0-知的生産の技術

「情報の整理」についての再考(中) 〜コンビニの棚作り〜

「情報の整理」についての再考(上) 〜物忘れと「押し出しファイリング」〜の続き。

まったく関係ない話をします。

コンビニの話

皆さんが日常的に利用している(であろう)コンビニ。

その棚には、毎週のように新商品が陳列されています。しかし、コンビニは狭い店舗でいろいろ買い物ができるのが特徴の一つです。当然一つのカテゴリーに対する物理的な売り場スペースというのは限られています。その限られたスペースに、毎週のように発売される新商品が陳列されるわけです。

この売り場管理に必要なものは一体なんでしょうか。

さまざまな要素が考えられますが、「廃棄基準」は欠かせません。もうこれ以上商品は発注しないよという(「商品をカットする」と呼ばれる)基準です。

これがなければ、棚が先週以前の新商品で溢れかえり、やがて新規の新商品を並べるスペースがなくなってしまいます。古い新商品しか並んでいないコンビニ・・・。売り上げが下がるのは明確でしょう。

そのカット基準ですが、基本的には「新商品は第二週目は発注しない」というパターンが多いようです。発売したその週にはもう発注しないというパターンも珍しくありません。

たとえばの話

例えば、発注単位が24本のソフトドリンクがあるとして、発売日初日に24本発注して、二日目以降一切発注をかけない、というスタンスです。

一日2本売れれば、12日で全て売りさばけます。3本なら8日。4本で6日。つまり、一日2〜4個程度売れてくれれば、次の週あたりには綺麗に売りさばけて、棚にスペースができることになります。そこに新しい新商品を並べればOK、ということです。

ただ、一日10本も売れるような勢いがあれば、追加で発注をかけることは考えらます。一ケース(24本)追加しても、次の週ぐらいには売りさばけていることでしょう。

一番まずいのは、一日4本程度売れているからと言って調子に乗って追加発注してしまう事態です。確かに一日4本売れていれば、6日で売り切れてしまい、次の新商品まで一日の空白が出来てしまいます。それを追加の発注で埋めようとするとさらに24本が追加され、一週間経った時点で残り20本。これも、あと5日で売りさばけるから良いじゃん、という考えになりそうです。

が、一週間が経つと、別の新商品が棚に並ぶことになり、一日4本売れていたその商品の売り上げが急激に下がることが(非常によく)あります。一日4本の売れ方が一日2本に下がる、ぐらいならばまだ救いがある方です。次の週になったとたん一本も売れなくなる、ということすらレアケースではありません。
※つまり、その商品は新商品だから売れていた、ということ。

何を残すのかを決める

新商品の深追いは危ない、というのがコンビニの発注の基本的な考え方です。

なので、基本的には新商品は発注された時点でカットが決定づけられています。

「どれを捨てるか」というのは考えないわけです。基本的に全てカットなわけですから。

考えるとすれば「どれを残すか」という判断だけです。ものすごく売り上げがよく定番商品に化けそうな商品や、なぜかニッチなファンが付いて定期的に売れてしまうような商品。こういうのに関しては、カット行きのベルトコンベアから取り上げられることになります。

限られたスペースで、売り上げを最大化しようと思えば、「もうちょっと売れるんだけどね・・・」といった商品でも、潔くカットする必要があります。もう少しは売り上げが見込めそうな商品でも、心を鬼にして(というほど大した作業ではありませんが)、商品に×印を付けていかなければなりません。
※×を付けると、次回からの発注画面に現れなくなる。

たいしてアマゾンは

同じ物を売る商売でも、アマゾンはこれをほとんど気にする必要がありません。いわゆる「ロングテール」です。

お客様に見せる商品棚が存在せず、基本的にお客さんは検索で商品にたどり着く方式のアマゾンでは「もうちょっと売れるんだけどね・・・」という商品でも商品リストに加えておくことができます。

もちろん、アマゾンの巨大な倉庫があってこそ実現できることですが、この場合それは関係ありません。

お客さんが商品を選ぶときにどういう手段をとるのか、という違いが大切です。

コンビニは棚を目で見て選ぶ。アマゾンは(基本的には)検索で探す。

もちろん、どちらが優れているという話ではありません。それぞれにメリットとデメリットが存在しているはずです。ただ、お客さんがどのように選ぶかが違うと、品揃えの考え方や商品発注の考え方に違いが出てくる、ということです。

これで関係ない話は終わり。次回に続きます。

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