R-style

Sharing is Power! / Create your own way.

Menu
  • ホーム
  • About
  • メルマガ
  • 著作リスト
  • Evernoteの使い方
  • Scrapboxの使い方
  • Tools
  • お問い合わせ
Menu

仕事の渋滞に対する二つのアプローチ(3)

Posted on 2011 年 10 月 24 日2017 年 4 月 30 日 by Rashita

※(1)、(2)の続きです

前回の「ファストパス」の解説に「コンテキスト」という言葉を使った。

これはGTDで使われている「コンテキスト」よりももう一段解釈を広くしたものだったのだが、その辺りが説明不足だったのでもう少し書いてみることにする。

タスクが持つ文脈

タスクは単に作業として存在しているわけではない。それは何かしらの文脈に置かれている。

コンテキスト[context]:前後関係、文脈、背景、状況

GTDにおけるコンテキストは「状況」という意味だ。しかし「文脈」という意味で捉えると、もっと幅広い概念になる。簡単に言えばタスクの「メタ情報」全てが、そのタスクの文脈だ。

  • いつ発生したか
  • 誰から発生したか
  • 何を達成するために必要なことか
  • いつまでにやるべきことか
  • どこでやるべきことか
  • どの程度重要なことか
  • いつやるか

タスクはぽんとただそこに存在しているわけではない。さまざなバックグラウンドが存在している。見れば明らかなものもあれば、ちょっと頭を捻らないと見いだせないものもある。また事後的に自分で付加することもできる。

一般的に使われる「状況」「優先順位」「締め切り」「実行日時」といったもの全てがそのタスクに付帯する「文脈」だ。そういう意味合いで、タスクの「コンテキスト」という言葉を使った。メタ情報としての「コンテキスト」。

そして、さまざまなタスク管理法の概念は、この「メタ情報」をどのように扱うかによって形が決まってくる。数は多いのか少ないのか。何を重視するか何を切り捨てるのか、そういった判断だ。

たとえば「一冊のノートにやるべきことを全て保存し、目に着いたものから取りかかる」といった手法は、このメタ情報の管理を一番低いレベルに落とし込んでいる。優先順位も締め切りもない。発生日時(というか頭に思う浮かんだ順番)だけが管理されていて、あとはまったく放置だ。この手法で回る人ももちろん存在するだろう。良いも悪いも特にはない。

こうした観点から、二つのタスクマネジメント手法について考えてみる。

GTD

GTDをタスクマネジメント手法と呼ぶのはいささか語弊があるかもしれないが、華麗にスルーしておく。

珍しく図を書いてみたので、そちらを参照されたい。

gtdtask

実行レベルまで来たときの、「行動」の管理は大きく二つに分かれている。

一つは「日時・時間」が決まっているもの。もう一つはそれが決まっておらず時間が出来たときにやる行動。

「日時」が決まっているものは「カレンダー」を使って管理し、時間が出来たときにやる行動は「状況」に合わせたリストを作る(正確には状況ごとに参照できるようにしておく)。

後者が「コンテキストリスト」と呼ばれているものだが、先ほどの拡大解釈したコンテキストの概念を用いると、この両者は別に大きくは違っていないことが分かる。

ようは、「日時」が決まっているものは、「日時」のメタ情報が付加されているタスクだ。そしてそれを管理するカレンダーは日時を管理するリストである。いわばカレンダーも形を変えたコンテキストリストなのだ。

だから必ずしも日付情報付きのタスクを「カレンダー」で管理する必要は無い。カレンダーがよく使われるのは、たんに私たちが日付を確認するときにそれを使い慣れているだけにすぎない。

GTDとファストパス

話が逸れたので戻ってみよう。

GTDは大まかに「時間によるリスト」(カレンダー)と「状況によるリスト」を使って行動を管理している。その二つで最適な行動戦略を自分で選べるような環境を作っているわけだ。が、しかしその行動戦略が本当に最適なものになるかはわからない。

コンテキストリストを確認すれば「今この状況で何ができるのか」はわかる。

そうすれば、無為に時間を過ごす可能性は低くなる。しかし、何をするかが分かったからいって、その行動に実際に取りかかるかどうかは不明である。GTDにはタスクに優先順位は付けないので、強制力は働かない。

「やれる状況で」「やりたくなった時」に過不足なくやれる環境を作る。そういう方向性だ。

タスクシュート

もう一つの手法がタスクシュートだ。ものすごく簡単に言ってしまえば、一日(18時間程度)をいくつかのセクションに分けて、そこでやる仕事をあらかじめ割り振っておく、というやり方だ。
※本当にざっくり過ぎる説明なので、「11/12(土) TaskChute(タスクシュート)の始め方から使いこなし方まですべて解説します」の記事でも参照に

ここでは「あらかじめ」というのがポイントになるだろう。要は一日の作業(及び作業時間)を「見積も」るわけだ。そういう意味では、広義では私の使っている「dailyタスクリスト」も通奏低音は同じである。

で、タスクシュートの「本日分」のシートも、極端なことを言ってしまえばコンテキストリストなのだ。そこに並んでいるタスクは、「その日やる」と文脈付けされたタスクが並んでいる。この文脈付けは外から発生した「締め切り」ではなく、自分の内側から発生したコミットメントだ。逆に言えば、タスクシュートの「その日分」を作成するというのは、タスクに「その日やる」というコンテキストを付与していく作業とも言える。
※リピート機能による登録もあるだろうが、その場合リピートさせるという決断がコンテキストの付与になる。

GTDでもそれは同じことである。あるタスクを見て、それに「@会社」というコンテキストを付けるのはその人自身の判断である。逆から見れば「@会社」というコンテキストを付けるというのは、そのタスクを会社で実施するというコミットメントとイコールなのだ。そこがイコールになっていないコンテキストは実質的に機能しない気がする。

ごく普通とは言い難いが

タスクシュートは一見極端な手法に見えるが(見えますよね?)、実際はそれほど突飛なものではない。あるタスクに「その日実行する」や「セクション○○」といったメタ情報(コンテキスト)を他の管理手法よりも多く(そして自らの手で)付加しているだけなのだ。
※そのやり方に首をかしげる人がいることは十分承知している。

もちろん、「その日実行する」というメタ情報は安易に追加されないといったクローズドリストのメリットもあるし、計算表ソフトを使うことで終了時間が「見える」という安心感(あるいはコントロール感)をプラスする機能もある。

が、その点をとりあえず置いておけば、タスクにコンテキストを与えているという部分はGTDと共通していると言えるだろう。ただ、その実装の形が違うだけだ。

さいごに

今回はGTDとタスクシュートという二つのタスクマネジメント手法について紹介してみた。そう、まだ終わりではない。

とりあえず確認したかったのは、タスク管理というのは実は「コンテキスト」が重要な意味を持っているという点だ。そして、GTDの「カレンダー」も「タスクシュート(その日分シート)」も(広い意味では)コンテキストリストだ、という点も見てきた。

アミューズメント施設内でファストパスを発行するというのは、それに乗る時間を「予約」することだ。そうすると何が起きるか。自分が園内にいる時間軸(5時間だか8時間だか)の中に、そのアトラクションに乗るという行為が配置される。言い換えれば「何時になったら〜に乗る」というコンテキスト付きのタスクが発生するのだ。それのありなしで、利用者が取り得る戦略のバリエーションは大きく変わってくる。

と、また話が広がりそうなので、今回はここまで。次回ぐらいで終わるとよいのだが、あまりその雰囲気はしてこない。

▼こんな一冊も:

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 デビッド・アレン 田口 元

二見書房 2008-12-24
売り上げランキング : 1199

Amazonで詳しく見る by G-Tools

クラウド時代のハイブリッド手帳術
クラウド時代のハイブリッド手帳術 倉下忠憲

シーアンドアール研究所 2011-09-23
売り上げランキング : 3003

Amazonで詳しく見る by G-Tools

マニャーナの法則 明日できることを今日やるな
マニャーナの法則 明日できることを今日やるな マーク・フォースター 青木 高夫

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-04-05
売り上げランキング : 30511

Amazonで詳しく見る by G-Tools

成果を5倍にする ライブハックス! (ゴマ文庫)
成果を5倍にする ライブハックス! (ゴマ文庫) 大橋悦夫

ゴマブックス 2009-03-02
売り上げランキング : 181015

Amazonで詳しく見る by G-Tools

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

有料メルマガ配信中!

サークルもやってます

New Book!

すべてはノートからはじまる あなたの人生をひらく記録術

「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)

オススメ本

→これまでの著作一覧
  • →SNS:
  • rashita2 さんのプロフィールを Twitter で表示
  • rashita さんのプロフィールを GitHub で表示

Hot Books!

→紹介記事

→紹介記事

→紹介記事

最近の投稿

  • ノートがやがてうまく使えなくなる問題
  • ノートで世界を知る、自分を知る
  • 一つの情報に、もう一度触れること
  • 執筆はメモからはじめる
  • ブログ死すとも文章は死せず
  • Heptabaseが示す思考ツールの未来

カテゴリー

  • 0-知的生産の技術 (1,580)
    • BlogArts (121)
    • Evernoteの使い方 (177)
    • Scrapboxの用法 (101)
    • Scrivenerへの散歩道 (22)
    • アウトライナーで遊ぼう (88)
    • プログラミング (11)
    • 執筆法 (45)
    • 断片からの創造 (93)
    • 物書き生活と道具箱 (682)
  • 1-情報ツール考察 (74)
  • 2-社会情報論 (108)
  • 3-叛逆の仕事術 (392)
    • 「タスク」の研究 (260)
  • 4-僕らの生存戦略 (259)
  • 5-創作文 (91)
  • 6-エッセイ (217)
  • 7-本の紹介 (465)
  • コレクション (4)
  • 未分類 (2,832)
    • まとめ記事 (516)
    • 企画 (83)
    • 告知 (261)
    • 感想群 (111)
    • 時事ニュース (1,241)

タグ

#365日の書斎 #AppleScriptでEvernoteを操作する #「目標」の研究 #わりと身も蓋もない話 applescript blog BlogArts CategoryAllegory Dynalist Evernote GTD iPhone・iPad・Mac Scrapbox Scrivener Workflowy 〈学びの土曜日〉 「本」の未来 『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』 うちあわせCast ささやかな質問 ほぼ日手帳 アウトライナー アナログ道具あそび ショートショート セミナー・オフ会・イベント セルフ・ブランディング タスク管理 ノート ノート術 ポッドキャスト 哲学 思想 思考の技術 情報カード 情報摂取の作法 手帳術 政治・社会 教育 文房具 文章の織り方 新しい時代を生きる力 書評 発想法の探求 経済・金融 電子書籍

アーカイブ

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org

My Works

著作リスト

著作リスト

アーカイブ

カテゴリー

アーカイブ

  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月
  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月
  • 2017年4月
  • 2017年3月
  • 2017年2月
  • 2017年1月
  • 2016年12月
  • 2016年11月
  • 2016年10月
  • 2016年9月
  • 2016年8月
  • 2016年7月
  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月
  • 2016年2月
  • 2016年1月
  • 2015年12月
  • 2015年11月
  • 2015年10月
  • 2015年9月
  • 2015年8月
  • 2015年7月
  • 2015年6月
  • 2015年5月
  • 2015年4月
  • 2015年3月
  • 2015年2月
  • 2015年1月
  • 2014年12月
  • 2014年11月
  • 2014年10月
  • 2014年9月
  • 2014年8月
  • 2014年7月
  • 2014年6月
  • 2014年5月
  • 2014年4月
  • 2014年3月
  • 2014年2月
  • 2014年1月
  • 2013年12月
  • 2013年11月
  • 2013年10月
  • 2013年9月
  • 2013年8月
  • 2013年7月
  • 2013年6月
  • 2013年5月
  • 2013年4月
  • 2013年3月
  • 2013年2月
  • 2013年1月
  • 2012年12月
  • 2012年11月
  • 2012年10月
  • 2012年9月
  • 2012年8月
  • 2012年7月
  • 2012年6月
  • 2012年5月
  • 2012年4月
  • 2012年3月
  • 2012年2月
  • 2012年1月
  • 2011年12月
  • 2011年11月
  • 2011年10月
  • 2011年9月
  • 2011年8月
  • 2011年7月
  • 2011年6月
  • 2011年5月
  • 2011年4月
  • 2011年3月
  • 2011年2月
  • 2011年1月
  • 2010年12月
  • 2010年11月
  • 2010年10月
  • 2010年9月
  • 2010年8月
  • 2010年7月
  • 2010年6月
  • 2010年5月
  • 2010年4月
  • 2010年3月
  • 2010年2月
  • 2010年1月
  • 2009年12月
  • 2009年11月
  • 2009年10月
  • 2009年9月
  • 2009年8月
  • 2009年7月
  • 2009年6月
  • 2009年5月
  • 2009年4月
  • 2009年2月
  • 2009年1月
  • 2008年12月
  • 2008年11月
  • 2008年10月
  • 2008年9月
  • 2008年8月
  • 2008年7月
  • 2008年6月
  • 2008年5月
  • 2008年4月
  • 2008年3月
  • 2008年2月
  • 2008年1月
  • 2007年12月
  • 2007年11月
  • 2007年10月
  • 2007年9月
  • 2007年8月
  • 2007年7月
  • 2007年6月
  • 2007年5月
  • 2007年4月
  • 2007年3月
  • 2007年2月
  • 2007年1月
  • 2006年12月
  • 2006年11月
  • 2006年10月
  • 2006年9月
  • 2006年8月
  • 2006年7月
  • 2006年6月
  • 2006年5月
  • 2006年4月
  • 2006年3月
  • 2006年2月
  • 2006年1月
  • 2005年12月
  • 2005年11月
  • 2005年10月
  • 2005年9月
  • 2005年8月
  • 2005年7月
  • 2005年6月
  • 2005年5月
  • 2005年4月
  • 2005年3月
  • 2005年2月
  • 2005年1月
  • 2004年7月
  • 2004年6月
  • 2004年5月
  • 2004年4月
  • 2004年3月
©2022 R-style | WordPress Theme by Superbthemes.com