6-エッセイ

開発に至までの、新しいルート

Cerevo DASHというウェブサイトがあります。これがなかなか面白い。

サイトから解説を引用すると、

Cerevo DASHとは、プロジェクトオーナー(開発者)が考えたガジェットのアイデアを公開することで、
そのガジェットが欲しい!と共感した方の支援によって実際に商品として世に出すことができる、
インターネット上のプラットフォームです。

と、あります。

「こういうの開発したい!」というアイデアを登録し、
「へぇ、面白そう」という人からお金を集める。

クリエーターと、ミニ・パトロンをマッチングさせるサービス、と言ってもよいでしょう。

今のところ、二つの製品が登録され、パトロンからの「投資」を待っているようです。

たとえば、「iConvex」は一風変わったiPhoneのケース。なんと巻き尺が内臓されています。しかも、専用アプリを使えば、その巻き尺を使って測定したデータをiPhoneにメモすることも可能。便利ですね。

でも、決してメーカーが作ったりはしないでしょう。あまりにもニッチです。しかし、ニッチだからといって製品を開発する価値がないとは言えません。メジャーなものがよい、ニッチなものはダメ、という発想はあまりにも「資本主義経済」に毒されすぎた発想です。

ニッチなものには、ニッチなものの良さがあります。

Cerevo DASHは、これまでの「製品開発手法」では市場に出てこなかったニッチ・アイテムを育てるインキュベーターになるかもしれません。

スレッドレス

話は変わって、『図解 アメリカのソーシャルメディア・ビジネスの仕組み』で紹介されている「スレッドレス」(http://www.threadless.com/)について。

Tシャツのネット販売をしているサイトです。特徴を上の本から引けば、

Tシャツのデザインをネットで公募し、コミュニティメンバーの人気投票で選ばれたデザインを商品化する、コミュニティーベースのビジネスだ。

となります。

このサイトの会員が、「こういうTシャツを作りたい」というデザイン案をサイトにアップし、それを他の会員が「これが商品化されたら、買うね俺は」と投票する。人気の高いデザインが採用され、実際にTシャツを作成して販売する。という流れです。
※採用されたデザインの企画者には賞金が渡されます。

これも、面白い形の「商品開発」です。デザインの応募と投票がユーザーコミュニティーによって行われていることによって、いわばボトムアップタイプの商品開発が実現されている、といってもよいでしょう。

物書きの企画案

こうした新しい「商品開発」をみて、ちょっと「物書き」として思うんですが、書籍なんかの企画もこういう新しいスタイルがあり得るんじゃないかな、という気がします。

めちゃくちゃ有名、ではない物書き(コンテンツクリエーター)がサイトに「こういうコンテンツを作りたいです」と企画案を登録し、実際にそれを支えるための投資を事前に募る。ある程度の数が集まったら実際に作成にかかる。という流れはどうでしょうか。

これで面白いコンテンツが生まれるのかどうかはわかりませんが、「別に書きたくはないけど、生計を立てて行くにはなぁ〜」的な、広告含みのコンテンツや文字数をただ埋めるだけのコンテンツ作りにクリエーターの時間が取られることはなくなるかもしれません。「マニアックすぎて、ちょっとこれは・・・」というようなコンテンツが生まれてくる可能性もあります。

あるいは、逆に、クリエーターに向けて、コンシューマー(あるいはファン)が「こういうコンテンツを書いてください」というリクエストを送る、という方式はどうでしょうか。毎月の会員費を支払っていると、クリエーターにリクエストが出せる、という感じでマネタイズできるかもしれません。

たぶん、ニッチなコンテンツがたくさんうまれるでしょうが、それを支える仕組みがあれば、今まで市場に載ってこなかったコンテンツが生まれるかもしれません。

さいごに

現状の日本の状況ではまだもうちょっと先な感じがしますが、個人が電子書籍を作成し、簡単に販売できるような形が整ったら、今までとは違った「コンテンツ開発」の手法が生まれてくるかもしれません。

「物書き」を生業としている人だけではなく、副業あるいは趣味でコンテンツを作っている人をサポートし、お金を集め、企画成立を助ける、というサービスも、きっと生まれてくるでしょう。あるいは、生まれるといいですね。

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