EvernoteのLionバージョンにおける嬉しい機能の一つが「Favorites Bar」のカスタマイズです。
正直なところ、この機能を試したいがために特に必要も感じていないのに、2600円を支払ってOSをLionに上げました。
Favorites Barは日本語で「お気に入りバー」。そう聞くとなじみのバーテンがいそうなお店を連想しますが、まったく関係ありません。すでにウェブブラウザとかでは標準的についているアレですね。
機能概要
このFavorites Barには、けっこう好きなものを追加できます。(いまのところ)対象は
- ノートブック
- タグ
- 保存された検索
- 単一のノート
の4つ。それぞれバーにドラッグ&ドロップすれば追加されます。削除はバーからツールバーのゴミ箱(削除)に持って行けばOKです。
それぞれをクリックした場合の表示は、ノートブックの場合、サイドバーからノートブックを選択したのと同じ状態になります。タグだと全てのノートからそのタグで絞り込んだ結果が表示されます。保存された検索は、そのまま検索結果が表示され、単一のノートの場合は全てのノートブックにフォーカスが移動し、そのノートが表示されます。
ちなみにノートブックスタックはバーに移動することができません。複数のノートを選択してもバーへのドラッグははじかれます。あくまで単一のものだけ、ということですね。もちろん、そういうのは検索保存で対応できます。
バーに収まりきらない量のお気に入りを設定した場合は右側に白いボタンが表示され、それをクリックすると入りきっていないものがリスト表示されます。
導入後の変化
以前「Evernoteに二つノートブックを増やしました」の記事にも書きましたが、「DeskTop」というノートブックを作って、カレンダーとかプロジェクトのノートを入れていました。
新「Favorites Bar」の導入で、このノートブックがあっさりと削除されました。目指すところはほとんど同じです。ようは「目に付くところ」に情報を置いておくということです。そのための機能があるのならば、別にノートブックを持っておく必要はありませんね。
現在は
- 9月カレンダー(単一)
- 5〜9月プランニング(単一)
- テンプレ(検索)
- GTDレビュー(検索)
- 過去アイデアノート(検索)
- 「ブレスト」リスト(検索)
- 企画概要ノート(単一)
- プレイリスト(タグ)
- 10月カレンダー(単一)
が並んでいます。
ちなみに、barには「検索保存の名前」「単一ノートの名前」が表示されるので、たくさんバーに詰め込みたい場合は名前を短くする方法もあります。
もうちょっとカスタマイズできそうな気もしていますが、現状でもかなり便利です。
ただ、フルスクリーンモードの場合「単一ノート」を表示させても、中身まで表示されないというのがちょっとだけ面倒なところですね。まあダブルクリック一回すれば良いだけなんですが。
「目に入る場所」の効能
というわけで、現状サイドバーから検索保存の表示を消しました。タグ部分もかなり小さくして、大半がノートブックの表示に使っています。
そもそもサイドバー自体を消しても機能的には問題無いはずですが、心理的にはちょっと違います。「目に見えるところ」にあるかないか、ということの差は大きいものです。
例えば、飲んだビールの写真を
- 「ライフログ」というノートブックに「ビール」というタグを付けて保存
- 「ライフログ」というノートブックスタックに「ビール」というノートブックを作って、そこに保存
という二つの方法をとった場合、おそらく後者の方がおりにふれて見返す可能性が高いでしょう。
基本的にビールというタグがあまり「目に入らない」ので、そういう情報を保存してあることをそのものを思い出さないからです。
※ノートブックの数<タグの数と想定しています。
もちろん、「ビールの情報が必要だ」となった時は、どちらの方法でも同じように情報にアクセスできます。
ただ、自分が必要としていない時は、その存在をさっぱりと忘れているわけです。サイドバーでその存在を確認すればそれが想起されますが、多数のタグに紛れていると目にすることもありません。逆に言えば、ノートブックの数が多すぎても同じような事態を引き起こします。
このこと自体は別に悪い事ではありません。Evernoteに何を保存しているのかが常に脳内に想起され続けているとしたら、Evernoteを使っている意味がなくなります。
ようは、
- 必要な時に見つかればよいのも
- ちょっと見返したいもの
には強弱を付けないといけない、ということです。陰影と言っても良いかもしれません。意識的に見返したいものは、それを「目に入る」ようにしておくのが一つのやり方です。
「Favorites Bar」はそのために便利な機能です。頻繁にアクセスするノートへの利便性を上げるだけではなく、埋もれてしまいがちな(でも見返したいと思っている)ノート(orタグ)へのルートを構築してくれます。
例えば「過去アイデアノート」は似たような目的でbarにおいてあります。
これは「象の墓場」ノートブックに入っている「アイデアノート」タグが付いているノートを探し出せ!、という検索保存です。
こういうのを作って、目に付く場所に置いておくと見返しの可能性が高まります。アナログノートだと、その物理的存在自体がリマインダーになって、「ちょっと読み返そうか」という気分にもなるのですが、Evernoteだとなかなかそうはいきません。
※もちろん、「過去アイデアノートを見返す」というタスクを作るという方法もあります。
他には自分のクレドとか読書メモを引っ張れるタグ(あるいは検索保存)を入れておくのも一手かもしれません。こうしておけば放置されっぱなしの確率はちょっと下がるでしょう。
さいごに
「Favorites Bar」は現状、検索保存と単一ノートの管理に使っています。使用頻度の高いものへのルートがきっちり確保されているとなかなか気分良く使えます。
もう一つの用途が、埋もれがちな情報へのアクセスルートです。これちょっと見返したいと思うものはFavorites Barに置いておくのが良いかもしれません。特にノートブックやタグの数が膨大な量になっている人にオススメの方法です。
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