3-叛逆の仕事術

【試し書き】手帳論(2)

【試し書き】手帳論(1)の続き。

今回はツール環境の変化に注目してみる。今回は簡単にいってみよう。

線の一端は、紙の手帳。その反対側はスマートフォン。この間にどのようなツールがあっただろうか。

手帳ツールの変化

2006年に出版された佐々木正悟氏の『ライフハックスー鮮やかな仕事術』を取り上げてみる。

本書の第二章でスケジュール管理ツールの長所と短所が点数付けされている。点数は無視して、項目名だけ列挙してみよう。

  • 紙の手帳
  • ノートPCだけ
  • オンラインスケジュール+携帯電話
  • PC+電子手帳
  • 電子手帳(オフライン)だけ
  • 携帯電話だけ

ここにスマートフォンを加えれば、「手帳」の役割を担うツールが揃う。

紙の手帳・ノートPC・電子手帳・携帯電話・スマートフォン

これらが、単体なり、あるいは組み合わせで使われてきたわけだ。

流れとしてみると、

アナログ→デジタル→クラウド

という変化をたどってきたとしてよいだろう。

デジタル化の発端

なぜ、紙の手帳からデジタルへと変化が生まれたのか。

それは単純に、仕事でパソコンを使う人が増えたから、であろう。

仕事でパソコンを使う以上、作業内容を管理する仕事もパソコンで行う、というのは自然な流れだ。日常的に処理する案件も、仕事内容の管理も、仕事の一部には違いない。パソコンが仕事で使われるツールならば、業務内容の管理(スケジュール、タスク)に使われてもまったくおかしくない。
※以前、とある作家が原稿用紙をカスタマイズしてスケジュール管理に使っているのを見たことがある。仕事で使うツールは「用途」が拡大していくものだ。

しかし、デスクトップのパソコンは持ち出せない。ノートPCも昔は大きかった。そこで、電子手帳(PDA)が登場したわけだ。

今一歩のPDA

便利そうであるにもかかわらず、それほど普及しなかった電子手帳(PDA)は、機能的に見ればスマートフォンと共通する部分は多数ある。

どちらもデジタルデータで情報を管理し、それを外に持ち出して閲覧および追加できる。おまけにパソコンと「同期」することも可能だ。

ここで再び、『ライフハックスー鮮やかな仕事術』から引用してみよう。p.63のPDAについて書かれた部分だ。

「同期」とは非常に重宝する機能で、たとえば、モバイルタイプの電子手帳(PDA)に予定を書き込み、それをPCにケーブルでつないで「同期」をとると、PC上の「アウトルック」などのソフトの「予定表」と、電子手帳(PDA)の「予定表」の内容が、そっくり同じようになるというものである。

「なんだ、Googleカレンダーと同じじゃん」と思われた方。もう一度上の文章をよく読んでいただきたい。「PCにケーブルでつないで」という部分にひっかかりを感じないだろうか。あるいは「SDカードを介して」にしてみてもよい。この作業が面倒に感じられない方は、おそらくその作業をやったことがないのだろう。

スケジュールは頻繁に追加・変更されるし、その上そのタイミングが読みにくい。この原稿を書いている瞬間に電話がかかってきてアポが入ってくるかもしれないのだ。とりあえずPDAに入れておいて、原稿に戻るとする。まあ、同期は後でやればいいだろう。かくして、パソコン上の予定表は「最新状態」になかなかならない。こういう状況は、言うまでもなく危険である。

さらに、『ライフハックスー鮮やかな仕事術』では「同期トラブル」といった問題も紹介されている。この部分はあまりに涙を誘うので、紹介することすら躊躇してしまう。
※ジョークです。

スマートフォンにいたる

オンラインスケジュール(クラウド)+携帯電話の組み合わせは、この問題を鮮やかに解決してくれる。オフィスのパソコンで業務内容を管理しながら、出先でもそれを活用することができる。それに面倒な手動の「同期」を行う必要もない。ネットに繋がっていれば瞬時に同期される。
※これはもちろん、日本の通信インフラが整備されたことが大きい。

今ではその携帯電話がスマートフォンに置き換わった。アプリをいろいろ追加することで、PDAでは実現できなかった機能を持たせることもできる。それにケイタイとPDAという具合に二台持ち歩く必要もない。

もしかしたら、最新のPDAは、クラウド+スマートフォンと同様の機能が付いているのかもしれないが、これらの点を考えると「あえて今持つ」理由はなかなか思い浮かばない。スマートフォンで十分、ということになる。

さいごに

これがツール環境で見た「手帳」の変化だ。

仕事で使うツールとしてパソコンが勢力を拡大してきた、という点が大きいだろう。逆に言えば、仕事でまったくパソコンを使わない人は「紙の手帳だけで問題ありません」ということになるかもしれない。あるいはクラウドを使わないスマートフォン(あるいは携帯電話)だけ、というのも一つの選択肢としてはあり得る。

ただ、幼少の頃から紙ツールに慣れ親しんできた私たちにとって、「紙の手帳」はある程度の普遍的使いやすさを持っている。最近のデジタルネイティブの事情は分からないが、20代でも60代でも、いかんなくそのスペックを発揮させられるのが紙ツールであろう。少なくとも、「どうやってペンを使って紙の上に文字を書くのですか?」と聞かなくても済む。
※個人差についての反論は保留しておいてください。

デジタルツールの場合は、「4月4日に予定を入れたいのですが、どのような操作をすれば良いのですか?」と聞く必要がある人たちも一定数は存在する。特に業務でパソコンを使っていない人ならばなおさらだ。

ただ、入力操作は慣れれば良いだけの話である。それに、クラウド+スマートフォンには紙の手帳には無い機能がある。それはスケジュール管理に関してはかなり重要な機能だ。この機能については『シゴタノ!手帳術』という本で紹介しているので、参考にしていただけるとよいだろう(わざとらしい宣伝Part2)。

次回は、クラウド+スマートフォンがもたらした変化について考えてみる。

▼こんな一冊も:

シゴタノ!手帳術
シゴタノ!手帳術 倉下 忠憲 北 真也 大橋 悦夫

東洋経済新報社 2012-03-30
売り上げランキング : 993

Amazonで詳しく見る by G-Tools

ライフハックス鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア (MYCOM新書)
ライフハックス鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア (MYCOM新書) 佐々木 正悟

毎日コミュニケーションズ 2006-12
売り上げランキング : 58317

Amazonで詳しく見る by G-Tools

1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です