整理の妖精

※当エントリーは来週のメルマガ「Weekly R-style Magazine」よりの一部抜粋です。

———————————————
例えば、あなたの家が目も当てられないぐらい散らかって
いたとします。
見かねた、気の優しい神様が「整理の妖精」を一日貸して
くれることになりました。

妖精はみるみる内に部屋を片付け、日も暮れるうちには、
部屋は見違えるようにスッキリと整理整頓されました。

めでたしめでたし

というわけにはいきません。後日談を語れば、ほぼ間違い
なく一ヶ月後(あるいは一週間後)には部屋はほとんど元
の状態に戻っている事でしょう。妖精の魔力が消えたわけ
ではなく、単にあなたがもう一度しっかりと散らかしただ
けです。

こういう事例はほんとうによく見かけます。ビジネス書で
も同様です。一時的な整理、一時的なやる気、一時的な習
慣(これを習慣と呼んでいいのかはわからないが)、で
まるで妖精が魔法をかけたように「すらばらしい状態」に
変身する。

でも、続かない。結局、変化はない。

それも当然です。根本となるそれを実行する人の考え方や
整理についての心構えが変わっていなければ、いずれ元に
戻ってしまいます。

それは、普通の人間ならば普通に起こることです。

さて、時間を巻き戻してみましょう。
妖精がくる前の散らかりきった部屋の中です。

神様は妖精をもたらす代わりに、あなたに一枚の紙をおく
ってきました。

「不必要なものは捨てよう」
「物の置き場所を決めよう」
「使う物は一カ所にセット」
「使ったら元の場所に直す」

こういった事が書かれていました。一見とても不親切です。

まず「何が不必要なのかどうやって判断するのか」がわか
りません。「物の置き場所」もどう決めていいのかわから
ないし、何をセットにしておけば使いやすいかもその時点
では判断できません。

唯一できることは、「使ったら元の場所に戻す」ですが、
散らかっている部屋でそれをやっても、部屋のエントロピ
ーは小さくなりません。

あなたはとりあえずその時に不必要と思える物を捨てまし
た。それでも「何かに使えそう」と思い、残こしたものは
たくさんあります。

次に物の置き場所を暫定的に決める事にしました。

机の上にペン立てをおいてそこにペンを詰め込みました。
しかし、あきからに全ては詰め込めませんでした。
結局、まったく空っぽの状態にしておき、一度使ったもの
をそこに入れていくことにしました。
これで、「使う物は一カ所にセット」というルールも守れ
るはずです。

黒のボールペンがそこにささり、赤ペン、マジックがはい
っていきました。
一週間後にそのペン立てをみても、数本のペンとステイプ
ラーがささっているだけでした。案外日常的に使うペンと
いうのは少ないことにあなたは気がつきます。
引き出しの奥に置いてあった同じ用途のペン、古くなった
ボールペンを捨てる決断をします。

同じように、置き場所を決めながら使用頻度を観察してい
くと「結構使うと思っていたもの」があんまり使っていな
い事を発見します。

使用頻度の低い物は、引き出しなどにしまい込み、まった
く使っていないものはどんどん捨てていくようになります。
これで「不必要なもの」を判断する基準ができました。

また、実際に使う中で「セットにしておいた方がよいもの」
も発見できるようになりました。

こうして、一ヶ月後に部屋は妖精が片付けたようにきれい
に片づきました。そして、後日談も特にありません。

———————————————

Related Posts with Thumbnails
Send to Kindle
Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です