「タスク」の研究

「タスク管理」の序の序

「タスク管理」について考える上で、面白い記事がありました。

タスク管理ツールに入れるべきではないたった1つのこと(TRAVELING)

GTDで言うところのSomedayリスト=「いつかやる」リストというものを、タスク管理ツールに入れこまないのです。

これはよくよく考えてみれば、当たり前のことです。でも、案外スルーされがちなことでもあります。

以前紹介した『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』というチェックリストについての本がありますが、タスクリストやタスク管理についても同様に掘り下げる必要があるんではないかな、と思う今日この頃です。

今日は、ちょっとだけ、ほんのさわりだけ、それについて書いてみましょう。

そのツールは「何を」管理しているのか?

いろいろな「タスク管理系」ツールが登場していますし、手軽に導入できるので、使っている方も多いことでしょう。

で、そのツールって一体何を管理しているのでしょうか?

「タスクを管理している」

という答えが返ってくるかもしれません。

じゃあ、「タスク」って何ですか?あるいは「タスクを管理している」というのはどういう状態で、具体的には何をすることで、一体どんな目的があるんでしょうか?

この部分がまったく空白のまま、ツールをいじくってもどこにもたどり着けない気がします。

will doと to do

『マニャーナの法則』という本には、To DoリストとWill Doリストの違いが紹介されています。

「TO DOリスト」は、その日に「するつもり」の仕事のオープン・リストであり、あなたが理想とするのは、「すると決めた」仕事のクローズド・リストのはずです。

表現を変えると、「To Doリスト」は、自分が「すべきこと」のリストです。もう少し厳密にすると、自分がすべきことと認知したことのリスト、ということになります。当然、「すべきこと」と認知する対象は時間を重ねるごとに増えてくるので、このリストはオープンリスト(締められていない)になります。

たとえば、本当に今日が締め切りの仕事も「すべきこと」ですし、一週間後の締め切りの仕事の着手も「すべきこと」ですし、三ヶ月後スタートする企画のアイデアだしも「すべきこと」です。このように、現時点から自分が想定しうる将来すべてに渡って自分が「すべきこと」と感じたことが並ぶのがオープンリストの「To Doリスト」です。

もし、これらのリストに並んでいる項目を、

「今日やったほうがよいかどうか?」

という基準で判断すれば、リストに並んでいる項目すべてがYesとなるでしょう。やるべきこと、というのはそれがなんであれ、少しでも進むならばそれにこしたことはありません。

でも、「今日できるかどうか?」「今日すべきかどうか?」で考えると、すべてにYesというのは無理があります。一日という時間資源は限られているからです。

そこで登場するのがWill Doリストです。自分の手持ちの「やるべきこと」の中から、「今日できるし、今日やる」と決めたことだけを書き出していく(あるいはフィルタリングする)ことで出来上がるリスト。それがWill Doリストです。

そのリストが私たちの心理に与える影響は、決して無視できないものです。これは実際に1日分のタスクリスト(デイリータスクリスト)を作って作業したことがあるかたならば、実感できるでしょう。

タスクリストに入れる、ということ

これを逆から眺めてみましょう。

つまり、自分がその日の実行において参照するリストにタスクを入れる、といことはそれを今日実行すると決める、ということとイコールなわけです。このイコール関係が維持できている間は、リストは機能します。

しかし、ニアリーイコールになってきたら、リストは徐々にその意味的機能を失い始めます。相似関係になればもはや、ただ文字が並んでいるだけのリストに堕ちるでしょう。

「Will Doリスト」は、その日にすると決めた仕事を入れる。そこに入れたらやる。やらないものは入れない。

この環境が維持できていることによって、ようやくその効力を発揮します。

それは新しく導入したばかりの水槽のようなものです。初めのうちはメンテナンスが無くても魚は生き生きと泳いでくれるでしょうが、まったくの放置を続ければ水が濁り、やがて水槽生態系が崩れていきます。

機能するWill Doリストを作り続けるためには、メンテナンス的作業は必須です。それがよく言われる「レビュー」の役割でもあります。

さいごに

本当に掘り下げる前の、基本的な事項の確認でした。

簡単に言えば、「混ぜるな、危険!」ということ。混ぜないためには、しっかりと境界線を引く必要があります。つまり、「ここからこっちは俺の陣地」「ここから向こうはおまえのテリトリー」といった感じです。で、そのテリトリーは何を支配しているのかを、見極めなければなりません。

つまり、少々面倒です。でも、その面倒さを乗り越えないところに機能するタスク管理など実現はあり得ません。

実際「タスク管理」という言葉にはいろいろなものが含まれています。

セルフマネジメント株式会社タスクマネジメント支社タスク管理部デイリータスクリスト課

みたいなものです。

この辺を分けて考えないで「タスク管理」うんぬんを考えても、こまかい部分までは掴めないんじゃないかな、という気がします。

もちろん、こまかい部分なんて必要ないよ、という人にとっては、無駄な話なんですが。

▼こんな一冊も:

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