7-本の紹介

【書評】『30代を後悔しない50のリスト』(大塚寿)

30代に入って1年以上経過したことで、ようやく「30代の感覚」に慣れてきた。

30になりたての頃は、「自分が30歳である」という現実にうまく馴染めなかったのだ。

自分が想像していた30歳というのはもっと大人な雰囲気をまとった存在だった。でも、どう考えても20代後半の延長線上の感じしかしない。それはよくよく考えてみれば当たり前のことだ。

20代では成人式があり、社会が「これからは大人として認めますよ」と認知してくれる通過儀礼が準備されている。しかし、30歳以降の10年区切りにはそんなものは存在しない。そういう区切りを付けていくのも、自分の役割の一つなのだ。それが大人になるということなのだろう。

30代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則
30代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則 大塚寿

ダイヤモンド社 2011-10-28
売り上げランキング : 339

Amazonで詳しく見る by G-Tools

※出版社さまより献本いただきました。ありがとうございます。

仕事の段階の変化

本書は「40代を後悔しない50のリスト」の続編的存在である。続編と言いながらも年代は一つ若返っている。対象は30代のビジネスパーソンだ。

当たり前の話だが、「よし、お前も30歳になったんだから、組織内での扱いを変えていくぞ」と誰かが指摘してくれることはない。周りの雰囲気、先輩達の行動などを見て、自分で気がつかなければいけない。

著者の言葉を引けば、

しかし、三〇代になったら自分の頭で考え、行動し、しかもその結果がうまくいかなかった場合はその原因を考え、試行錯誤してうまくいくように再実行しなければならないのです。

となる。

自分がその組織の中でどういう立ち振る舞いを求められているかも含めて、「自分の仕事」について自分で考える必要があるわけだ。

いつまでも指示待ちではいけないし、失敗したときのフォローも丸投げというわけにはいかない。そういう年齢が三〇代だと著者は指摘する。

これは実際に30歳という年齢に限るものではないだろう。速度の早い企業では20代後半から、そういう働き方を社員に求めるところもあるはずだ。

つまり、年齢の問題というよりも、「仕事を覚える段階」から「自分で仕事をする段階」へと移り替わる際の心構えが、仕事をし続けていく中で必要になってくるということだ。

本書では、そうした変化の中で、押さえておきたいポイントが50個上げられている。

これらは、著者が多くの人から聞いた話を元にした、反面教師的なポイントである。つまり、「振り返ってみれば、あれをやっておけばよかったな」と感じたことを逆算的に提示したものだ。その意味では、「身近」な話が多く含まれているだろう。

基本的には今現在組織の中で働くビジネスパーソンが対象である。

一つめのテーマ

50個のポイントの内、一番最初に提示されているのが「自分のテーマについて」。たぶん、すでに思い悩んでいる人も多くいるだろう。

三〇代が「育成期」だというのは、自分のどんな強みをどんな領域で育てていくか、どんな領域を自分の力を発揮する場所として選択するかということであり、それを「自分のテーマ」として、納得のいく成果を収めることが、いわば三〇代の究極のゴールだといえるかもしれません。

人は限界的な存在である。特に時間という資源は圧倒的に不足している。20代にいろいろ手を出したことも30代では取捨選択しなければいけない。

上の引用部分で「選択」という言葉が使われているのが印象的だ。選択するというのはコミットメントする__つまり他を捨てる__ということだ。

ある分野で納得いく成果を収めるためには、他の部分に注ぐリソースをストップさせなければいけない。よほどの超人でも無い限りは、卓越した分野を3つも4つも持つことはできないだろう。
※ちなみに「納得いく」という部分が無ければ、成果自体はいくらでも生み出せる。ようは自分の基準が低いか高いかにもよる。

セルフマネジメント

以前ユーストリームの講演で、ローソンの新浪社長が自分のテーマを「食を扱うこと」に決めた、と話しておられるのを聞いたことがある。「商社」というのは、さまざまな商品があるわけだが、その中でも「この分野!」というのを一つ選んだわけだ。そういうコミットメントをはっきりとさせたことは、大きな意味を持っていたのではないかと思う。

もし、自分が超人の自覚があるならば、いろいろな分野に手を出すのもよいだろう。しかし、凡人の自覚があるのならば、焦点は絞り込まなければいけない。

ちなみに、このポイントのまとめは次のようになっている。

テーマは「自分の外」にある。見つけるのではなく「作り出す」こと。

これはドラッカーが組織について語っていたことと同じだ。

彼は、組織の成果と呼びうるものはその外にしか存在しないと明確に書いている。これは個人に定義し直しても同じことが言えるだろう。そして「顧客の創造」。これも同じだ。

個人がプロとして働く場合、それを一番小さい組織として捉えることで、組織のマネジメントの考え方が大いに適用できる。

つまりはセルフマネジメントだ。「自分で仕事をする段階」には、この考え方が重要になってくる。

さいごに

以上のような50のポイントが、仕事・お金・プライベート・パートナー選び、などの人生に関係する大きなテーマについてあげられている。

それぞれを読む中で、ふとひらめいたのは「ツイッターってすごいな」という感想だ。もちろんツイッターに限定されるものではなく、個人のブログを含めたソーシャルメディア全般を含めた感想だ。

自分のテーマを外に見つける場合、ブログは大変役に立つ。

異業種の人と交流を持ったり、趣味の交友関係を拡げたり、あるいはメンターを持ったりすることも可能だ。自分から積極的に情報発信していけば、会社以外でも自分の「居場所」を持つことができる。

本書に書かれているポイントが組織内で実現できなさそうならば、ソーシャルメディアにその目を向けてみると良いかもしれない。

▼こんな一冊も:

40代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則
40代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則 大塚 寿

ダイヤモンド社 2011-02-18
売り上げランキング : 1326

Amazonで詳しく見る by G-Tools

マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則
マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則 P・F. ドラッカー 上田 惇生

ダイヤモンド社 2001-12-14
売り上げランキング : 88

Amazonで詳しく見る by G-Tools

クラウド時代のハイブリッド手帳術
クラウド時代のハイブリッド手帳術 倉下忠憲

シーアンドアール研究所 2011-09-23
売り上げランキング : 3982

Amazonで詳しく見る by G-Tools

Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング
Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング 倉下 忠憲

ソシム 2011-05-30
売り上げランキング : 239768

Amazonで詳しく見る by G-Tools

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です