Evernoteにおける情報フロー・フレームワーク

昨日の記事に解説を頂きました。

209「R-style » Evernoteのinboxをゼロにする作業」を自分なりに解説してみた(日刊はま)

用途別(さらに状態別)でノートブックを分けていると、タグはほとんど必要にならないんですよね。

なぜかというと、タグが必要なとき=そのノートを探すときなわけですが、そのノートを必要としているときはきっちりとノートブックで分類されており、用済みになるたびにそのノートの中身は「Archive」らしたさんであれば「象の墓場」に入っていくわけです。

まさにその通りです。情報の「動き方」(この場合はどういう状況で参照するのか)を想定しておくと、ノートブックとタグがしっくり使えるようになります。

しかしながら、自分がどう情報を取り出すのかというのは、ゼロベースではほとんどわかりません。なので自著二冊目にも書いたとおり「マドルスルー」の方法論が役立ちます。とりあえずやってみる、それから修正する、という手順です。

という話はさておいて、自分なりに解説してみましょう。

Evernote情報フレーム

手書きの写真で申し訳ないですが、次の図をご覧ください。

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3つの層に分かれています。

一つ目の層

一番上が「Information Entranceレイヤー」。情報の入り口です。このレイヤーにはinboxしか存在しません。
※複数のinboxをお持ちであれば、それも含まれます。

Evernoteに情報が入ってくるポストであり、ここから下の二つの層に振り分けが行われます。ポイントはここには決して戻ってこない、という点です。情報の流れは一方通行。中間層に行く場合もあれば、直接最下層に行く場合もあります。

二つ目の層

中間層が「Active レイヤー」。使うことがあらかじめ想定されている情報の行き先です。「使うことが想定されている」というのは、目的がはっきりしている、ということです。ここには3つのタイプのノートブックが考えられます。

一つは、特定の役割を持ったもの。私の場合であれば「短期選抜」がこれにあたります。新しいバージョンに変えるまでは「DeskTop」というノートブックもこれに相当します。「すぐに使う」とか「毎日チェックする」などの情報をまとめておくノートブックです。

二つ目が、永続的に続く目的のノートブック。パーマネントプロジェクトとしておきました。私の場合は「アイデアノート」というのがそれに当たります。自分の思い付きを保存しておくためのノートブックで、後で見返してアイデアを生かすために使います。
※使用済みは「象の墓場」に移動。

最後の一つが、期間限定のノートブック。インスタンスプロジェクトと仮名しておきます。執筆の場合であれば、その本の名前のノートブックになります。このタイプのノートブックは企画が終了すれば、削除される運命にあります。

3つめの層

一番下が「Archiveレイヤー」。情報の「保管庫」の役割を持ったノートブックです。inboxから直接入ってくるものもあれば、上のActiveレイヤーで役割を終えたものが入ってくる場合もあります。

たとえば、ある企画が一段落したとしましょう。本で言えば、ゲラも確認して、デザインもチェックして、後は発売を待つばかりとか、あるいはもう発売されたとか、はたまた発売後一ヶ月経った、とかそういう状況です。そうなったらその企画用のノートブックに入っているノートを、このArchiveレイヤーのノートブックに移動させることになります。

自分の原稿、メール、参考資料などをそれぞれのアーカイブ用のノートブックに仕分けするわけです。そうして中身がゼロになれば役割を終えてノートブックを削除する、というわけです。

ちなみに、これを行う前に、そのノートブックに入っている全てのノートに対して<■プロジェクトA>のようなタグを付けます。この処理さえしておけば、ノートブックを参照したのと同じ状態を復元できます。さらに企画終了後に関連する情報が入ってきても、目印を付けることができます。

こうした上から下への流れだけではなく、時に逆流することもあります。つまり、このレイヤーに入っているノートを、「Active レイヤー」のノートブックに移動させるということです。テーマスクラップからプロジェクトノートといった感じで。

中間層と下層は情報を行き来しますが、基本的には中から下の方が流通量は多いことになります。

二つのレイヤーの違い

真ん中と下の層、つまり「Activeレイヤー」と「Archiveレイヤー」の何が違うのか?

特定の企画のノートブックが存在するのと、その名前のタグを付けてアーカイブに入れるのとは何が違うのか?

答えは「頻度」です。情報が入ってくる頻度も違えば、情報を参照する頻度も違います。

企画が動いている時は、それに関する情報がどんどん集まってきます。それに対して一つ一つタグ付けしていくのはちょっと面倒です。

さらに情報を見返す回数も違います。というかしょっちゅう参照します。そういう時にタグだとちょっと面倒です。タグだと情報を見るために「全てノートブック→タグ」という手順を踏む必要あります。たかだか1クリック分の手間ですが、案外地味に効いてきます。
※最近のLion版Macではタグをお気に入りできるので、状況は変わりました。

なので、ノートブックを作っておいて、入ってきたときはホイホイそこに移動させ、参照するときもワンクリックで全て表示という形を整えておくわけです。

しかし、企画が終了するとこの「情報の流れ」は変化します。

入ってくる量も減るでしょうし、参照する頻度などさらに少なくなるでしょう。そういう状態になってもノートブックを置いておくのは、あんまり意味がありません。その方法で3年も使えばものすごく縦に長いノートブックリストが出来上がることでしょう。それは避けたいところです。

なので、使う頻度が落ちたノートブックは、そのノートブックと同名の(つまりプロジェクト名の)タグを付け、一応後から参照できる構造を残しつつ、中身のノートをアーカイブ用に振り分けていく、という作業をします。

古来よりある・・・

ものすごく単純化して3つのレイヤーの役割を提示すれば、

  • Information Entranceレイヤー:入る
  • Activeレイヤー:使う
  • Archiveレイヤー:見る

となります。

よくよく考えてみると、「Activeレイヤー」と「Archiveレイヤー」の使い分けは、「押出しファイリング」にその根本思想が通じています。

「押出しファイリング」でも、情報を参照頻度をキーにして「よく使うものは手元に近いところ」「そうでないものは遠いところ」が仕分けされるシステムになっています。その方が全体で見たときの使い勝手があがるからです。

つまり、

  • Activeレイヤー:「よく使うものは手元に近いところ」
  • Archiveレイヤー:「そうでないものは遠いところ」

こういうわけです。

さいごに

今回@Surf_Fishさんに解説いただいて、自分なりにシステムを見返したところ、いろいろ見えてきたものがあります。こういうのがブログの楽しい所ですね。ソーシャル創発というか、なんというか。上のような話は『Evernote「超」整理法』とかになり・・・そうじゃないか・・・。まあ、いいや。

Evernoteの使い方はもちろん多様なわけですが、ある目的で使う上での枠組みみたいなものはきっとあります。そういうのを少しずつ提示していけたらいいかな、と思っています。

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