7-本の紹介

【書評】『ノマドワーカーという生き方』(立花岳志)

本書を読み終えて、タイトルを眺めると「ふむ」という気持ちが沸き上がる。

ノマドワーカーという生き方
ノマドワーカーという生き方 立花 岳志

東洋経済新報社 2012-06-01
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最近のウェブ界隈では、「ノマド」が過剰に盛り上げられたり、あるいはなんだかよく分からない批判を受けていたりする。どにらにせよちょっとしたBuzzワードと言っていいだろう。

心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんは、自身のブログで本書について以下のように書かれている。

ブログを書いて食べていけるか?(ライフハック心理学)

本書もおそらくいくらかの意図があって「ノマドワーカーという生き方」になったのだろうが、中を読めば「ブロガーという生き方」である。

なるほど。たしかに「ブロガーという生き方」はフィットするかもしれない(売れる売れないは別として)。

私の印象だと「立花岳志という生き方」がぴったりくるような気がする(売れる売れないは別として)。

つまりは、そういう本だ。

概要

章立ては以下の通り。

1章 これがフリーブロガーの一日だ!
2章 ソーシャルとブログによる個人メディアの威力!
3章 社長の座を辞してなった僕の職業は「ブロガー」
4章 フリーブロガーの「デジタル・セルフマネジメント」
5章 今日からできる「個人情報発信」のススメ

よくよく考えてみると、私自身も著者と似たような生活を送っている。そういう意味では、新しい発見が次々得られたわけではない。しかし、もう一度よくよく考えてみると、こういう内容の本が書店に並ぶというのは案外すごいことではないかという気がしてくる。

職業「ブロガー」が書いたライフスタイル本、これだけでも希有な存在だろう。私自身がちょっと異端な位置にいるので気がつきにくいが、日本社会では珍しいどころか存在すら知られてない「生き方」が本書では語られている。

この「生き方」が読む人にどんな印象を与えるのかは私にはわからない。「夢物語」みたいに感じる人もきっといるだろう。その印象はわからなくもないが、実際に実現している人が__そしてやたら背の高い人が__現実に存在していることは間違いない。その事実をどう受け取るかは、読者次第だ。

上に引用した記事で佐々木さんも書かれているように、「ブログを書いて生きていきたい」と強く考えている人ならば一読する価値はあるだろう。

ブログ作戦の差異

と、単に概要を紹介して終わりというのも、ちょっとつまらない。

一応私も似たような「生き方」をしているわけだから、何かしら差異みたいなものを提示してみるとしよう。

2章の「ソーシャルとブログによる個人メディアの威力!」では、著者が「ブログで劇的に人生を変化させる」ための作戦が紹介されている。全部で5つ。実際の作戦は本書を参照してもらうとして、その@rashita2バージョン書いてみるとしよう。

  • 生活におけるブログの優先順位を「高い」にセットする(趣味と同等)
  • 自分が面白いと思う内容を追求する
  • 更新頻度を「一日一エントリー」に設定する
  • 「書評ブログ」など単一のカテゴリーでくくれないブログを目指す
  • 自前のサーバーで運用する

5つ目だけはまったく同じ。後は、ある程度似ていて、微妙に違っている。それが「立花岳志という生き方」と「倉下忠憲という生き方」の差異でもある。

当たり前の話で恐縮だが、どちらの作戦が「優れているか」みたいな話は滑稽である。そういう作戦を選択したのにはある程度の理由がある。著者はその理由もきちんと本書内で提示してくれている。

「作戦」という言葉が使われているのはそういうことだ。戦略や戦術によってどんな「作戦」をとるべきかは変わる。だから、作戦をそのままなぞっても期待される効果が発揮できるとは限らない。本書を読み込む上では、最低限その認識が必要だろう。

さいごに

ノマドワーカー、フリーランス、プロブロガー・・・こうした言葉は「会社員」の対義語として扱われている気がする。が、実際の所それはサラリーマンという言葉の対義語ではないだろうか。

同じ「会社員」でもサラリーマンと呼べる人がいて、何か別の名前で呼べる人もいる。その違いとは何か。

それはきっと「職業に対する姿勢」の差なのだろうと思う。

自分がどんな風に生きたいのか。何を為したいのか。そのために何を賭けられるのか。不思議とそういうことを考えさせられる本である。

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