ノートブック・スタックの機能が実装されてある程度時間が経ちましたので、そろそろ皆さんが「独自」の使い方を発見されたころでしょう。
「Mac用のEvernoteクライアントアプリにベータ版が登場:ノートブック周りの新機能」でも書きましたが、最初はこのスタックにやや懐疑的でした。しかし、使っている内に徐々にスタックの数が増えてきた所を見ると、自分で意識していなくてもそれなりに便利ということなのでしょう。
今回は、自分なりのまとめの意味も含めて、ノートブックスタックについての紹介です。
まずは、おさらい
ノートブック・スタックはノートブックの「グループ化」です。見た目は階層化ですが、機能が意味するところはノートブックをとりまとめているだけです。
タグとの違いは、スタックを選択することで含まれるノートブックのノートが全て表示されるという点。これが必要かどうかで、スタックの必要性が決まってきます。もう一つのメリットは表示をたたむことでノートブックリストを短めにしておけること。一覧性を重んじておられる方には、ここも結構重要でしょう。
基本は中分類
一番基本的な使い方は「中分類」です。
大きなくくりをノートブックで作って、それをもう少し細かく分けたいときにスタックを使うと便利です。この辺は「Evernoteの新機能「ノートブック・スタック」を使いこなす」(シゴタノ!)が参考になります。
一応、気をつけた方がよい点が二つあります。
まず、「独立した要素」で分ける必要があるという点。もう一つが「その他」の行き場が無いという点です。
独立した要素
タグとは違って、ノート一つに対してノートブックは1つです。人間が同じ時刻に別の場所に存在できないように、ノートブックも居場所は一つ。だから、あるノートに対して、「このノートブックとこのノートブックの両方に当たるんだよな・・・」というのが出てくる場合は、ノートブック・スタックでの運用はあまりよろしくありません。
明示的な役割であったり、まったく交わらない要素でノートブックが作れるならばスタックは便利です。
ただこれも、ノートブックで見つからなくてもスタックで検索したら見つけられるから「間違った」ノートブックに入っていても気にしない、と開き直れる方ならばスタックでも問題ないでしょう。
あるいは、二つ以上にまたがるノートが出てきたら、その分複製するというやり方でも対応できます。
その他不在
中分類はスタックでもタグでも対応できます。タグの場合はノートブックで大分類をつくり、中に入れるノートに中分類のタグ付けをして対応。スタックはスタックで大分類をつくり、ノートブックで中分類を行う。似ていますが、「その他」の明示的な場所の有無という点が違います。
ノートブック+タグの場合、中分類に当てはまらないノートは「タグを付けない」という選択で、その他を指し示すことができます。しかしながら、スタックの場合は「その他」というノートブックをあらかじめ作っておかないと、行き場のないノートが出てきます。「その他」というノートブックを作って対応するという方はこれでも全然構いません。
まとめ
まとめると、大分類→中分類を作る場合
ノートブックスタック:親要素での検索が可能・複数の要素があるノートの扱いが不便・その他の居場所を作る必要あり・小分類は作れない
タグ:親要素での検索は不可・複数の要素があっても対応可能・タグ無しがその他になる・いくらでも分類を細かくできる
というメリット、デメリットがあります。あとEvernoteクライアントの場合、タグを付けるよりもノートブックを移動させる方が簡単という違いも見逃せません。この辺が楽かそうでないかは、継続的にやっていく場合ボディーブローのように響いてきます。
私の例
現状のノートブックリストにあるスタックを公開しておきます。これは結構続いているものと、実験的にやり始めたばかりのものがあります。
000[Temp.ref]
以前からあったノートブックをスタック化。短期参照ノートを突っ込んでいた000[Temp.ref]でしたが、タスクと参考資料に分けてみました。
短期選抜はここ一週間ぐらいで使いそうなノートが入っています。外出時ならば地図とか時刻表のクリップがそれにあたります。あと、思いついた「今日の一言」ネタ、Blogネタなどもここに放り込んでおきます。
週次箱は、その週に書くべき書き物が入っています。例えばメルマガのコンテンツ。今のところ、メルマガの一コンテンツ(2000字ぐらい)を毎日書いています。それを一週間の頭に空白のノートをコンテンツ分だけ先に作っておくことで「タスク化」してあります。あとは一日一回そのノートを埋めて、別のノートブックに移動させる。こういう感じで日曜日が近づくにつれ、中身がゼロに近づいていくノートブックです。同じようにメルマガ以外の書きものもここに突っ込んであります。
以前はこの二つの用途をまとめて一つのノートブックでやっていたのですが、出かける機会が増えてきて「短期選抜」に入るノートの数が増え過ぎることが多く、若干うっとうしくなってきたので、スタックで分社化してみました。最近やり始めたばかりなので、続くかどうかは不明です。
[セルフマネジメント]
GTD用のノートブック。説明は割愛。
孵化ノートブック
『Evernote「超」知的生産術』でも紹介しましたが、方向性は見えているけどもまだまだ情報・アイデアが足りない、あるいはちょっと書いてみたいというトピックス用のノートブック群。これは、使っている内にどんどん数が増えてくるだろう事を見越してのスタックです。表示をたためるようにするというただそれだけの目的。
進行中プロジェクト
今進んでいるプロジェクトに関するノートブック。いろんな情報がこのノートブックに集まっています。スタック化の理由はやはり表示数の問題です。加えて、それぞれのノートブックにタスクを入れておけば、スタック表示で自分の手持ちのタスクが明らかになる、という使い方もできます。
プロジェクトノート
以前シゴタノ!で「Evernote+αでクラウド版「プロジェクト・ノート」を作る」というのを書きました。それのスタック・アレンジがこれ。単に思いついただけでまったく使っていない(というかさっき作った)ヤツなんで、実効性うんうんはわかりません。
ただ単に、Evernoteでノートの表示順が操作できないという問題をスタックで解決しようという方向です。おそらく一つのノートブックに一枚のノートしか入れないという贅沢な使い方になりますが、これでノートの表示順序をある程度操作できます。
さいごに
今のところスタックにしているのは、こんなところです。トータルのノートブックの数から考えると少ない方かもしれません。しかし、こんな感じでも、一万六千程度のノートは管理できていますので問題ないのでしょう、きっと。
皆さんのスタックの使い方など、ご教授くださればありがたい所です。
▼こんな一冊も:
EVERNOTE「超」知的生産術 |
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倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2011-02-26 |
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