「タスク」の研究

ポモドーロテクニックについて1

以前「ポモドーロテクニックへのリンク」で紹介したポモドーロテクニック。いろいろな要素を複合的に組み合わせた時間管理術で、個人的には注目する点がいくつかあります。

おそらくプログラマーや文章執筆などの「専門的作業」を「自分の裁量」である程度進めていける人向けのテクニックです。このテクニック自体に「プログラミング」的な印象を強く受けるのですが、それはまた別のお話。今回はこのポモドーロテクニックについて書いてみたいと思います。

今回最大限参考にしたのは、以下の本です。

アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門
アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門 Staffan Noeteberg 渋川よしき; 渋川あき

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基本

ポモドーロの名前の由来は、トマト型のキッチンタイマー。必要なツールは、紙・鉛筆・キッチンタイマー、以上。非常にシンプルです。

ポモドーロテクニック(以下ポモテク)は3つの要素から成り立っています。

・計画
・実行&計測
・振り返り

この3つの要素によって、タスクをコントロールし、制約から集中力を生みだし、仕事の進め方をレビューする、というプロセスを実現しています。

ポモテクはタイマーを使って集中力を生み出す、といった点にフォーカスが当てられますが、それはこのテクニックだけが持つ特徴ではありません。過去を振り返ってみればアリストテレスの時代から・・・というのは嘘ですが、タイマーを使う効用は仕事術界隈ではごく普通のテーマです。

私がポモテクに注目したのは、計測と振り返りの部分です。この部分が多分既存の「仕事術」系列とはすこし外れている印象があります。これについて書いていきたいところですが、話を進める前にそれ以外の要素が一体どうなっているのかを少し押さえておきましょう。

計画

名前の通り一日の「ToDo」を計画するフェイズです。やることはシンプルで、

「アクティビティ在庫シート」から、もっとも重要なアクティビティを「今日のToDoシート」に書き写す。

だけです。

「アクティビティ在庫シート」は、その名の通りアクティビティが保存された場所です。

この「アクティビティ」という言葉は、日本語だと「活動」といった意味合いですが、ポモテクではシステム開発における「業務におけるひとまとまりの作業や工程」をイメージした方が良いでしょう。

連想変換としては、「タスク」や「ToDo」が出てくるような単語です。広い意味ではGTDのプロジェクトすら対応する場合もあります。極限まで細分化された動作ではなく、あくまで「ひとまとまりの作業や工程」がアクティビティです。ということは、どういうことかというと、基準となる粒度は存在しないということです。個々人によってこの粒度は変わってきますし、それが前提となっているシステムでもあります。

アクティビティ在庫シート

話を「アクティビティ在庫シート」に戻すと、このシートには近いうちにやるべきことがならんでいます。感覚的にはGTDの「次の行動」に近いでしょう。ここには「いつかやる」といったことは記入されていません。そういうのは別のツールに投げましょう。

例えば、買い物をイメージしてみてください。あなたは忙しいので一週間に一度、その週に使う食材をスーパーまで買いに行きます。買ってきた材料は家の大きな冷蔵庫に入れておきます。当然この冷蔵庫には一週間分の食料が貯蔵されることになります。この冷蔵庫が「アクティビティ在庫シート」です。

この在庫シートから、その日の分の「食材」を取り出して調理していくというのが、ポモテクの「計画」のイメージです。実際在庫シートを作成する上で、どんな点に気をつけたら良いのかまでは踏み込みません。その辺まで気になる方は、以前紹介したリンクか本を直接あたってください。

追加の疑問

さて、「計画」の内容をもう一度書いておきます。

「アクティビティ在庫シート」から、もっとも重要なアクティビティを「今日のToDoシート」に書き写す。

「アクティビティ在庫シート」はクリアしました。次に、「もっとも重要なアクティビティとは何か?」「どのぐらいの量今日のToDoシートに書き写せば良いのか?」という疑問が湧いてきます。

答えとしては、

  • 「もっとも重要なアクティビティとは何か?」→あたなが決めてください。あなた以外には決められません。
  • 「どのぐらいの量今日のToDoシートに書き写せば良いのか?」→ポモテクを続けていくうちに、徐々に把握できるようになります。

となります。この答えはいかにも投げやりに見えますが、だいたいにおいて真実です。そして重要な点でもあります。

主体的で現実的なリスト作り

一日の最初に「もっとも重要なアクティビティを選択する」というのは、今日の自分の行動に対してコミットメントを持つということです。七つの習慣では「主体性を持つ」というのに当たります。シートを見れば選択肢を一覧することができるので、自信を持って選択できるはずです。

また、どれぐらいの「量」を書き込めば良いのかですが、これは始めたばかりの時に適切な量を選択できることはまずないでしょう。逆に言えば、人は自分が一日のうちにどれぐらいの作業ができるのかをあまり分かってないということです。同じ工程をずっと続けるような作業ではない場合、その傾向は特に強くなります。そのような状況で作られる「タスクリスト」は、「やること」ではなくて「できたらいいな」リストになっています。

ポモ本にも書かれていますが、一日分のToDoリストを作るということは、「今日はやらないアクティビティを選択する」という事と同義です。これが持つ心理的な意味は結構大きいでしょう。一日の最初に「できたらいいな」リストにいろいろ書き込むのは簡単な事ですし、それだけで前に進んでいるような感覚を覚えがちです。しかし、結局終わってみればまったく手つかず。で、翌日また「できたらいいな」リストを作って、・・・以下ループ。

このループは、「やろうと思って結局できなかった失望感」を生みます。が、そもそも無理な計画だったのかもしれません。

一日1時間の作業を新しく加えようと思えば、どこか1時間の作業をやめる必要があります。これはとてもシンプルな原則ですが、よく無視される原則でもあります。まるで、リストにタスクを追加すれば、その分一日の時間が長くなるような感覚でタスクリストを扱うのはあまり良い傾向とは言えません。

必要なのは現実的なリストです。言い換えれば「できたらいいな」を「やること」リストに修正していく習慣です。それを実現するのが測定と振り返りなわけですが、長くなってきたので次回に続きます。

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