7-本の紹介

【書評】『「苦しい」が「楽しい」に変わる本』(樺沢紫苑)

ライフハックはちょっとした工夫で、人生を改善するための方法だ。しかし、その路線がずれてしまうことがある。そういう時にはカッコ笑付きでライフ八苦だよ、とツッコんであげると良い。他人に対しても、自分に対してもだ。

もちろん、ライフ八苦の元ネタは四苦八苦だ。

四苦は生老病死。さらに愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦の4つの苦しみを上乗せしての八苦。これが四苦八苦である。
※上乗せ分の四苦の意味が気になるなら、(四苦八苦)。

このように人生には苦しみがたくさんある。そしてそれは避けがたく存在している。

門の前で待ち構える中ボスのように、前に進むためにはどうしても対峙し、退治しなければならない。その退治はもちろん、一時的なものだ。時間が経てば再び門を守る守護神として復活する。

でも、もしその中ボスをテイムすることができたら?あるいは仲間にすることはできなくても、門を通るときに友好関係を築けていたら?

きっと道中の行程は変わってくるに違いない。

本書は、「苦しみ」との付き合い方を教えてくれる本である。「苦しみ」を手なずけることはそれほど簡単ではないにしろ、どのような性質なのかを知っておけば、それに煩わされる可能性はずっと低くなるだろう。

「苦しい」が「楽しい」に変わる本 ~ 「つらい」を科学的になくす7つの方法~
「苦しい」が「楽しい」に変わる本 ~ 「つらい」を科学的になくす7つの方法~ 樺沢 紫苑

あさ出版 2011-10-11
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※出版社さまより献本いただきました。ありがとうございます。

概要

サブタイトルは『「つらい」を科学的になくす7つの方法』。人が感じる「つらい」をどのようになくすのか、という方法が紹介されている。

著者は精神科医であり、心理学や脳科学的なフォローがしてある、という点がポイントになるだろう。

加えて、所々に出てくる数々の映画エピソードが著者ならではといったところか。

章立ては以下の通り。

第1章 「苦しい」と「楽しい」の基本
第2章 「苦しい」が「楽しい」に変わる7つの方法
第3章 「苦しい」をモチベーションに変える技術
第4章 「嫌い」を「好き」に変える 人間関係を改善する5つの技術
第5章 変えられない「苦しい」を「楽しい」に変える方法
第6章 究極の「苦しい」解消法

ぱっと読んで、『7つの習慣』との類似性を感じた。類似性というよりは、共通の基盤といったところか。

たとえば、とある物事から私たちが受ける影響は、その解釈次第でいくらでも変わりうる、というような話がそれだ。他にも第一の習慣である「主体性を発揮する」に近い話もある。

『7つの習慣』では脳科学的なフォローはもちろんなかったので、そういう意味では部分的な補完として読めるかもしれない。

「やらされ仕事」を変換する

本書内で一番共感したのが「やらされ仕事」からの解決法、というところだ。私自身も強く意識している要素と重なる部分が多くある。本書より少し引いてみよう。

  • 目標を設定する
  • 目標を達成した自分をイメージする
  • 目標を繰り返し確認する
  • 楽しみながら実行する
  • 達成するプロセスを変える
  • 自分流の工夫をする

この方法は「ドーパミンを出す方法」として紹介されている。

私は別にドーパミンを意識しているわけではないが、たしかにこういうアプローチをすると、仕事に対する姿勢やモチベーションは変わってくる。まったく同じ作業でも、その提示のされ方で自分のやる気が変わってくるというのは4冊目でも少し触れた。これは、かなり重要なポイントである。

特に「自分流の工夫」というのは見逃せない。Evernoteでもタスクシュートでもなんでも良いのだが、「ライフハック」的なことの楽しさは、自分流の工夫をしている時に一番感じられるのではないだろうか。それを本当に使うかどうかは別として、少しでもラクに、面白く、手を抜いて、と考えて試行錯誤しているその過程そのものに楽しさを感じてしまう。

他の人が作り出した方法をそのまま使うのはラクで便利かもしれないが、楽しさはやっぱり薄い。まな板の上の鯛を見つめながら「こいつをどう料理してやろうか」と考えるみたいに、新しいことや改善法を思案することの中に楽しみは生まれるような気がする。

楽しさの源泉は自発性の中にあるのではないか。

さいごに

本書で提示されている方法は、ライフハック界隈では有名なものも結構ある。なんといっても、この界隈には心理学ジャーナリストがいらっしゃるのでそれも当然といったところだろうか。

四苦八苦をハックする。そういうことに興味をお持ちなら、ちらりと覗いてみてもよいかもしれない。

▼こんな一冊も:

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