「タイムラインは自分で作るものです」
と言ったのはゲーテだったでしょうか(たぶん違う)。
どんな人をフォローするかによって、「タイムライン」が提供してくれるものは変化します。新聞のような固定的なメディアに慣れている人にとっては扱いが難しく感じられるかもしれませんが、自分好みにカスタマイズできる情報ソースと思えばなかなか楽しいツールでもあります。
使う人の数だけ、タイムラインは存在する。
そう断言してもよいでしょう。もちろん、それぞれのタイムラインに趣味や個性やこだわりが出ていることも間違いありません。昔は、本棚がその人の「嗜好」を表現していましたが、将来はそれがタイムラインにとって変わられるようになるのかもしれません。
さて、その「タイムラインの作り方のこだわり」についてです。
こうしたものは、出てきた料理のどれから箸をつけるのか、と同じように「正解」といったものがありません。その人の趣味みたいなものでもあり、もう少し言えばそのツールに何を求めているのかによって答えが変わってくるものです。
なので、「Twitterはこう使え」的なニュアンスではなく、「私はこういう風にタイムラインを作っているよ」という感じで以下をお読みください。
タイムラインの育て方
基本的な指針は、
「バランス良く」
です。食事と同じですね。偏った食生活が偏った健康を生み出してしまうように、偏った情報摂取は偏った思考を生み出します。「偏った人に、俺はなる!」と強く決心しているならともかく、ある程度のバランスは意識しておきたいところ。
具体的には次のようなルールになります。
数は追わない
ひたすらフォローすることはしません。だいたい読めませんので。基本的にフォロー返しもしませんし、直接お会いした人ですらフォローしない場合が多いです。これは単純に数を増やしたくない、というだけの理由で他意はまったくありません。
Twitterにはリストという便利な機能もありますが、基本的にはメインのタイムラインを読む、というスタイルなのでそれが追い切れるぐらいのフォロー数にしてあります。
関心を軸とする
「有名人だから」という理由でフォローすることはゼロです。自分の関心に近い人なのかどうか、それだけが重要ポイントです。
クラスタを完全包囲しない
あるジャンルに関心がある人たち。これをクラスタと呼びます。もしそのクラスタに私も興味があれば、その全てをフォローしたくなりますが、そうはしません。クラスタ同士のリプライが多くなって、タイムラインの流れが速くなりすぎるからです。
5人という数をフォローする場合でも、それが同じクラスタなのか違うクラスタなのかで、タイムラインの速度というのは多少変わってきます。
こういう場合は5人のうち、3人だけフォローする、というスタイルをとっています。これも単に発見した順番で、他意はまったくありません。
8:2ぐらいの感覚で
フォローしている人全てを、自分と同じような考えの人で固めると、とても心地よいタイムラインができることでしょう。
が、それは少々危ういです。Yesマンに囲まれた社長、みたいな雰囲気が生まれます。
全体を10としたら、8は好みの人を集めるにしても、2程度は関心軸がまったく違う人、考え方のソリが合わない人、を混ぜておくようにしています。
沸点の低い人は少な目に
新しい情報をバンバン流してくれるような人、いますよね。情報ソースとしてたいへんありがたい存在です。でも、そういう人たちばかりをフォローしてしまうと、タイムラインが「目をひく情報」で溢れかえってしまいます。
あたかもその情報に乗り遅れるとマズイような、あるいは世の中がいまそっちに向かって動いているような、そんな感覚です。
iPhoneのアプリなんかでも一時的にそういう空気が醸成されるような場合があります。
私は克己心とか自律といったものをあまり信用していないので、環境にできるだけ気を遣って、そういう渦に飲み込まれないようにしています。
さいごに
というわけで、私のタイムラインの育て方を紹介しました。
作り方ではなく、育て方としたのは、徐々にフォローする人を増やしたり、あるいは減らしたりといったことをしているからです。タイムラインは一度作って終わりというものではなく、使いながらもメンテナンスをして、自分の心地よい情報環境__あるいは最適な情報栄養環境__を維持していくものではないでしょうか。
さて、みなさんのタイムラインの作り方に関するこだわりは何かあるでしょうか。
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