Evernote企画6thエントリー:
第一回:アップデートで追加された機能の確認
第二回:ノートの見た目にこだわる
第三回:HTMLファイルで「リフィル」を作る
エッセイ:二種類の「ライフログ」について
第四回:ノートリンク機能についてのあれこれ
2010年の4月21日に「こんなアプリがあったらいいな ~Evernote補完計画~」というのを書いた。
このエントリーから一年以上経過し、さらにEvernoteへの情報集約度は高まっている。当然のように「あったらいいな」の欲求もまた高まりつつある。
実際に使っているなかで、「こういうアプリが欲しい」「現状のアプリの機能連携ではここが弱い」という発見__つまり、アイデアの種はいくらでも見つかる。しかし、そのアイデア全てを自分の手で形にするのは、時間的に無理だ。
そういう時に、「デベロッパー・コンペティション」の存在はありがたい。
最も革新的で便利なアプリケーションには、素晴らしい賞金と8月に行われるEvernoteトランク・カンファレンスでの展示資格が授与されます。
「最も革新的で便利なアプリケーション」は、どのようにして生まれるのか。
一つは、天才的なひらめきによる創造。もう一つは、実地的なニーズに基づく開発。
イノベーションという言葉は、前者を意味するかのように思われるが、『デザイン思考が世界を変える』という本で紹介されているIDEOの手法は、後者に重きを置いている。次は本の中にある一節だ。
より優れた出発点は、現場におもむき、通勤者、スケートボーダー、看護師が日常生活をどうやりくりしているかを実際に観察することだ。
なぜ、開発者が徹底的な観察を行うのか。
その理由は、『デザイン思考が世界を変える』の著者ティム・ブラウンの言葉を借りれば
『ごく普通の人々がニーズを表明することはめったにない』
となる。
マッチングという希望
であれば、「ごく普通の人々」の方からニーズを表明してやれば良い。幸い現代にはソーシャルメディアというツールがある。それを活用すれば、自分のニーズが形になるかもしれない。
片方では、「こういう機能が欲しい」と考える利用者がいる。もう片方では、「アプリを作ってみたい」と考え、それを満たす技術を持つ開発者がいる。これがうまくリンクすれば、新しいものが生まれてくるかもしれない。
今まででは、開発者が感じているニーズをアプリにする、という形が多かった。もちろん、それも選択肢の一つではある。が、それだけでは限界があるだろう。
一人の人間にできることには限りがあるし、技術を持ちながらニーズを見いだせない人もいる。これがマッチングされれば、より面白いモノが生まれる確率が高まるのではないだろうか。
要は、ユーザーは欲しい機能があれば、TwitterなりBlogなりでそれを表明しておけばいいんじゃないか、ということだ。それが確実に現実化するわけでないが、わずかながらでも可能性は生まれてくる。自分の頭の中でアイデアを死蔵させておくよりは、この世界に少しばかりはプラスの動きを起こせるだろう。
というのを前置きにしておいて、私の「こういうアプリが欲しい」というのを書いておく。
※以下「です・ます調」に転調。
入力関係
Evernoteへの入力環境はすごく充実しています。特にiPhoneアプリは山ほどあります。それぞれ特徴があって、好みに合わせて使えばよいわけですが、個人的には「全部」が入力できるアプリを望んでいます。
全部、というのは「手書き」「キーボード入力」「写真」の3つ。ここに「ボイス」が入れば完璧ですが、とりあえずは前者の3つ。
アプリの起動後、即入力画面になり、手書きとキーボード入力がボタンで切り替えられる。カメラボタンで写真の挿入も可能。アプリ内には保存せずに、全てEvernoteに送信。
基本はこれだけです。イメージは「デジキャビ」というiPhoneアプリです。現状でもこのアプリを使って、カメラロールに保存し、そこからPictshareでEvernoteに送信という運用はできますが、
- 自動的に日時が入って欲しい
- PictShareを挟まずにEvernoteに送信したい
などの希望があります。
その他もろもろ
以下、欲しいアプリの詳細を書き付けようかと考えていましたが、前置きが長くなったのでざっとだけ書いておくに留めます。
ノート操作
Evernoteの特定のノートブックを取り込んで、ノート1枚を1枚のカード的に扱えるアプリ。テキストだけではなく、画像もサムネイルで表示される。平面上にカードを配置し、いろいろな置き方を試せるようなアプリ。できればiPadで。
マインドマップ
ノートブックをインポートして、ノートブック名をセントラルにし、それぞれのノートをブランチで繋げてくれるもの。それを修正しながら、構造化していく。デスクトップクライアントで。
ノート追記
iPadのEvernoteでノートをスキャンした画像を閲覧。「ん?」と何か気になる。そういうときに、外部アプリでその画像を読み込み、画像の上に追記し、それをさらにEvernoteに戻したい。
iPadの手書きノート系で作成した画像は、Evernoteに取り込んでしまうとアナログノートのように簡単に追記できなくなる。その辺がやや不満。
iPadEvernoteからそのアプリに直接移行できて、再びEvernoteに戻ってこれるような形が良い。
限定ノートブック
特定のノートブックだけと完璧に同期するアプリ。単なるビュアー。動作速度が最速であるのが望ましい。iPhoneで。
テンプレ作成支援
「リフィル」の回で書きましたが、Evernoteで見栄え良いノートをつくるためのテンプレートの作成を支援してくれるもの。ある程度既存のフォーマットを準備しておいて、それをカスタマイズすることで自作のリフィルを作れる。
出力はHTMLファイルか、あるいは直接Evernoteにエクスポート。デスクトップクライアントで。
表計算
ノート内の表組みに含まれている数字の合計を計算してくれるアプリ。家計簿の代わりなるかも。デスクトップクライアント。
さいごに
今回は、好き勝手に要望を書いてみました。
ほとんど妄想ですが、機能的にまったく実現不可能というわけではないでしょう。これをお読みの方も、Evernoteと関連するアプリの”妄想”をブログ記事で書いてみてはいかがでしょうか。
トラックバックor私にコメントいただければ、この記事でも紹介させていただきますので。
▼関連エントリー:
こんなアプリがあったらいいな ~Evernote補完計画~(R-style)
ウメサオタダオ展に行ってきました(下)~理想的なアプリのイメージ~(R-style)
▼こんな一冊も:
デザイン思考が世界を変える―イノベーションを導く新しい考え方 (ハヤカワ新書juice) | |
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早川書房 2010-04 |
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