「タスク」の研究

トータルアーカイブについて

もはや私のEvernoteは「なんでもノート」です。あるいはトータルアーカイブと厳かに命名してもよいでしょう。これがないと本当に困ります。

以下のような記事がありました。

「自分の全てをmemexに」米Lifehacker生みの親、ジーナ・トラパーニの仕事術(ライフハッカー日本語版)

この記事の中でジーナさんの「memex」が紹介されています。以下はその説明部分。

ジーナ:忘れっぽいので、「memex」というテキストファイルに日常の種々雑多なことをまとめて記録しています。例えば、虎の巻やチェックリスト、プロジェクト、ToDo、いつかやる別リスト、語彙、好きな引用句、尊敬する人々など、「連絡先リストやカレンダーといったツールには当てはまらないけれど、残しておきたいようなもの」を入れています。

※原文が気になる方は、本家の「I’m Gina Trapani, and This Is How I Work」を、別の訳が読みたい方はLifehackin.jpさんの「本家ライフハッカーを立ち上げたジーナ・トラパーニの方法」をご覧ください。

ちなみにこのmemex(テキストファイル)はDropboxに保存されているようです。この手のファイルは「いつでも参照できる状態」になっていないと威力が半減してしまうので、クラウド同期は必須と呼べるかもしれません。しかし、Dropboxというツールが本質に関わっているわけではないでしょう。その他のクラウドストレージでも同じことが可能ですし、私はEvernoteに似たようなデータを保存しています。

では、ジーナのmemexシステムに学ぶべきことは一体なんでしょうか。

記録の蓄積

もう一度ジーナのmemexファイルに含まれているものを確認してみましょう。

  • 虎の巻(原文ではcheatsheets)
  • チェックリスト
  • プロジェクト/ToDo/いつかやること リスト
  • 語彙
  • 好きな引用句
  • 尊敬する人々

たしかに、こうしたものがクラウド上に保存されていて、いつでも参照できる形になっていれば便利でしょう。いや、クラウドに限ったことではありません。いつでも持ち歩く分厚い手帳に書き込んでおいても、それはそれで良いのです。手帳だとキーワードによる検索ができませんが、「必要な情報がいつでも手元にある」環境を作ることはできます。

少しイメージしてみてください。できれば頭の中の左側の方に。

Dropboxのテキストファイル、Evernoteのノートブック、新しい手帳。

何を使い始めても、これらは真っ白な状態からスタートします。当たり前ですね。

では右側に、いつでも機能するmemexシステムを置いてみましょう。必要な情報がいつでも引き出せる理想的なツールです。

注意するべきは、左側から右側の状態に一気にジャンプすることはできない、という点です。当たり前かもしれませんが、忘却されがちな事柄でもあります。たとえあなたがウィザード級スーパーハッカーでも瞬時にこのmemexシステムを作り上げることはできません。誰かのmemexシステムをハッキングして自分のパソコンに入れたとしても何の意味もないことは、あえて書くまでもないでしょう。

必要なのは、日々記録を付ける習慣です。

  • 作業の流れを「手順」として記録しておく
  • 必要な事柄を「チェックリスト」として記録しておく
  • やりたいこと・やるべきことを記録しておく
  • 「これは使えそうだな」と思ったら記録しておく

こうした行為の蓄積の先にmemexシステムが待っています。Dropboxに新規のテキストファイルを作成するのはあくまでスタートです。最初の日にそこに何かを書き付けても、それが行為として継続しなければmemexシステムにたどり着くことはありません。

理想的なmemexシステムにあこがれを感じるのはよいのですが、その道程にある「自分で記録を付ける」あるいは「自分で記録を整理する」という行為を無視してはいけません。

適切な場所

では、記録を残す習慣があればそれで万事OKでしょうか。心置きなくバンジーできるでしょうか。

もう一つ押さえておきたいことがありそうです。それは「適切な場所に置く」ということ。

これが、ひどくあやふやな表現であることは承知しています。つまり、「適切ってなんやねん?」という問いに答えていないということです。

しかし、「整理」という行為において、「適切な置き場所を決める」ことは必須です。それは整理の対象が物であれ、情報であれ変わることはありません。整理の本質とすら言えます。むしろ何が適切なのかを見極めることが、整理という行為につながってくる・・・という話に流れていくのは止めておきましょう。

ともかく、適切な場所に置かれていることが大切です。そして、適切な場所に置かれていることを自分(つまり、それを使う人)が知っている、ということも大切です。しかし、後者はある意味で「適切さ」の要件に含まれることなのかもしれません。

ここまでの文章で具体的なったことは一つもありませんが、とりあえず

「適切な場所に置くことを心がける」

と教訓めいたことは書いておきましょう。この心がけには必然的に「(自分にとっての)適切な場所とは何か?」という問いが含まれますので。

さいごに

私は本当にEvernoteが無いと困りますが、もちろんそれはEvernote内のデータが無いと困る、というだけに過ぎません。データをエクスポートして、他のツールにインポートできるならば、乗り換えることももちろん可能です。そこが適切な場所ではないと判断したら、そういう行為に打って出ることもあり得ます。

ただし、残してきた記録や、それを元に作り出したものについては、代用は利きません。

トータルアーカイブは、一点物なのです。で、それを作るのは自分自身です。

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