7-本の紹介

レビュー 『THE21 2011-06 全部見せます!仕事ができる人の「ノート術」』

「ノート」術の特集があったので、購入。

THE 21 (ざ・にじゅういち) 2011年 06月号 [雑誌]
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目下「ノート本」を書きたくて仕方がないので、雑誌の表紙にちらりとでも「ノート」の文字があると気になってしまう。パラパラと見ていていくつか気になるところがあったので、そのままレジへ。

概要

ノートに関する特集企画は第一部と第二部の二つ。それぞれコラム的なものがついて、合計4つの構成。

  • <第一部>全部見せます!仕事ができる人の「ノート」術
  • ノート会社の広報担当が語る「ウチのノートはここがスゴい!」
  • <第二部>”仕事の問題を解決する”実践ノート術
  • 仕事の進め方が変わる「ノート本&文具本」ガイド

それぞれについて簡単に紹介する。

<第一部>全部見せます!仕事ができる人の「ノート」術

成果を出している人、つまり「できるビジネスパーソン」の実際のノートの使い方を紹介。メンバーもなかなか豪華である。岩瀬大輔、名越康文、鎌田浩毅、隂山英男(以上敬称略)など、著名人のノート術が公開されている。ただ、全員が男性というのがやや残念な感じがする。この辺は雑誌の想定読者に関係しているのかもしれない。

企画では、それぞれ違ったタイプの「ノート」の使い方が紹介されていて、なかなか興味深い。私自身はノート術系の雑誌や本をすでに読み漁っているので、大きく学んだという点は少ない。それでも他の人のノートの使い方は見ていて面白いことは確かだ。

今回は、ティン!と来たポイントをいくつかあげておくことにする。

「思考の付せん」

精神科医である名越康文氏の

僕にとって、ノートに書く文字は”思考の付せん”です。

という表現がわりとツボにはまった。これはなかなか言い得て妙だと思う。

確かに、着想をメモするというのは、読書中「これは重要!」と感じたページに付せんを貼る行為に似ている。そこで必要とされているのは、付せんを貼る行為そのものではなく、再アクセスだ。私は「思考へのドアノブ」という風に捉えていたが、感覚的には同じようなものだろう。

そこにデータがあることが重要なのではなく、そこから自分の頭を動かすこと、何かを想起することが重要なのだ。これは着想だけではなく、ライフログについても同じことが言える。

手を動かす

レインズインターナショナルの戸津涼氏は、次のように語られている。

僕は本来、デジタル人間なんです。でも、情報を整理し、考える作業は、自分の脳とつながっている手を動かしながらでないとダメ。

私はこの表現に引っかかりを感じてしまう。

もちろん、戸津氏が言いたいことはデジアナ派の私としては十分に理解できる。パソコン上で出来ることと、紙ツールを使ってできることの差異は厳然として、でも簡単に言葉にはできないものとして存在している。

引っかかったのは「自分の脳とつながっている手」という部分だ。

実際の所、私がこうやってテキストエディタに文章を書いているのも、手を動かしている。間にキーボードというツールを使いながらも、自分の思考をエディタ上に表現しているという点で、脳→手→キーボード→エディタ、というのは一連の流れとして成立している。

紙に書く場合でも、脳→手→ペン→紙という流れで、結局の所エディタを使うのと同じ工程を経ている。

しかしながら、この二つで得られるものには確かに差がある。ということは、紙に何かを書くという行為には「実際に手を動かす」という以上の何かが潜んでいるに違いない。

なぜ、こんなややこしいことを考えるのかというと、パソコンと紙の間に位置するiPadというツールがあるからだ。

この新しいツールの役割を明確化するためには、「紙に書く」という行為が私たちの脳にとってどんな意味合いがあるのかを一度考え直す必要がある。その意味で、この引っかかりは一つの出発点になると思う。

書くことは思考である

なかなか格好いいセリフは隂山英男氏によるものだ。

私は「書くことは思考である」と考えています。書くことによって、初めて本格的に脳は動く、と。

私の中では、「書くことは思考の一形態である」という表現の方がピタッとくる。

つまり、想像をあてもなく、制限もなく、それの赴くままに広げていく「思考」の形態があり、それをある一定のルール(言語・マップ)のもとに落とし込んでく「思考」の形態があり、といった感じで「思考」というものもいくつかのバリエーションが存在している、ということだ。想像から創造へ至る道は平坦ではない、といったところだろうか。

傍から見てどれだけ愚かしく見えようとも、やっぱり書いてみることで考えられることはある。書くという行為は、そういう思考の過程を強制的に移行させる働きがあるとも言い換えられるだろう。

例えば、ここでこうしてレビューを書いている中で、ノートについてのさまざまな思考が一つの方向性に向かってまとまりつつあるのを感じる。たとえ、この文章をブログにアップしなくても、その思考の収束は一つの成果と言えるだろう。これもノートを書く一つの目的と言える。
※私にとってのR-styleは自分のノートの一形態である。

ノート会社の広報担当が語る「ウチのノートはここがスゴい!」

4つのメーカーさんのノートが登場。

こんな感じ

  • MOLESKINE 「ノートブック ハードカバー ポケット」
  • LIHIT LAB. 「ツイストリング・ノート」
  • マルマン 「Mnemosyne(ニーモネシ)・NOTEPAD+HOLDER」
  • ミドリ 「MDノート」

の4つ。幸いなことに「ニーモシネ」以外はすべて使ったことがある。どれも個性あるノートだ。

モレスキンは最近はラージを愛用。愛用というのは、よく使うというよりも愛着が出てきたという感じ。

ツイストリング・ノートはノートの機能としてはとても画期的だが、リフィルの形式が市場的に閉じてしまっているので、ユーザーに用紙の選択肢が少ないのが難点。なんというかもったいない。

ニーモシネは憧れを感じているが、結局は使わずで今に至る。切り取り式のノートパッドはロディアを使用中。

MDノートは少し前に購入。レビューを書こうと思って放置していた。感覚的にはモレスキンに近い感じのノート。使い捨てというよりは、ノートを創っていくというイメージ。「糸かがり製本」が非常に良い。

実際の各公報さんのお話は、直接記事をご覧あれ。

<第二部>”仕事の問題を解決する”実践ノート術

第一部は、実際のビジネスパーソンのノートの使い方だったが、第二部はノート本の著者からのアドバイスをまとめたものである。

「人生戦略ノート」「図解ノート」「自作リングノート」「嫌なことノート」「アイデアノート」といった名称はノート術に興味がある方ならば一度は聞いたことがあるだろう。

私はこの中の本を一冊も読んでいないので、総集編みたいな感じで楽しめた。お得である。

しかし、この記事もいよいよ長くなってきたのでそれぞれの紹介は割愛する。

仕事の進め方が変わる「ノート本&文具本」ガイド

2ページを使ってのノート本と文具本の紹介。7冊の本が紹介されている。

が、この中でも『人生は一冊のノートにまとめなさい』と『[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術』の二冊しか読んでいない。というわけでこれらについても判断しようがない。

ただ、個人的には、『[書類・手帳・ノート]の整理術』がビジネスユースでのノートの使い方の基本を押さえられる一冊だと思うので、これが入っていないのが残念な感じ。

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さいごに

いくつかのノートの使い方を見る中で、浮かび上がってくるものがある。それは具体的なノートの使い方の重要性、ではない。むしろそれぞれのノート術の背後にある「ノートの作法」と呼べるものだ。

この場合の「ノート」というのはnotebookという綴じノートだけを指すものではない。むしろ動詞としてのnoteを意味するものだ。つまり、「〜を書き留める」「〜に注意する」という行為を総合的に含むものだ。

簡単に表現すれば、「情報」マネジメントの手法ということになるのだが、それを具体的なツールに落とし込んだものが一つ一つの「ノート」術として現れている。

なので、あるマネジメント手法に特化したノート術はそのまま自分用には使えない。それは有名企業のマネジメントをそのまま別の企業のマネジメントとしては運用できないのと同じことだ。しかし、そこから背後にある原理・原則を知ることはできるだろうし、それをもとにして現実に適応するマネジメント手法を考えることもできる。

ノートを使う人がやらなければならないのは、そういう作業だ。

基本的に、ツールは目的に従属する。しかし、ツールが思考を従属させることもある。そういう意味でノートとの付き合い方というのは、そんなに簡単なものではないのかもしれない。

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