「タスク」の研究

1週間の計画について、あるいは「自分」の操作

『クラウド時代のハイブリッド手帳術』が発売されて1週間経ちました。好評を頂いているようで、さっそく増刷が決まりました。ありがとうございます。

クラウド時代のハイブリッド手帳術
クラウド時代のハイブリッド手帳術 倉下忠憲

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さて、本書の中で「1週間の計画を立てる」というお話をしました。「実際にやってみよう」と思われた方、あるいはもう実際にやってみた方もいるかもしれません。

一体どうでしたでしょうか?

計画を立てられる方へ

まず一週間分の予定を確認しましょう。だいたいは「やるべきこと」が予定に入っているはずです。そこに「やりたいこと」も加えて、1週間の計画を立てます。その際に、

  • 新しくやることは何かあるか?
  • 着手したことで、できていないことは何かあるか?
  • やめることは何かあるか?

をチェックしてみると良いでしょう。そのためには「やること」「やりたいこと」が一覧できると便利です。リストを作っておくとよいかもしれません。

計画のポイントは「時間」です。やりたいことに「時間」を与えて、計画の中に具現化させる。この辺は本の中にいろいろ書きました。

実際に計画を立てた方

1週間の計画を振り返ってみましょう。どれぐらい実行できたでしょうか。どれぐらい無茶な計画を立てていたでしょうか。

計画通りになっていなくても、全然OKです。別に期末試験ではありません。少なくとも何かしらは出来たでしょうし、全然出来ていなくても一つのデータが生まれたことは間違いありません。後は、それを利用して次に修正を加えるだけです。

一度計画を立てたら、そこからのフィードバックがとても大切です。フィードバックの大切さは、これまでの私の本にも何度も書いています。

車の運転するとき、一定の速度に保つ場合でも、同じだけアクセルを踏み続けているわけではありません。下り坂、上り坂に合わせて踏む量を変えるでしょう。それは、実際に踏んでいる量と、出ている速度のズレから修正しているわけです。ハンドル(ステアリング操作)でも同様でしょう。

そういうフィードバックからの修正がなければ、普通に運転することすら困難なはずです。

でも、なぜかしら「自分の操作」だとそういうのがなくてもOKと思いがちです。あたかも考えれば、すべて思い通りに実行に移せると、あるいは理性が自分の全てを支配できると。

行動経済学の本を開けば、それが「幻想」であることが突きつけられます。人と後悔は分かちがたく結ばれているのです。
※丁寧に剥離していけば、いくらかは身軽になれますが。

脱線話

こういう作業を「マメだな、あの人」で終わらせてもらっても全然構わないんですが、自分的には「私はマメである」とか「几帳面な性格をしている」とはまったく認識していません。

何もコントロールしなければ自分はダメダメな時間の使い方をしてしまう、という認知があるだけです。

「やればできる」というのは、やろうと思えばできる、ではなくて、何かしらの手段を使えば目的が実現できる、ということだと私は考えています。
※そして、「やらなければできない」というドライな所感もそこには入っています。

1週間の計画という手段を使えば、多少理性よりの時間の使い方ができる、だからそれを行う。それを傍から見ればマメとか几帳面という風に見えるのかもしれません。でも、自分で物忘れが激しいと自覚している人は、メモ帳を手放さないでしょう。それもマメとか几帳面に見えるかもしれません。

でも、「マメだから」「几帳面だから」という性格が行動の理由ではないということは一つ言っておきたい所です。単に自分自身の能力の欠如に対する現実的な解決策、というだけにすぎません。

忘却されるレアリティ

時間は限られた資源です。もう誰しもがそれを知っているはずです。でも、だいたい忘れます。そもそも脳は時間をうまく取り扱うことができません。

  • 何かをやるためにはそのための時間がいる
  • すでに24時間使っているのだから、何かを変える必要がある
  • 睡眠時間?労働時間?隙間時間?作業時間?娯楽時間?

当たり前のことです。しかし、自分で1週間の計画を立てて、実績を記録し、成果を振り返るとその「当たり前」がより強く実感されます。

2時間ゲームをすれば2時間分他のことをする時間がなくなります。別にゲームをすること自体は問題ないのです。でも、「この分は明日やろう」とか「来週やろう」と頭の中で考えている瞬間は、時間が限られた資源であるという認知は消え去っています。ダイエットしようと思っているのに、高カロリーな食事についつい手を出すのと同じ構図です。

毎日望むだけの金額が取り出せる財布を持っている人は、決して家計簿を付けたりはしないでしょう。1週間の時間が問題無く使えている人は、こういう計画の必要はありません。でもなんかちょっとズレてるな、時間が足りてないな、という人は何らかの手段を用いる必要があります。

さいごに

すくなくとも、頭で考えただけで変えられるほど人間の行動はヤワではありません。書店に並んでいるダイエット本の数々を例示すれば、ありあまる説得力があるでしょう。

何かを実行することのハードルは心理的にちょっと高いものですが、対価と効用の関係性のように、高いが故にやれば価値があります。

一度「めんどくさい」と感じるものについて考えてみると、何か新しい発見があるかもしれません。

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