以前から気になっている手帳がある。エントリーのタイトルを見てピンとくる方も多いだろうが「ジブン手帳」がそれだ。
誠Biz.IDで舘神龍彦さんが紹介の記事を書いておられた。実際に手に取らなくても、この記事を読めば大まかな「手帳像」を想像することができると思う。
※「準文具王が作った「ジブン手帳2011」 人に歴史あり、手帳に“遺影”あり?」
「ジブン手帳」の気になった点
気になったポイントは二つ。一つは「トモエリバーの採用」。もう一つは「3冊セット」。この二つの点は非常に魅力的である。
トモエリバー
私は「平均的」にみて「紙質」というものにはこだわらない。ネタ出しにコピー用紙を使うこともざらである。メモだってその辺の紙をよく使う。
とはいえ、こだわる物にはこだわりたい。特にいつも使う物、一年間通して使う物にはそれなりの「質」が欲しい。基本的に低コスト嗜好だが、そこは少々高価になっても構わない。365日で割ればうんぬん、という話ではなくて単なる価値観の問題だ。
でもって、トモエリバーは非常に良い紙である。書き心地と薄さが両立している。この辺は「好み」以上のなにものでもないが、長年ほぼ日ユーザーである私にとって使い慣れた「紙質」であることは間違いない。
3冊セット
「ジブン手帳」は3部構成になっているようだ。
先ほどの記事より引用させていただくと、
- LIFE:人生手帳
- 2011:1年手帳
- IDEA:方眼のアイデアノート
これらが実際にどのようなものかは、記事を見ていただくとして、この構成は非常に良い。
LIFEは年という単位を「超えて」自分を俯瞰するツールだ。既存の手帳は年間という単位の枠組みの中でしか情報を管理できなかった。年間を超える一つ上の視点での管理がはいっているのが良い。もちろん中身のリフィルについては個人的な好みの問題があるので、使いたいと思うかどうかは別の話だ。
私は「立ち止まり手帳」といって、一ヶ月に一回振り返りや次のステップを書き出す手帳を持っているが、それと似たようなものだろう。これは年間の手帳が変わっても同じ物を使う。年という単位には縛られないツールというのは、高い視点を持つためには必要だと思う。
一年の手帳に関しては、普通の手帳なのでスルー。
最後に方眼のノート。このノートが別になっているというのも良い。先ほどのLIFE(人生手帳)とは別にノートは年間の中で何度も消費されるものだ。サイクルが短い。これも年間スケジュールとは別の構成になっているのが望ましい。
これら3つの要素が「一つのツール」としてまとまっている、というコンセプトが素晴らしい。今のところ、私は別々のツールを使い分けているのだが、当然サイズ的な規格はそろっていないので、統一感はかけらもない。
行き着くべき先は
ようは3つのツールが欲しいわけだ。
つまり、一年間で閉じたツール。これは普通の手帳であり、私はほぼ日カズンを使っている。
さらに、一つ上からの視点で自分を俯瞰するツール。月間カレンダーが一ヶ月を見通すためのツールならば、去年、今年、来年といった年の流れを見通すためのツールも欲しい。
そして、一年よりももっと短いサイクルで回るノート。
これら3つがあればバランス良く運営できる。今のところ、私が使っているそれぞれのツールはこの役割を担ってはいるものの、先ほども述べたように統一感はない。
ということはどういうことか。
ジブン手帳を買う?
No。どうもリフィルの内容が私の方向性とは違う。
であれば、やっぱりトモエリバーを使って自作するしかないのだろう。
究極的かつ当たり前なことを言えば、自分が一番使いやすいツールは自分で作るのが一番良いのだ。昔の職人が自分の手道具を自分で作っていたのと同じように。
がちがちに固められた手帳はあくまで「型」を学ぶために使えばよい。こういうものは、こういったリフィルで管理すればよいのだな、という概念さえ学べばあとは試行錯誤だけだ。
広がる空想
例えば私にとって、必要になった時にiPhoneから調べられるようなリフィルは一切必要無い。
鉄道路線図は便利だろうが、私みたいな生活では年間に一二回使うかどうか、である。同様に時差世界地図なんかもいらない。
つまり、スマートフォンを持つことを前提とした、でもアナログ使いの「自分の手帳」が欲しいわけだ。非常に強欲である。
とりあえずは3冊構想だ。サイズはA5ということにしておく。一冊目は「クレド帳」とでも名付けて置こう。やりたい事、やるべき事、良い言葉などを書き残していく。これは年を持ち越して使う。
次は年間管理。「スケジュール帳」である。月間カレンダーは無し。必要な人はテンプレートをダウンロードして印刷して貼る。ウィークリーはバーチカル。どの曜日も均等の幅であるのが望ましい。ウィークリーの次には1日1ページのデイリーページが欲しいが、おそらく分厚くなりすぎるだろうから妥協して二日で1ページでもよしとする。あるいはデイリーページを無くして、プロジェクトプランナーみたいなページでも良い。
最後はノート。当然方眼。できれば100ページ以上は欲しい。これはおそらく2〜3ヶ月程度で入れ替える。ノートの牽引を作りやすいようにテンプレートを準備してもよいだろう。
というのが、まったく妄想の「自分手帳」である。実際のリフィルの形式は・・・などとやりだすときりがないのでやめておく。
さいごに
おそらく、手帳ユーザーにとっての「夢」が自分の手帳を作る事だと思う。
その点でモレスキンユーザーはその夢を多かれ少なかれ実現しているだろう。もっと言えばほぼ日手帳ユーザーでもそうだし、「超」整理手帳ユーザーも少なからずその要素はある。
IKEA効果ではないが、多少不細工でも「自分が作った」という感覚はとても重要である。その感覚は「これは自分のコントロール下にある」という印象を作り出す。大切にも思うだろうし、それを見ることで積極的な気持ちも湧いてくる。
だから、自分が使う物はちょっとでも自分なりの工夫を入れた方がよい。ライフハックというのも、あるいはそういう事なのかもしれない。
▼こんな一冊も:
不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」 |
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ダン アリエリー Dan Ariely 櫻井 祐子
早川書房 2010-11-25 |
ほぼ日手帳 公式ガイドブック 2011 いっしょにいて、たのしい手帳と。 |
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ほぼ日刊イトイ新聞
マガジンハウス 2010-08-19 |
モレスキン 「伝説のノート」活用術~記録・発想・個性を刺激する75の使い方 |
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堀 正岳 中牟田 洋子
ダイヤモンド社 2010-09-10 |
「超」整理手帳2011 バーティカル(黒) |
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野口 悠紀雄
講談社 2010-09-16 |
ジブン手帳 |
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佐久間 英彰
講談社 2010-11-30 |
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