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一言で切り取る世界、そこから見えるもの

事前人気がすごいことになっているらしいモレ本2ですが、その公式サイトに次のような記事がありました。

編集者のキラークエスチョンをモレ本で使ったみた

編集者には、キラークエスチョンというものがあります。
著者がもっとも頭を使う、頭を使わなければ答えられない質問です。

それは、「○○を一言で表現してください」というもの。

実はこれは、私が尊敬する、ミリオンセラーを連発するある編集者から教わった方法なのですが、本作りの上で、その本のメッセージを一言で表現できるかどうかが、本の熱量を左右するということでした。

それ以来、私はほとんどの打ち合わせで、著者の方には、本のテーマを「○○である」という一言で表現してもらうようにしています。

これはなかなか難しい質問です。正直な所、あんまりされたくない質問です。

物語の存在価値

例えば、「Evernoteを一言で表現してください」と質問されても、かなり答えに窮します。

もちろん、「Evernoteは〜〜である」という文章を作ることは可能です。しかし、その表現が自分にとっての感覚を100%表現できているかというと、答えははっきりとNoです。

一言でそれを表現するというのは、瞬間的な切り取りです。どれだけ含蓄ある言葉でも、その瞬間性から逃れることはできません。言ってみれば、それは写真やスケッチのようなもの。物事を一つの視点から、時間平面で切り取ったものです。どれだけリアルな描写でも、どれだけ息を呑む写真でも、それは「そのもの」ではありません。

もし「そのもの」を一言で完璧に表現できてしまうならば、この世における「物語」の存在価値などほとんど無いでしょう。言葉を、そして文章を紡ぎ続けていく中でしか、表現し得ないことはたくさんあります。そして、それこそが表現されなければならないものです。

言葉で表現される世界観

が、何かを一言で表現することには意味があります。それは、優れた写真が私たちにその状況へのイメージを要求するのと同じです。あるいは、細微に書かれたスケッチが書き手の「見る世界」を表現するのと同じことです。

それは「そのもの」ではないかもしれません。しかし、表現をぎりぎりに煮詰める中に残るエッセンスは確かに意味を持ちます。そのものの本質に一面から光を当てるものであり、それと同時にその表現者の世界観を表現するものでもあります。

引用した記事には、こう書かれています。「本作りの上で、その本のメッセージを一言で表現できるかどうかが、本の熱量を左右する」。

多様なものが含まれているものを一言で表現しようと思えば、何が本質で何が本質でないのかを徹底的に考える必要があります。

考えて、考えて、考えて、考えて、自分にとって一番違和感のない表現にたどり着きます。それは位置を変え、距離を変え、ピントを変え、シャッターを切り続ける写真家と同じです。

もし、その対象にぬるい思い入れしかなければ、ぬるい表現しか出てこないでしょう。考え抜かれた一言での表現は、その情熱を裏打ちするものです。これが本の熱量になっていくのでしょう。

さいごに

という文章を前置きにして、「Blogとは何か?」と書こうと思ったんですが、随分長くなったのでこの辺で止めておきます。

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