少し前に「今のところ、よく使っているiPadの手書きノートアプリ二つ」というエントリーを上げましたが、最近はこれにもう一つ選択肢が入ってきています。
アプリの名前は「UPAD」。想造ノートさんの「書くことを徹底的に追求したiPadアプリ「UPAD」に全力で惚れた」のエントリーを読んで、即購入しました。現状「NoteShelf」と、この「UPAD」がメインノートアプリの座を激しく争っています。
UPADの機能については、上のエントリーを読んでもらえばだいたい把握できるかと思います。今回は、私なりの視点での評価と、「NoteShelf」との比較も交えて紹介してみます。
ノートチェックポイント
私が、ノートアプリを選ぶ際にチェックするポイントは、
- 見た目・デザイン
- スタイラスの反応
- ペンの種類
- 用紙のバリエーション
- ノートのインポート・エクスポート
- 入力補助
あたりです。
見た目・デザイン
全体の雰囲気では「NoteShelf」の方が上ですが、「UPAD」の見た目もそれほど悪くありません。一番の差になるのが、「ノートの表紙」でしょうか。
「NoteShelf」は、用紙の種類ごとにノートの表紙が固定になってしまうのに比べて、「UPAD」では一ページ目のサムネイルが表示されます。細かい点ですが、ノートアプリを開いたときの印象が結構変わってきます。この部分では「UPAD」の方が「自分らしい」ノートを作れると思います。
例えば、次のような感じで、ノートのタイトル、日付、アイコンとなるイメージをちょっと入れておくだけで、ぐぐっと「ノート感」が出てきます。また、「毎週一回は見る」という風にそのノートについての注意書きなどを記入しておくこともできます。
スタイラスの反応
すごく良い、というわけではありませんが、普通に使っていて強い違和感を覚えることはありません。
ペンの種類
「UPAD」には「ペン」と「蛍光ペン」の二種類が用意されています。
それぞれ12種類のペンの太さと、20種類のカラーが選択できます。またデフォルトのカラーセットは好きな色に置き換えることができます。
「NoteShelf」では17色の固定されたカラーセットと、1〜30までのペンの太さのチョイスができるので、「色にこだわるか」「線の太さにこだわるか」という好みの違いで使い勝手が変わってくるでしょう。
用紙のバリエーション
用紙のバリエーションについては大きく差はありません。
一般的な用紙だけではなく、楽譜、レター用紙、コーネル式ノートなども「UPAD」には準備されています。4コマのストーリーボードなども準備されているのは見逃せない点です。
「UPAD」が「NoteShelf」と大きく異なるのは、オリジナルのフォーマットを作れる点です。
iPadに保存されている写真を選択し、それをノートのバックグラウンド画像に使うことができます。多少手間はかかりますが、自作のフォーマットを作れることで、使い方の可能性は大きく広がることでしょう。ノートリフィル職人なんかも出てくるかもしれませんね。
例えば、他のノートアプリの画面をキャプチャーして・・・なんてことも(かなり無理矢理ですが)できます。
ノートのインポート・エクスポート
iPadで手書きノートを使う以上、絶対に必要なのがエクスポート機能です。「UPAD」では、
- PDFに変換
- メール送信
- 写真に保存
- ツイッターにアップ
- フェイスブックにアップ
- 印刷する
の選択ができます。
Evernoteに送信する手順を考えると、
PDFに変換→別のアプリで開く→Evernote
※実際の操作は、「PDFに変換→ページ範囲指定→ファイルを送信する→他のプログラムから開ける→EVERNOTE」という流れ
か、メールで送信するか、一度写真に保存して置いて、PictShareでまとめてEvernoteに送信するか、という選択があるでしょう。
「NoteShelf」では、エクスポート先に標準でEvernoteが準備されていることを考えると、この点は見劣りします。
ただ面白い点は、PDFに変換した後、それを「UPAD」つまりこのアプリ自身でもう一度開くことができる機能です。「UPAD」は手書きノート、PDFを読み込みそこに書き込むモード、写真を取り込んでそこに書き込みできるモードの3つのタイプがあります。
「手書きノート」で書き込んだものを、一度PDF化して再びUPADで読み込む。こうすると、前に書いたものが「保存」され、その上に自由に書き込みすることができるようになります。
例えば、手書きモードでテンプレート的な要素(第一章とか、Noとか、枠線ect)を書き込んでおき、それをPDF化して、UPADで開き直せば「オリジナルリフィルノート」が完成します。この辺もいろいろ可能性がありそうです。
入力補助
パームレストは標準的なものです。「NoteShelf」のように自動的に余白を感知して下に移動するといったスマートな機能はありませんが、普通に使う分には問題ないでしょう。
また、細かい文字を入力するためのフォーカス機能もあります。この辺は標準的なノート機能をしっかりと押さえている印象です。
テキスト入力
「NoteShelf」は、ハンコのようなカラフルなアイコンイメージを入力できる機能がありますが、「UPAD」はテキスト入力が可能です。
感触で言うと、テキストフィールドを追加していく感じです。背景色が変えられるので、付せんのように使えます。
また「NoteShelf」にある「画像の追加」はできません。「写真」を取り込んで記入するのは、普通の手書きノートとはまた別のモードになっています。
写真を取り込んだノートページを追加したい、あるはテキスト入力がしたい、この辺もこの二つのアプリを選ぶ基準になるでしょう。
さいごに
全体の使用感で、微妙に良い点と悪い点があり、どちらのアプリが「より良いツール」かというのは決めがたい状況です。今回紹介した機能の差異は、使う人の好みで評価が分かれるところでしょう。
私自身は、「UPAD」の方が使い勝手が良いかな、とは思います。
- 表紙に個性が出せる
- ペンの色が細かく指定できる(万年筆のインクを選ぶような感覚)
- オリジナルのフォーマットを作れる
- テキスト入力ができる
という点がその評価の理由です。逆にマイナスの要素は
- ノートページの順番を入れ替えられない
- Evernoteに送信が少し手間
- たまにアプリが落ちる
あたりです。特に「ノートページの順番が入れ替えれられない」というのは、大変気になるところです。デジタルなんだから、そんなに難しいことではないと思うんですが・・・。
この辺の評価も、両アプリのバージョンアップによってきっと変わってくるでしょう。というかぜひ変わって欲しいです。
P.S ブログ用に作った画面写真をFecebookページにまとめて上げておきました。今回使わなかったものも多数ありますので、アプリの雰囲気を知りたい方は、チェックしてみてください。
「UPAD」(iPadアプリ)の画面写真 2011年6月10日
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