タイトルに特に深い意味は無い。
さて、前の「ささやかな質問」で、景気について質問した。
残念ながら、多数のお答えを集めることはできなかったが、おそらくまともに答えが返ってきたとしても、その答えはいろとりどりだったに違いない。
パート賃上げ続々 都市部の人手不足を反映
パートの処遇改善が注目された今春闘で、経営側から賃上げ回答を引き出す労組が目立っている。大手製造業の賃上げはまだら模様の決着となったが、これから山場を迎える「パート春闘」はまずまずの出足。背景には、都市部を中心に人手不足感が出ていることや、優れたノウハウを持つパートの労働意欲を高めたいという経営側の思惑がある。
こういった記事を見ると、「景気」も回復してきているんだなぁ、と感じる。
来春採用「増やす」、9年ぶり5割超 主要100社調査
消費性向15年ぶり高水準・05年サラリーマン世帯74.7%
この二つをみてもそうだ。
では、これはどうか。
1人当たりの県民所得、地域間格差が拡大 2年連続
内閣府が14日発表した03年度の県民経済計算によると、1人当たりの県民所得の都道府県間の格差が2年連続で拡大したことがわかった。徳島や富山、三重、大分など好業績の製造業の工場がある県の増加率が高く、27都府県で増加。減ったのは20道県で、山梨や島根など建設業に頼る割合が大きい県の落ち込みぶりが目立った。
あと、これ。
子供ほしいがお金が心配・こども未来財団の既婚男女調査
ついでにこれ
「大人ニート」増加 25~34歳が6割を超す
これらの記事を見て思うのは、「景気回復それはけっこう、で?」ということである。
全体的(マクロ・平均的)な景気は回復しているといえるかもしれない。
しかし、そういうことにまったく関係ない、あるいは真逆の状態にいる人々もいる。
そして、そういう人たちが増えているのではないか、という心配もある。
企業の業績が回復し、ベアも満額回答でよかったよかった、というのはよい。しかし、それでこの国に希望が生まれるのか?それが疑問である。
景気というパラメーターに意味が無いとは言わない、しかしそれによって何かがごまかされているのではないか、そんな気がする。
景気が回復したところで、この国の借金が減る見込みはほとんど無い。
年金の運用益が出ていたところで、この制度が今後まっとうに存続していくかどうかの保証も無い。
国債の世界的な価値がさらに下がらないとも限らないし、1ドルが150円にならないとも限らない。
官僚が今までの惰性を繰り返さないとも限らないし、無能な政治家が多数生まれ続けるかもしれない。
日本は安心して生きていける社会である、というのはもう昔の話である。そして、その上希望が生み出せない(出しにくい)社会になりつつあるのかもしれない。
今の若い人を見てると、切実な危機感を感じ、自分をキチンと管理し一定の方向性にもっていこうとしている人間と、切実な危機感をなるだけ見ないように見ないように、一生懸命に他の対象に目を向けている人間、そしてそのどちらにもなりきれない人間、そんな感じに分かれているように思える。
今後、この国が希望を若者に提示することができなければ、この国の存在価値そのものがなくなっていくかもしれない。国というのは一度存在すればそのまま半永久的に存在するものではない。日本ではそういうのがちょっとわかりにくいかもしれない。
日本が日本である続ける理由とはなんだろうか。その必要性とは一体なんだろう。
そういうことを真剣に考えると、背筋がゾクっとしてくる。