いかにして情報を集めるか。
深遠なるテーマです。しかしこれは「いかにして大量の情報を集めるか」を意味してはいません。むしろ、「いかにして厳選された情報に触れられるか」が現代では重要でしょう。
一人の人間が摂取できる情報量に限界がある以上、すべての情報にアクセスすることを望むのはあまりにも暴挙です。
・・・みたいな小難しげな話から始めようと思いましたがやめておきます。
今回は、最近使っている二つのサービスについて紹介してみます。
Paper.li
@rashita2をフォローしてくださっている方はご存じかと思いますが、だいたい朝の八時ぐらいに以下のようなツイートが流れます。
Evernote新聞 by R-style 紙が更新されました! bit.ly/fheaoM ▸ 本日トップニュースを提供してくれたみなさん: @drewellis @gregrollett @evernoteschools @yjacktw @albero
— 倉下 忠憲さん (@rashita2) 12月 20, 2011
これはPaper.liというウェブサービスから自動的にツイートされるものです。
実際のサイトは「Evernote新聞 by R-style」。
Paper.liは、BlogやSNSに流れている情報を自動的に拾い上げ、見た目をきれいに整形して表示してくれる、というサービスです。
Evernote新聞の場合は、その名の通り「Evernote」というキーワードに引っかかるものを拾い上げるように設定してあります。
朝起きてこれをチェックすれば、だいたいのEvernote事情が見て取れるということになります。ここに何が載っているのかは私はまったく知りません。もちろん、後から手を加えることはできますが、基本的に私は放置の運用スタイルです。
自動的にできあがる「新聞」といった感じ。
Scoop.it!
これに似ていますが、少し違うサービスも最近使い始めました。
こちらは、Scoop.it!というサービス。画面的には多少似た感じもありますが、その「制作過程」は異なります。
ウェブから指定したキーワードに引っかかる記事を集めてくる、という点では共通していますが、Scoop.it!の場合はそれが「提案」にとどまります。その提案を私が「採用!」「不採用!」と判断して、「紙面」を作っていくわけです。つまり、私の役割はデスクと言えるでしょう。
もともとの「情報源」は多数であるものの、それを「他の人に見せる」という決定は私自身にゆだねられています。
だから、私が「めんどーだな」と思ってこの選別作業をしないと、情報は何一つ追加されません。
※ちなみに、ブックマークレットを使えば「提案」されるもの以外でも「紙面」に追加することができます。
運用の違い
Evernote新聞は、私が何もしなくて良いという手軽さはあるものの、そこには雑多な情報が載っかることになります。
見てもらえば分かりますが、情報の重複や、えらい昔の情報、単にEvernoteというキーワードが入っているだけの記事、そもそも全然関係ない記事などが多数入ってきます。人間の「目」によって選別されていないのだから、これは当然と言えるでしょう。
逆に言えば、この「Evernote新聞」は別に私じゃなくても誰でも運営できるものです。
対して、Scoop.itはあくまで私セレクションです。キーワードで引っ張ってきたものを、さらに私が「厳選」しているので、重複や関係ない記事が載っかることはありません。その分、何も追加するものがなければその日は「休刊」したのと同じことです。それに、私が「捨てた」情報はこの紙面上では存在しないも同義です。
このように、似たようなサービスでも運用方法は異なっています。
さいごに
今のところ、この二つのサービスを
- Evernote新聞はノイズが入ってもよいから、とりあえず雑多な情報を集めるためのもの
- Evernote newsは選別した情報を提供するもの
という風に使い分けています。
そもそもの役割が違うので「どちらが優れているか」という議論にはのっかりません。そういうのはだいたい非生産的です。
この違った二つの「情報源」を見つめてみると、「キュレーションって一体何かな」というのがおぼろげに感じ取れるのではないかな、と思います。
▼こんな一冊も:
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) |
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佐々木 俊尚
筑摩書房 2011-02-09 |
Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング |
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倉下 忠憲
ソシム 2011-05-30 |
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