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「気になった事を後で見る仕組み作り」

Posted on 2011 年 1 月 6 日2017 年 4 月 30 日 by Rashita

Daily Lifehackさんで「気になるものは後回しにするか、後で見る仕組みを作っておくのか」というエントリーがありました。「後でやろうと思ったが、結局忘れてしまう事にどのように対応するか」というのは非常にありがちな問題です。

先のエントリーでは忘れがちな事柄として、次のような例があがっています。

  • 自分宛のメールを見て、あとで返信しようと考える
  • Twitterで、面白そうなページを見つけ、後で読もうとメモしておく
  • 思いついたアイデアを膨らませる

確かにありそうな話です。じゃあ、どのように対応するのかについて考える前に、すこし周辺を押さえておきましょう。

「〜しようと思う」の不確実性

ドラッカーのよき意図

「後でやろうと思う」は、意志決定です。強度としてはそれほど強いものでなくても、何かに対して決定を下している事は間違いありません。ドラッカーは意志決定について次のように書いています。

「効果的な意志決定とは、行動と成果に対するコミットである」

後でやろうと思って、実行されない意志決定は「行動」と「成果」についてコミットされていないという事でしょう。続けてドラッカーの『マネジメント』からです。

意志決定のなかに実行の手順や責任を組み込んでおくことも必要である。具体的な実行の手順が仕事として割り当てられ、責任として割り当てられないことには、決定はないに等しい。よき意図が存在するにすぎない。

ようするに「〜しようと思う」だけでは、「よき意図」が存在するだけだ、ということです。これは「後でやろうと思う」でも、「禁煙する」「ダイエットする」でも同じ事です。

ドラッカーはマネジメント論、つまり組織の中の意志決定としてこの話を持ち出しています。しかし、これは一人の人間の中でも同じ事が言えます。なぜなら、意志決定をする人と、それを行う人は「別人」だからです。

短期記憶の賞味期限

「別人」とはどういう意味かを考える前に、「同じ人」とはどういう意味かを考えてみます。

  • 姿形がそっくりそのままで、頭の中身がまったく別の人
  • 頭の中身がまったく同じで、見た目がまったく違う人<

この二人の人間と接して、どちらが元の人と「同じ」と考えるでしょうか。記憶や経験を同期させている人の方が「同じ」っぽく感じられるのではないでしょうか。

「別人」とはその文脈においての違う人です。

意志決定をした自分と、その計画に従って行動する自分というのは、置かれている状況や短期記憶に入っているものがまったく違います。限定的であれ、それを「別人」と考えてもよいでしょう。そして、別人と考えれば組織のマネジメント論のいくつかはそのまま適用することが可能になります。

具体的な手順と責任

具体的な手順に関しては、後述します。では「責任」とはなんでしょうか。

ある情報を見ます。これを後で処理しようと「思う」。しかしながら、それは今ではない。もう少し将来の時点の「自分」が実行者になる。すると、そこで行う必要があるのは組織で言えば「引き継ぎ作業」です。

組織の中で働けば少なからず、この「引き継ぎ作業」とは関わる必要があるでしょう。それは、「仕事」をやり遂げるという責任の中に含まれている行為です。不適切な引き継ぎ作業は関係者全体に多大なる迷惑を引き押す可能性を秘めている、という事を知っていれば嫌々ながらでも「引き継ぎ作業」はしっかりと行うでしょう。

もちろん、その時はできるだけすべきことをはっきりとわかりやすく書き残しておくはずです。

少し未来の自分が「別人」と認識していれば、タスクの先送りは「引き継ぎ作業」と同じ意味合いを持ってくるはずです。要するに「〜しようと思った」事などまったく忘れてしまっている「自分」でも対応できるように一工夫する「責任」が今の時点の自分にはあるわけです。

対策の仕組み作り

もちろん、日常的にそこまで考える必要はありません。ただ一つ言いたいのは、将来の自分は短期メモリがクリアされてすっかり別のものが入っているので、今の自分の都合などおかまいなしである、という事だけは認識しておく必要がある、ということです。

さて、例として上がっていた事例について考えてみます。

自分宛のメールを見て、あとで返信しようと考える

私は、基本的に受信箱は見たらそのままゼロにします。

返事が必要ですぐ書けるものはそのタイミングで返信しますし、熟慮が必要なものはそのまま受信箱に残して置いたり、最初の挨拶の言葉だけでも下書きして保存します。重要度がとてつもなく大きいにも関わらず、すぐに着手できなそうな予感(そう、あの面倒そうな感覚です)を感じたら、手元のDoingリストに「メールを送る」と書いておきます。

一日に何回かメールの受信箱は確認するので、既読になっていてまだ受信箱に残っている物が要返信、下書きしてあるものはちょっと進んでいる、と簡単に進捗管理できます。どうしても送る必要がある物は、Doingに書いてあるので、次に着手せざる得ません。

要するに溜め込んでいない、というのがポイントなのかもしれません。もし、ひたすら返信が必要なものが受信箱にたまっていれば、このやり方は機能しません。書きすぎたToDoリストと同じです。

気をつけているポイントは次の通りです。

  • 受信箱がメール返信のToDoリストとして機能するように常にInboxZeroの状態を目指す
  • 定時でメールをチェックする(日課)。その際「下書き」の数も目に入れる。
  • 長くなりそうなものはちょっとだけ下書きを書いておく
  • 面倒そうに感じたら、Doingリストに書いておく

Twitterで、面白そうなページを見つけ、後で読もうとメモしておく

まず、考えたいのはそのページを読むことが必要なのかどうかです。これがYesなら、実際に読むための仕組み作りに入れます。24時間に24時間以上のタスクは入れることができません。他の二つに比べて「別にやる必要無い作業」が混ざり込んでいる可能性がありますので、要チェックです。

タイムライン眺めているときにチェックしたいページが流れてきた、が見ている時間はなさそうだ、というときは、

  • ツイートをRTする
  • ツイートをふぁぼる
  • ツイートをメールする
  • ツイートをEvernoteに送る
  • ページだけ開いてEvernoteにキャプチャ

こんな手段が考えられるでしょう。使っているクライアントによってできるものできないものはあります。共通してできるのはRTとふぁぼるですね。ふぁぼるのは別の使い方をしている場合が多いので、RTしておくのが無難でしょうか。

問題は、RTした事を後の自分がすっかり忘れていることです。

私の場合は、週次レビューで一週間分のつぶやきを見直しているので、RTしたものはその時にフォローできます。多少時間が空いてもかまわないものは、たいていそれで対応しています。

どうしても、直近すくなくとも一日以内に見直したいものは、ツイートをメールで送ってタスク扱いにします。当然、こういうのは頻繁にはありません。

ちなみに、私の場合はメールの受信箱とEvernoteのinboxは一日に一度は必ず確認するので、どちらに送っても同じ事です。

要するに、自分の行動のルートを想定し、その行程のどこかで目に止まるようにしておけばOK、ということです。

思いついたアイデアを膨らませる

これは「緊急度は高くないが、重要度は高い」というタスクの典型例ですね。

このタスクを定期的に行う必要があるのか、集中的に行うのか、で対応は変わってきます。

定期的に行う必要があるならば、一週間のうちどこかの曜日時間を指定して「一人会議」を設けておくことです。もちろん使っているカレンダーにアポイントメントとして書き込みます。その時、思いついたアイデアを参照できるようにしておく必要があります。一冊のノートでもEvernoteでも何でも良いですが、「自分が思いついたアイデアはここにある」という事がはっきり分かる場所が必要です。でないと、一人会議がアイデアを探すところからスタートしてしまいます。

あるは、週次レビューの際に「アイデアノートを読み返す」というトリガーを設けてもよいかもしれません。これはメタノート的手法です。

集中的に行う場合は、膨らませたいアイデアと常に同伴しておくことです。手帳に書き付ける。カードに書く。ノートの表紙に付箋で貼っておく。何でも良いですが、一日の行動の際に頻繁に目に触れる所にそのアイデアを置いておく、というのがポイントです。

さいごに

というわけで、「先送りして忘れる」問題に対するアプローチをいろいろ考えてみました。必要なのは「〜と思う」、から具体的な行動が何か導かれているかどうか、つまり「よき意図」のままで終わっていないかどうか、です。

自分が日常的に行っていること、無意識でやる行動に、それらのタスクのトリガーを忍ばせておく、というのが最も確実で効果的な方法です。もちろん、そのトリガーを忍ばせる行為そのものは意識的に行う必要があります。将来の自分を信用していなかったり、別人と考えていれば、そういった行動の必要性は強く感じられるでしょう。

こうした「仕組み」を作るためには、自分が日常的にどのような行動を取っているのかを一度はメタ視点で俯瞰しておく必要があります。これをやっておかないと効果的な「仕組み」は作る事はできません。

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