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タスクを「検閲」してから、リストをつくる

Posted on 2011 年 2 月 25 日2017 年 4 月 30 日 by Rashita

私は何かしらの作業をするときはリストを作るようにしています。名前はDoingリストでもDailyTaskリストでも良いのですが、これから2時間とか今日一日とかあらかじめ見えている時間枠内で「これと、これと、これをするぞ」というのをリストに書き出してから着手するわけです。

だいたいそのリスト作成には紙を使っていますが、デジタルツールを試してみることもあります。「これだ!」という正解には巡り会っていませんが、「まあ、どっちでもいいけど今は紙かな」という感じです。

実際の所、ツールそのものよりも、そのツールをどのように運用しているかの方が遙かに重要なのは指摘するまでもありません。

私の場合、そういったリストを使う場合に気をつけているのは「タスクを検閲する」ことです。これは「入国審査を行う」と言い換えてもよいでしょう。それがリストを機能させるための私なりの工夫です。

国王のクレイジーな提案

「国」という単位があります。それを切り分けるのは国境です。しかし、「国境」それ自身には実態はありません。月から地球を見れば、地面と海が広がっているだけの風景です。「国境」が機能しているのは、ある種の約束事と出入国を管理する機関の存在です。もしそういった存在がなければ、国という概念に特に意味はなくなります。

かなり極端な例を考えて見ましょう。一つの国(A国)を想像してください。わかりやすいように島国にしておきます。さらに話をわかりやすくするためにその国は単一民族であると仮定しておきます。

周りを海で囲まれているので、他の国からその国に入るためには飛行機を使うしかないとします。であれば、国の出入り口は空港です。

さて、ここでA国の国王が、「我が国の純度を保つため他の国の人間は一切この国に存在してはならんのじゃ」とクレイジーな事を言ったとしましょう。その時、国内に存在した人は国籍をチェックされ、「外国人」認定された人は国外退去されました。これで一安心です。

しかし、もし空港の中にある入国審査局がずさんな仕事をしていたらどうなるでしょうか。時間が経てば「外国人」が混じり合うことになります。すると、また全ての国民をすべてチェックしていく必要がでてきたり、町中で「あの人外国人じゃないの、ひそひそ」といった言葉が飛び交うことになります。

逆に考えれば、入国審査局がパーフェクトな仕事をしている限り、その状況は常に保たれます。変な言い方をすれば、その国に存在する人をランダムに誰か取り上げたとして、その国の人である確率は100%と断言できます。

リストが持つ文脈

そういう周りくどいたとえ話をしてからタスクリストの話に戻ります。

やると思ったことを書く

私は、リストには単に「やるべきこと」は並べません。書くのはあくまで「これをするぞ」と決めたことです。もちろんやるべきこと=これをするぞ、なものが大半なんですが、中には「やったほうがいいかもと自分が考えているもの」が混ざっています。要するに自分自身の中ではっきりとしたコミットメントが確立されていないものです。

そういうものを混ぜてしまうと、そのリストの意味がすごく曖昧になります。異国者の混じったA国のような状況です。リストに自分がコミットメントしたものだけが並んでいるならば、あとはそれを上から粛々とこなしていくだけで済みます。

しかし、「やったほうがいいかもと自分が考えているもの」が混じってしまうと「それをやろうかどうか」という判断が混じり込んできます。するとリストが持っている強制力みたいなものが少しずつ失われてきます。文脈が消えていくわけです。

だから朝にリストを作成する場合、マストなタスクで自分自身もこれをやらないといけないという事だけをリストに書き込み、それ以外のものは別の場所に切り分け区画を作っておきます。
※メモかノートの端に書いておくなど。

そういうタスクは、マストなタスクの進行中に気分転換でやったり、時間が余ったらやったりとお気楽な付き合いをしています。

割り込み作業への対応

同じように、作業中に割り込んできたタスクも直接リストに書き込むことはまずしません。いったんメモなんかに書いておいて「やる」と決めてからリストに書き込みます。

いわば、作業リストの中身は私にとってのサンクチュアリーなわけです。このリストに「他の人に言われたから」という理由だけでタスクを書き込んでしまうと、その聖域性が落ち込んでしまいます。

それが本当の意味での自由意思に基づくものなのかは置いておくとして、あくまで「自分で選択したもの」だけがリストに並んでいるという状況を作る事でリストの中に潜む自主性を保っているわけです。

これは、私自身の性格に強く依存するやり方だと思います。

「今日は奥さんしんどそうだし、ご飯炊いといてあげよう」と考えていても「今日ご飯炊いといてくれへん?」と頼まれてしまうと、穴の空いた風船みたいに急激にやる気が減退していきます。自分で内省していても驚くのですが、シチュエーションが違うだけで人のやる気というのは大きく変化します。

そういう自分の性格に基づいての方法論です。私の場合は「自分でやろうと考えたこと」という文脈さえ生きていれば、結構無理目な作業でもリストを見ればやる気が出てきます。

さいごに

まとめてみると、私が作業時に使うリストは、自分がやるとコミットメントしたものだけが載っている、ということです。そうでないものはそのリストには載せずに、別のリストなり保管庫に入れてあります。

適切な形のリストというのは、こんな感じでその人の性格に影響をうけるものだと思います。ただし、同じリストに違った文脈のものをのせない、というのはリストを運用する上で最低の心がけです。

もし、目の前のリストが無意味なものに見えるのならば、タスクを一つ一つチェックしていって選別してから、純度の高いリストに構成し直してみることをおすすめします。同じように、そのリストに載せるものも一度検閲を通してからの方が良いでしょう。

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1 thought on “タスクを「検閲」してから、リストをつくる”

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