し出してプリントアウトする必要がでてきました。ぱっとみるとプリンタのインクの残量がわずかです。資料の印刷とインクの交換をToDoリストに書き加えたあなたの携帯が厳かな雰囲気で着信音にしてあるダースベーダーのテーマを奏でます。得意先から見積書の催促です。期限は今週だったはずなのに、明日必要になったと言われました。あなたは涙をのんでToDoリストに項目を追加します。
気がつけば、いろいろなタスクをこなしているはずなのに、いっこうにToDoリストは消化されていません。一日を始める前よりも長くなっている、なんて事があるかもしれません。

これが「オープン・リスト」の弊害です。『マニャーナの法則』ではこれに対抗する手段として「クローズド・リスト」を提唱しています。リストを作ったらタスクの入り口を「閉じて」しまうことで、新たなタスクの進入を防ぐわけです。

閉じろ!ドア!

『マニャーナの法則』ではクローズド・リストを使うべき理由を3つ挙げています。

仕事のリストを閉じる(クローズする)ので、そこにある仕事が、追加分によって妨げられないこと
リストが大きくならない、つまり仕事さえしていれば、リストは必ず小さくなること
仕事をすべて終える前提なら、順番にこだわる必要がないこと

オープンなToDoリストを使っていると、そこに「全てのやるべき事」が集まることになります。すると時間が経てばそのリストはどんどん長くなっていきます。すると、そのリストの中から「今日やるべき事はどれか」というのが非常にわかりにくくなってしまいます。

またリストがいつまで経っても小さくならないので、自分がちゃんと仕事をこなせているかどうかも分からなくなってしまいます。人間のやる気というのは「小さい達成感」の積み重ねによって維持されていくものですが、オープンなリストだと「いつまでたっても終わらない」という疲労感しか出てきません。

スーパーマリオは1−1とか3−1という風にステージの区切りがありますが、もしあれが1−∞というたった一つのステージしかなければ、つまり区切りが何一つなければゲームの途中で嫌になってくること請け合いです。

とりあえず「その日やるべきこと」をリスト化しておいて、侵入者をシャットダウンすることで心理的な区切りをつけるというのがクローズド・リストの目指すところです。

二つの箱

この考え方は、私の「マスター・タスクリスト」と「フィルター・タスクリスト」に通じるものがあります。
マスタータスクリストとフィルタータスクリスト

全てのタスクを管理しておいて安心感を得るための「箱」と、とりあえずその日やることを入れておいて集中するための「箱」。この二つを意識して使い分けるという事です。

もちろん「その日やる分の仕事」リストを作ればそれだけで万事ハッピーに仕事が回るかというとそうではないでしょう。仕事周りのいろいろな仕組みを変えていく必要があるかもしれません。しかし、集中するための環境作りとしてこの考え方は大変有用だと思います。

そのあたりは『マニャーナの法則』『残業ゼロの1日1箱仕事術』あたりを参照してみてください。

さいごに

いまのところ、私は一日の最初にその日の「デイリータスク」を確認し、その後3時間のブロック単位で仕事を割り振るというやり方をしています。新しく入ったタスクや気になる事は、緊急のものでないかぎりはとりあえず書き出しておいて、いつやるかを後で検討する、という流れになっています。

仕事を効率良くこなしていくためにToDoリストというのは大変便利なのですが、使い方を誤ると、単に先送りを発生させるだけのツールになってしまいます。もちろん「先送り」という行為そのものが悪いわけではないですが、それが日常化し、「今何をすべきか」がわからない状況になってしまうのは、アジアの東の国の政府と同じように危うさしかありません。

まずリストに制限を設けて、目の前のやるべき事に集中できる状況にする。そういう環境を意識的に作ってみてはいかがでしょうか。

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