感想群

ウメサオタダオ展に行ってきました(二回目)

5月29日、人生における二度目の「ウメサオタダオ展」に行ってきました。

前回は一人での散策だったのですが、今回は団体さんでの探検といった趣。二回目でも十分に楽しめました。むしろ、二回ぐらいでは全然汲み取れていないような気がします。そのぐらいの情報があの空間には満ちていました。

ブログを書いている人、Evernoteなどを使ってライフログをとり続けている人は、何かしら感じることがある展示だと思います。

前回は自分の着想をメモするのに必死でしたので、今回は趣向を変えて徹底的に写真撮影することにしました。行きたいけどなかなか行く機会がない、という方はFacebookページに上げた写真をご覧ください。雰囲気だけでも楽しめるかと思います。


5月29日 ウメサオタダオ展にて
(Facebookページ)
※Facebook利用されていない方はこちら

「記録」が持つ力

一通り見終わった後、ずっとこの「幕」と向かい合っていました。

垂れ幕

カード法は、歴史を現在化する技術であり、時間を物質化する方法である。

「歴史を現在化する技術」、「時間を物質化する方法」。これはもちろん京大式カードを使うことだけに限定されるものではありません。ブログ、あるいはEvernoteを使って「記録」を残していくことも、この範疇に入ってくるでしょう。

「記録」が持つ力はとても大きいものです。自分と他の誰か、自分と将来の自分、そのような「異なった存在」に情報を伝達する力が「記録」にはあります。その力が、科学を発展させ、文化に厚みを加え、個人の人生に深み与えるのだと思います。

私たちは、どうあがいたところで「今」の中にしか生きることはできません。「今」という瞬間の牢獄に閉じ込められた存在です。しかし、記憶や記録という存在があることで、自分や歴史という感覚的長さを伴った認識を持つことができます。

そのことの意味について一度考えてみる必要があるのかもしれません。少なくとも、現在では長期的に記録を保存していくことは容易になっています。個人レベルで自分のデータベースが作れる時代なのです。それをいかに利用するかというのは、「学者」だけが考える話ではないはずです。

情報生産の日々

展示を見て回りながら感じたのは、熱量を感じさせるほどの「知的好奇心」です。100%断言できますが、いやいやな気持ちではあれほどの業績は残せないでしょう。やはり自分自身の「知りたい」という気持ちが、あのバイタリティーを支えていたのだと思います。

それ以上に驚くのは、単に知るだけではなく、それを「伝えよう」としてきたことです。数々の著作もそうですし、この民博もその一環と言えるでしょう。

『知的生産の技術』の中で、知的生産の定義について次のように書かれています。

知的生産というのは、頭をはたらかせて、なにかあたらしいことがら──情報──を、ひとにわかるかたちで提出することなのだ、くらいにかんがえておけばよいだろう。

「ひとにわかるかたちで提出すること」。これが肝要です。読書をして、自分なりの物思いにふけるのはなかなか楽しいひとときですが、それだけでは「知的生産」とは言えません。

どれほど拙い文章であっても、他の人の分かる形で自分の「頭の中」で起きた化学反応について説明すること、あるいはそうしようとする試み、これが「知的生産」です。そこに「学術的」な意味や、あるいは「生産的」な意味が含まれている必要はありません。

精一杯の語彙の引き出しを開けて、頭の中で生まれ出た「なにかあたらしいことがら」を人に伝える、その成果物が「知的生産」です。生まれたものから、他の人が何を感じるか、どう使うかはわかりません。別の知的生産に利用されることもあれば、消費されてお終いということもあるでしょう。

500文字でも、1000文字でも、10000文字でも、テキストをまとめ、アップする。それを読んだ人が何かしら感じるところがあれば、それは立派な「情報」です。だから、ブロガーは日々情報を生産していると言えます。

さいごに

なんだかんだで、「記録」と「知的生産」というのが、どこからともなく混じり合ってきます。切っても切れない関係というよりは、重なり合う部分がたくさんあるということでしょう。

まだまだ消化しきれていない部分がたくさんあるので、しばらくは思考の旅路を続けていくことになりそうです。

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