7-本の紹介

書評 『[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術』(美崎栄一郎)

私もなかなかの「文具好き」だとは自認していますが、さすがにこの人にはかなわないな、と思わせてくれる一冊です。

[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる!
[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる! 美崎 栄一郎

ダイヤモンド社 2011-01-28
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本書はアナログツール、ようするに文房具の紹介本です。しかし、単なるカタログ本ではありません。「どんな道具を、どのように使うのか」というノウハウが詰め込まれてます。

取り上げられているのは、クリアフォルダー、マスキングテープ、付箋といった定番ツールの別の視点からの使い方や、ちょっと珍しい文房具たちの紹介です。私も存在は知っているものが多数ですが、「実際に使ったことがある」となると、さすがにこのレベルまでは到達できません。まさに著者ならでは、といえる一冊でしょう。

「文房具=仕事の道具」という意識

「文房具好き」の方でなければ、おそらく「文房具」という言葉の響きは学生チックなノリが感じられるかもしれません。しかしながら、ビジネスパーソンにとって「文房具」は仕事のツールです。著者も指摘している通り、プロならば自分が使う道具に細心の注意を払うものです。

作家であれば万年筆やエディタ、そしてキーボードにこだわるでしょう。スポーツのプロならば自分の体型や筋力に合わせた道具を持っているはずです。それは何も高いツールを使って自己満足を得るためではなくて、自分の能力を最大限に活用できる環境を作るためです。そこにかける時間やお金は、企業活動での「設備投資」といえるでしょう。

著者は「はじめに」の中で次のように書いています。

その仕事道具を、自分の意思で選び、工夫していますか。

さて、どうでしょうか。その辺にある道具を適当に使ってはいないでしょうか。おそらく「文房具なんて」と考えている方ほど、無頓着に文房具を選び、特に工夫もなく使っていることでしょう。

著者は『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』で、ビジネスパーソンのノートの取り方は学生時代のそれとは全く違ったアプローチを取る必要がある事を指摘されていました。自身の仕事力を向上させていくためのノートの使い方があり、「学生気分」のノートから「仕事の道具」としてのノートへと意識を変えていく必要があるわけです。

それと同様に、文房具も「単なる文房具」から「仕事の道具」へと意識を変えて、使っていく必要があります。本書に紹介されているさまざまな使い方を見れば、文房具がどのように「仕事の道具」として機能しているのかが伝わってくるでしょう。「あっ!こんな使い方あるんだ」と発見されるものもあるかもしれません。

そういった意味で、本書は文具好きの方だけではなく、「文房具なんて」と考えておられる方が読まれるのもよいかもしれません。本書によって文房具=仕事の道具という「意識」の変化が導かれるかもしれません。

つぎのステップ

と、やや小難しいことを書きましたが、本書全体はもっと楽しげな印象の本です。がちがちに効率性を追求するというよりも、「なにか、面白い使い方はないかな」と工夫する著者の姿が浮かんでくるような印象もあります。

「さいごに」の中で、

アナログツールの情報交換が今まで少なかったのが不思議でしたが、この本をきっかけにして、読者の皆さん同士で盛り上がることを期待したいと思っています。

と書かれています。

最近はBlogでアナログツールの使い方を紹介している方も増えていますが、デジタルツールに比べればまだまだ少数派でしょう。いち「デジアナ派」の私としても、アナログツールの情報交換がもっと盛んに行われればよいのにな、と常々感じています。ツールの使い方を考えたり、人がどう使っているのかを見たりするのは、それ自身楽しいものがありますし、新しい発見もあります。

本書をお読みになって、「私はこういう使い方をしている」という工夫をお持ちの方は、自分から情報発信してみるとよいでしょう。私自身のBlog経験からいっても、そういう工夫を必要としたり、おもしろがってくれる人はすくなからずいます。情報発信から生まれる交流というのもあります。ちょっと面倒かもしれませんが、やってみるだけの価値はあるでしょう。

さいごに

というわけで、単に本を紹介しておわりというのでは、やや寂しい感じがします。「この本を読んだみなさも自身の工夫を、ぜひ周りの人に伝えてください」とも書かれているので、次回から何回かに分けて、本書で取り上げられている「文房具」の私なりの使い方を紹介してみます。

▼こんな一冊も:

「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス) 美崎 栄一郎

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