自民が新憲法草案決定、自衛軍保持を明記(読売)
自民党は28日の新憲法起草委員会と総務会で、現行憲法を全面的に見直し、「自衛軍」の保持などを明記した条文形式の新憲法草案を決定した。
前文には「日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有」するとの表現で、自主防衛の精神を盛り込んだ。環境権など「新しい権利」を追加したほか、政党条項を導入し、政党を憲法に明確に位置づけた。与党第1党が憲法改正案を逐条の形でまとめたことで、憲法改正論議がより具体的、現実的なものとなることが期待される。
自民党の新憲法の草案が決定した。
が、とりあえず国民投票の体制が整備されたわけではない、ということはある。
これは結構重要なので、その辺は忘れないようにしておきたい。
で、内容だが、いままで語られてきたものが形になったというにすぎないと思う。
自衛軍については、もしかしたらいろいろなところで火の手が上がっているかもしれないが、ただ現状の自衛隊の形に合うようにした、というだけにすぎない。
集団的自衛権を行使するという方向に進みやすくなるだろうということは確かである。
それ以外は、今と何ら変わりなく、自衛隊の存在が憲法によって規定された、というだけの変更であると思う。
戦争放棄の保持という部分を変えない限りは、日本の防衛の形というものは変化しないだろう。それが良いかどうかは置いておいて。
自民党が憲法の新しい形を示したので、当然民主党も動きがあると思うが、実際民主党には現在ほぼ何もできないので、形を示すだけということになるだろう。
どっちにしろ、今の日本では交戦権を堂々と認めるような風は起こらないだろう。
ということは、命綱は「外交」ということになってくる。なかなか頼もしい命綱である。
あとは、どこと組んでいくかという選択が重要になってくる。
9条の問題が結構取り上げられていくかもしれないが、その他の憲法の条文についても変更はある。
前文についても結構もめていたが、とりあえず落ち着いたみたいだ。
「日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有する」
なんだか、わかるようなわからないような文章である。
靖国に関連してだろうが、政教分離については
「社会的儀礼または習俗的行為の範囲」
とされている。
至極もっともである。この条文があれば、全く問題なく首相が参拝することができる。いちいち新しい追悼施設を作る必要なんて全然ない。これで少なくとも多少の問題は解決するだろう。国内については。たぶん。
ざっと、見ても、新しい日本の形というものが、この憲法から見えてくるかというと、あまり見えてこない。
今存在する、憲法と現状の乖離を埋めるというものでしかないような気がする。
要するに現状維持。
まあ、今まで不自然なくらい変化がなかった憲法が変わるということが、一つの新しい流れを生み出すのかもしれない。そういう意味で、国民投票に関する法律が整備されるということも、新しい変化を生み出す要因ともいえる。
憲法が変わることによって、日本は変わるのか。そして日本国民は変わっていくのか、というのは注目するべきテーマかもしれない。
はじめまして
今更ながらブックマークありがとうございました。
Rashitaさんの記事みる限り聡明さを感じて私のようなところにBMしたのか疑問ですがそれはさておき。
確かに今回の憲法改正は現状に少しでも沿う形との側面もあるのでしょうが、それよりも今まで改正される(その論議さえ)ことがタブーだったことを打ち破ることのほうがより重要なことだと思います。
実際今まで国民投票についての方法は、曖昧だったわけですから。
一度改正した実績があれば、その後の改正も過去に比べ随分用意になります。(いいことなのか悪いことなのかはともかく)
>梟の目さん
はじめまして。特にBMに関して基準というものはありません。なんとなくおもしろそうなブログをBMしまくってるだけです。あしからず。
確かに、憲法を変えるというのは今までの日本の常識からすれば、ありえない、というくらいのレベルの話が今は現実になってきているその事実は大変なことだと思います。これが最初の一歩になって行くといいのですが。
自民党新憲法草案の狙いは改正要件の変更にある
自民党の新憲法草案が出された。改正ポイントをまとめると(1)自衛権・自衛軍の明記(2)過去の裁判で不都合となった部分の改正(3)更なる改憲に向けた足がかり、という大きく分けて3つの変更箇所がある。このうち(1)と(2)は解釈改憲や最高裁の判例によってすでに折込済みの規定である。とすれば、問題は(3)ではないか?この部分を公明・民主との駆け引きによって、どこまで書き込むか、これが今回の改正の趣旨だろう。そして、(3)の中でも最大のこだわりどころはおそらく改正要件の変更である。以下、主な批判点をあげてみた。