4-僕らの生存戦略

現代の環境をうまく活かす方針:「遊い成」

四月。新しい季節です。先日、LastDay.jp主宰者である@sayobsさんことまたよしれいさん著である「たった2か月でiPhoneアプリをリリースするためにやったこと」を読了しました。

C言語すら知らなかった私がたった2か月でiPhoneアプリをリリースするためにやったこと
C言語すら知らなかった私がたった2か月でiPhoneアプリをリリースするためにやったこと またよし れい

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本書はiPhoneアプリの開発を始めてみたいと思いながらも、躊躇してしまっている人へのエールとも言うべき内容になっています。読みながら感じていたのは、一歩でも前に進みたくなるような高揚感ではなく、むしろ振り返って自分の姿を眺めるような懐かしさでした。

作りたいプログラムを想定しながら、その機能に必要なコードを泥縄式に勉強する(最近では、これに遅延評価勉強法なんて名前が付いているそうです)。自分が書いた最初のプログラムがうまく走った感動(Hello,World)。なぜか動かないコードとの格闘(誰だ、全角スペース入れたヤツ!)。・・・・・・。

悪戦苦闘を経て、頭の中に「カタチ」だけあったものが、実際に動くプログラムになる体験は、まさに世界が変わるような感覚だったような気がします。知識と経験が加わることで、自分自身のOSがバージョンアップしたような感覚も同時に覚えます。このOSは自分と世界の関係性を定義するものです。しかも、その「世界」が意味するものは、いまでは個人で閉じたものではなく言葉通り世界中に広がるものになっています。

これが意味することは、相当大きなインパクトを持っているといってよいでしょう。

環境の充実

現在の環境は、大変恵まれたものです。ネットにアクセスすれば有用なテキスト情報や動画が公開されています。もともと日本には図書館が充実していたので、個人での学びへの道はひらかれていたとも言えますが、その広がり方が一段大きくなったと考える事ができるでしょう。学ぶ意志とネット環境、加えて幾ばくかの時間があれば誰でも学べると言っても過言ではありません。

こうした「情報」だけではなく、例えばツールに関しても高機能で低価格なものがクラウドで提供されています。メールアドレスだけあればとりあえず使い始めることができるものが、いくつも存在しています。また、SNSやらソーシャルメディアを介して、多種多様な人々とコミュニケーションを取ることもできます。

そういった状況を眺めてみると、「環境」はかなり充実していることがわかります。それは、多くの人(全員ではない)に対してひらかれている環境です。あとは、それを使うのか使わないのか、という選択だけの問題です。

やってみることの価値

プログラミングでも、Blogでも、Evernoteでも、同じ事が言えますが「とりあえずやってみる」ことの価値は大変高いものです。

小笠原喜康さんの「新版大学生のためのレポート・論文術」には次のように書かれています。

わかってから書いてはならない。書かないとわからないからである。

実際に着手することで見えてくることは沢山あります。

「あれ、こうやっておけば良かったな」「これはこうするのか」「あれが意味することはこうだったのか」「これについて全然分かっていない」「案外、これは簡単だったな」・・・、こうした”発見”は事前に分かっておくとスムーズに事が進められそうに思いますが、実際に着手してみないと見えてこないものがほとんどです。問題はそこを賢く「先回り」しようと思って、なかなか着手しない状況です。

これは先ほどの「環境」による副産物的デメリットと言えるかも知れませんが、情報が多すぎることにより、逆に実際に着手できない場合も考えられます。やることの結果が見えている、自分で手を動かさなくても「結果」は手に入る、そもそも情報の受け手になりすぎて時間が無い・・・。非常にもったいない状況です。

知識の中には、他人からの情報をインプットすることで手に入れられるものもあります。しかし、それだけが個人の知識ではありません。体験としての知識、経過の中での知識、こういったものも大切で、しかもそれは実際に「手を動かさ」なければしなければ身につけることができません。個人的な考えでは、多くの「応用」はこちらがわの知識から出てくるものではないかと思います。

こういった体験による知識が蓄積されにくい事態も、恵まれた環境の裏側では引き起こされているのではないかと思います。

結局は、やるか・やらないか

『仕事は楽しいかね』という本の中に

試してみることに失敗はない

という言葉が出てきます。私はこの言葉がとても好きなのですが、時々「試してみる」ことから距離を置いてしまう自分がいることも認めざる得ません。それは、妙に「成功」という言葉を意識しだすと自分の内側からモクモクとわき上がってくる不思議な感覚です。

「成功」の傍には「失敗」という言葉が影のように潜んでいます。そして、そいつに視線が向いてしまうと、行動する意欲が著しく減退してしまいます。これは、人の中に存在する損失回避性なのかもしれません。そういう時に、上の言葉を思い出すとちょっとだけ気が楽になります。

実際にやってみることで、得られるものは沢山あります。それは当初望んでいた成果ではないにしろ、体験する中でしか得られなかったものです。それは勉強にせよ、ビジネスにせよ、情報フローの構築にせよ、執筆にせよ、もろもろの対象に言えることです。

ほとんどの人(全員ではない)がアクセスできる環境があるとすれば、何かを分ける基準は「やるか・やらないか」だけになってきます。

さいごに

最後に紹介した「仕事は楽しいかね」の中で

「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」

という言葉も紹介されています。

この「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」というのが、現代の「環境」を活かすための方針になりうるのではないかと思います。

・遊び感覚で
・いろいろやって
・成り行きを見守る

この3点。「遊い成」と名付けておきましょう。

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