「タスク」の研究

ポモドーロテクニックについて4

すこし前の記事になりますが、Blog「極上の人生」さんに次のようなエントリーが上がっていました。

ポモドーロ・テクニックがフォーカスするもの

ポモドーロテクニックとはなんぞや?と言う方は、R-styleの過去エントリーを参照してください。
※記事最後にまとめてあります。

先ほど紹介した記事はある種の問題提起になっています。これについてすこし考えてみます。

検討課題

ポモドーロ・テクニックには記録(レコーディング)という作業が含まれています。

朝一に立てた見積もりと実績の差異であったり、あるいは割り込みが発生した回数などを記録していく作業です。

先ほど紹介した記事ではこれらを「失敗系」と呼び、なぜ「成功系」のデータにはフォーカスを当てないのかという疑問を提出されています。

この段階で検討すべき課題がわんさかと出てきます。たとえば、次のようなもの。

  • そもそもこれらは本当に「失敗系」なのか?
  • そもそもポモドーロテクニックの「成功」とはなんなのか?
  • そもそもポモドーロテクニックの「目的」とはなんなのか?
  • そもそもタスク管理における「成功」とはなんなのか?
  • そもそもタスク管理における「目的」とはなんなのか?
  • そもそもタスクマネジメントにおける「成功」とはなんなのか?
  • そもそもタスクマネジメントにおける「目的」とはなんなのか?

これらについて考えていけば、提出されている疑問への答えにもつながっていくでしょう。

ちなみに、私の中で「タスク管理」という言葉と「タスクマネジメント」という言葉は別のものです。ここを明確に区別しておかないと、他の人と会話する際、情報の伝達に齟齬が発生する可能性があります。

ドラッカーの名著は「マネジメント」であって、それに「管理」という言葉を対応させることは個人的にはできません。

俯瞰してみれば、上位概念としての「マネジメント」とその下部に位置する「管理」という位置づけになります。この辺につっこむのは本エントリーの趣旨ではないので、また別のエントリーにて。

今回は、上の3つの課題に絞って検討してみます。

何についての「失敗」なのか?

あるアクティビティに対して3ポモドーロの見積もりを朝一に行いました。結果的に5ポモドーロを使って終了。2ポモドーロの誤差が出ています。

はたして、これは「失敗」でしょうか。「失敗」だとしたら何を失敗しているのでしょうか、

まず、第一にそのアクティビティは「なんとか」終了させることができています。タスクは達成されているのです。この点においては「失敗」の要素は見あたりません。失敗と呼びうるものがあるとすれば、はみ出た2ポモドーロ分の超過時間でしょう。

つまりは、朝一の「見積もり」が失敗していたということになります。失敗という言葉ではなく、誤差が大きすぎたと言い換えてもよいでしょう。あるいは、うまく集中できないまま時間を消化してしまったのかもしれません。これは状況のコントロールがうまく出来ていなかったと言い換えられます。

ポモドーロ・テクニックの「記録」と「カイゼン」において目指すところは、「見積もりの誤差をゼロに近づけること」です。先ほどの記事の中では、

それは、
見積もり通りに、邪魔が入ることなく、
より多くのポモドーロをこなせたケースです。

と書かれていますが、多くのポモドーロを消化する・しないは「ポモドーロテクニック」において重要な要素にはなっていません。

見積もり通りにこなせる、のではなく、こなせる見積もりを立てられること、これが「カイゼン」の目指すところです。そして、トートロジー的ですが、こなせる見積もりを立てられるようになると、こなせるようになる、というステップがあります。

2つのキーワード

GTDにおいて、「物事をストレスなく、最大効率で進めていくためのキーワード」として、次の二つがあげられています。

・(状況の)コントロール
・(将来への)見通し

ポモドーロ・テクニックは、中長期のコントロールや見通しは意識されていませんが、一週間あるいは一日という単位において「コントロール」と「見通し」を得るものになっています。

朝一に一日の見通しを付け、進行中は状況をコントロール__集中する時間を意識し、割り込みを処理__する。これができるようになると、「効率」は後から付いてくるというわけです。

なので、単にタイマーを使っているだけではポモドーロ・テクニックを実施しているとは言えません。朝一のプランニングが重要なのです。逆に言えば、ポモドーロテクニックでなくても、朝一のプランニングの有り無しはその一日に大きな影響を与えます。

「成功」は狭いバリエーション

例えば、一日を終えて「記録」を付けようとしたら、誤差がゼロだった、という状況だったとしましょう。ベリーグッドです。

これは「見積もり」がうまくいって、日中は状況を「コントロール」できていた、という証左でしょう。でもって、ゼロはゼロでしかありません。ゼロは「計画OK」で、ゼロ以外の数字は__プラスであれ、マイナスであれ__「計画ミス」に分類されます。

これは、トルストイの

『幸福な家庭はどれも似たものだが、
不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである』

という言葉に近いものがあるかもしれません。

うまくいくときのパターンにはそれほどバリエーションがあるわけではありません。しかしながら、うまくいかないときのバリエーションは山ほどあります。

なので、データを集めるとすれば「うまくいかないとき」のパターンに注目するというのは自然な流れと言えるでしょう。

さいごに

すこしまとめてみましょう。

・そもそもこれらは本当に「失敗系」なのか?
→見積もり、あるいは状況のコントロールの失敗。

・そもそもポモドーロテクニックの「成功」とはなんなのか?

→見積もりの誤差がゼロになること

・そもそもポモドーロテクニックの「目的」とはなんなのか?

→見積もり力を向上し、一日をコントロールできるようになること(あるいはその感覚を身につけること)

これらの要素の抽象度を上げていくと、その他のタスクマネジメントに通じる要素も出てくるはずです。

▼関連エントリー:
ポモドーロテクニックについて1
ポモドーロテクニックについて2
ポモドーロテクニックについて3

▼こんな一冊も:

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