物書き生活と道具箱

物の整理について

今年も今週半ばで終わりですね。年末に「大掃除」イベントのフラグが立つ人も多いことでしょう。シゴタノ!では情報フローワークの整理について書きましたが、もちろん物の整理というものも必要です。

今回は、物の整理について考えてみます。

「捨てる」ということ

「大掃除」と言えば、片付けと共に不必要な物を捨てるという作業が出てきます。

しかしながら、「捨てる」というのは心理的に結構難しいものがあります。ある種の人々にとってはナチュラルにできる行為が、他の人にとっては過酷な行為という事も普通にあります。

『人生を無理なく変えていく「シフト」の法則』の中で、ピーター・アーネルは自らの収集癖について次のように書いています。

物への執着具合は私の長所だと思っている。もっと多くの人が物に執着すればいいのにとも思っている。物を手放す気になれない場合、自分ではその時は気づかないかもしれないが、多くの場合それなりの理由がある、物が自分にとってまだ何か重要な意味を持つような気がするのだ。

たぶん、この「重要な意味」というのは心理学的に見ればサンクコストの呪縛とか損失回避のように感じられます。でも、100%そういった脳のメカニズムが引き起こす執着心なのかどうかは一考に値するでしょう。

例えば、私は雑誌をスキャンしたら現物はポイポイ捨てています。そこには何一つ抵抗感はなく、逆に棚がすっきりする感覚すらあります。

しかし、本となると話は別です。捨てたり売りに出したりすることに激しい抵抗感がありますし、断裁機に掛けることすら躊躇するでしょう。

この反応の差には、私にとっての「雑誌」と「本」に対する価値観が違っているという証左が詰め込まれているような気がします。

私たちが持つ「どうしても捨てたくない気持ち」というのはあまり簡単に扱ってはいけないのではないでしょうか。少なくともエラい人が「捨てた方がいいよ」と言っていただけで、自分が大切にしているものを捨てるというのは、少々いびつな感じを受けます。

簡単な問いかけ

さて、物を捨てるかどうか判断しにくいときは、一つの質問を投げかけてみるのが有効です。その質問は、

「今それを失った時、買ったときと同じ金額を支払って同じ物を買うかどうか」

というもの。この問いに対して力強くYesと頷けるならばそのものは「保存」「保管」「運用続行」で間違いなしです。逆にやや曖昧な感じならば「保留」「廃棄」「譲渡」の対象にしてもよいかもしれません。

保管できるスペースが限られているならば、前者を優先的に確保して、後者は余った場所で、という感じの整理がよいのではないでしょうか。これはデジタルガジェットでもアナログツールでもスマートフォンアプリでも通用すると思います。

物欲を抑えたい

先ほどの例は、アウトプットつまり出す方に関してのお話でしたが、もちろんインプット__買う方に関してもコントロールしていく必要があります。

しかしながら、「物欲を抑える」というのはそれが三大欲求ではないにも関わらず、なかなか難しいものです。特にクレジットカードやネットで簡単に決済できてしまう環境があればなおさらです。

「物欲」を押さえきれず、ついついポチポチしてしまう人が「あぁ、俺って意志力無いな」と落ち込む・・・なんて事はあんまりないでしょうが、もしそう考えたとしても無理はありません。

よくよく考えてみれば「物欲」を押さえる行為には、それを強化する因子が存在しません。言い換えれば成果を確認することが難しいということです。

例えば何か欲しいものを購入する事をガマンしたとします。その事で得られるのは「お金を使わなかった」という一つの結果です。しかし、それは「使わなかった」がゆえに後で確認することができません。

仮にガマンした行為の後、10万円のどうしても欲しいガジェットが発売されて「あのとき勢いに任せてダブルオーライザー買わなくて良かった」と思えれば「物欲をガマンした」事の成果を確認することはできます。が、そういう事は稀でしょう。財布の中に入っているお金を見て、いままでガマンしてきたもののアイテムが思い浮かぶなんてケースはほとんどないと思います。

何かを買うのを「ガマンした」という努力はずるずると過去の中に巻き込まれていきます。こうして「物欲を押さえること」に対しては特に成果が感じられないという環境が生まれます。

人は「成果の上がらないこと」に対しては積極的に行動を起こしません。
※この「成果」はその人にとっての成果です。
 
結果的に、「物欲を抑える」という行為は自然にはなかなか強化されないとなるわけです。

ガマンを「見える化」する方法

こういう事例に対抗するにはいくつかの手段があります。例えば「ガマン貯金」。何かの消費をガマンしたときにその金額の何%かを貯金箱に入れるという仕組み。この貯まったお金を散在する事をアメにしてガマンする行為を続けていくわけです。これは自分がガマンした行為が目に見える形で蓄積されていくので、「成果」が確認しやすいというメリットがあります。

あるいは、日記とか行動ログに「MBAをフルスペックで買うのをガマンした」と書いておくという手もあります。後で振り返ったときに、「あぁ、あのとき俺よくガマンしたな。偉い、俺!」と自己評価することができます。これも次のガマンの場面で多少力になってくれるでしょう。あるいは、ガマンした金額を表計算ソフトに入れて「ガマン金額チャート」を作って一年分眺めてみる、というのは少々やり過ぎですね。

とにもかくにも、「成果」が感じられないものは、意識的に可視化していくというやり方がうまい方法でしょう。

さいごに

情報はデジタル化してEvernoteに突っ込んでおけば「捨てる」必要は特にありません。しなしながら、「物」に関しては所有物を処分していく行為が必要になってきます。

入ってくる量を制限すること。手持ちの物を適切に処分していくこと。この二つが適切に行えていれば、家が物で溢れかえる可能性は随分低くなるでしょう。もちろんそれは、自分にとって大切なものを無理矢理処分するのとは違います。

不必要なものをを減らしていくことで自分にとっての必要なものを見極める、というのとなんでもかんでも捨てるというのは全然別の行為です。後者は人間の個性を削り落としていく行為とすら言えます。

そういった状況にはまりこまずに、「物」と適切な関係を保てるようにしていきたいものです。

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