「タスク」の研究

一日のタスクリストとメモ書きの記憶的効能 〜頭の中を覗く実験〜

ちょっと、実験をしてみましょう。簡単なやつです。用意するのはA5サイズの紙とペン。それだけ。

入手汎用性の高いA4のコピー用紙を半分に折ってみました。

リストの書き出し

一日の作業を始める前に、「今日やること」をここにリストアップしていきます。箇条書き形式でも良いですが、マインドマップを使うのもありですね。

たとえば、こんな感じ。

{A、B、C}のメインブランチには大雑把な分類を使えばよいでしょう。例えば、{朝、昼、晩}とか{憂い、備え、穀潰し}などいろいろな分類が考えられます。

ざっくりとこんな感じになるでしょうか。

後は、これを参照しながらタスクを処理していきます。ここまではフツーですね。本題はここから。

途中発生のタスク

実際にタスクを処理し始めると、さまざまなことが起こります。

  • 上司による割り込み、電話での仕事の依頼、妻の用事・・・といった外部からの仕事の増加。
  • やるべきタスクの想起、机の周りの気になる事柄、ちょっとした改善のアイデア・・・といった内部からの仕事の増加。

100%完璧な人間が存在しない以上、100%完璧なタスクリストもまた存在しません。現実によって修正を強いられるのがリストの宿命です。では、こうしたリストを事前に書くのは無駄なのでしょうか。

それを確かめるために、外部・内部問わずタスクの処理中に増加した仕事を同じ紙に書き出してみましょう。

これは意識しないとなかなか難しいです。ちょっと頑張ってみてください。

とりあえず、「あれ、やろう」とか「これ、やらなきゃ」と思ったことをマインドマップの下に書き込みます。これは普通の箇条書きでよいでしょう。おそらく8時間の作業時間でも、結構な数の記入になるのではないでしょうか。

たとえば、こんな感じ。

本来朝一に書き出しておくべきだったものや、郵便配達員さんのおかげで増えたもの、たんにちょっと思いついたもの、途中で連れ合いに依頼されたこと、などが追記されています。

これも別に異常事態ではなくて、ごく普通にタスクを処理していれば日常的に起きることです。人生をコントロールすることはできません。

二つの疑問

さて、ここでちょっと考えてみましょう。

前提として、人の記憶力はそんなに当てにならんよ、というのを置いておきます。「自分は100%完璧な記憶力を持っている」という人はタスク管理で悩むことはないでしょうから、スルーします。

もし、こうした「紙」に書き出さない場合、私たちは、「その日の最初にやろうと思ったこと」と「途中でやろうと思ったこと」の両方を覚えておく必要があります。

まず第一にそんなことが可能なのか、というのが疑問として沸き上がります。

日中いろいろと「思った」せいで、やるべきことを忘却した、ということはないでしょうか。朝一に完璧に思い描いたことでも、記憶の追加によってそれが変型・変色してしまうことはよくあります。

結局、「その日の最初にやろうと思ったこと」か「途中でやろうと思ったこと」のどちらか、あるいは両方が欠損してしまうことが起こりえます。

第二に、今何をすべきなのかが本当に判断できるのか、という疑問があります。

人間の「価値判断」の基準は、非常に相対的なものです。一日の最後にその日を振り返って「あのタイミングではあれはすべきじゃなかったよな」と思っても、その瞬間はその行動をすることがとても価値があるように思えるものです。

「限定販売」という売り文句ではありませんが、人間の脳は緊急性に高い価値を置きがちです。ということは、新しく思いついたタスクの方が大切な(あるいは実行したい)気持ちが高くなる傾向があるということです。これは朝一の計画を作成してから時間が経つほどより強い傾向となって現れるでしょう。リストを作成したときのモチベーションが薄れてくるからです。

となると、朝頃はある程度調子よく進められるとしても、昼〜夕方頃になると、「これはやらなければいけない」と考えるものよりも、目に付いたこと、気になったことの方に処理が流れがち、ということが起こりえます。これは怠け者とかサボりがちとかではなく、単に自分の頭の中だけで行動の判断をしていれば必然的に起こる現象と言えるでしょう。

一旦頭の外に投げておいて、その他のタスクと比較して判断すれば、(多少は)マシな行動が取れる確率が上がります。

さいごに

私は普段、「これ、やらなきゃ」と思いついたことはだいたいEvernoteに放り投げています。しかし、こうして紙に書き出してみるとその量の多さに改めて驚かされます。もし、こうした「吐き出し」をしていなければ、これをずっと頭に抱え込んだまま、作業を進めているということになります。

そんな状況では、メモリ不足の可能性も出てきますし、一日のプランニングがきちんと保たれているのかどうかも不安になってきます。

今回は、手っ取り早く着手できるように紙とペンで紹介しましたが、別にデジタルツールでももちろんOKです。

朝一のリストの「書き出し」と、途中で思いついたことの「吐き出し」。一度この二つをやってみると、「タスク管理を実行することの意義」みたいなものが片鱗でも見えてくるかもしれません。

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