4-僕らの生存戦略

気楽な質問、自分なりの実験、世界征服

以前質問を受けたことがある。たぶん気楽な感じの質問だったのだろう。

「東京には、進出なさらないのですか?」

即座に私は、「はい。今のところそのつもりはありません」と答えた。

質問された方は、その答えよりも即答ぐあいに驚きを感じられたようだった。悩みなどは一切無く、予言のように定められた答え。たぶん、そこに強い意志を感じられたのだろう。

仕事、新しい実験

昔から、生まれた地域から動くことなく生活してきたし、今でもそれを続けられている。「一体、なぜここから動く必要があるのだろうか」。たぶんこれが私の本心だ。

たしかに、人が多い場所に出れば、仕事の可能性はググンとあがるだろう。楽しそうな会合に参加できる機会も増えるに違いない。でも、現状取り立てて不満のある生活を送っているわけではないし、なんとかこうとか仕事も続けさせていただいている。

妻の実家も車で20分ぐらいの距離にあるし、高校時代からの友人も「ちょっと、飯食いに行こうぜ」と言えば、すぐに集まれる。人は少ないし、電車も空いているし、行列は「テレビで紹介された」ラーメン屋ぐらいでしか見かけない。人混みがあまり>けっこう>かなり好きでない私としては実にありがたい。

「一体、なぜここから動く必要があるのだろうか」

仕事。

ようは仕事なのだ。仕事が住む場所に強い影響を与える。毎日従事するものなのだから、それは仕方ない。

でも、「上京して、より良い仕事を探す」というのは、私の目には古いタイプのゲームに見える。正しいか、間違っているかではない。時代遅れかどうかでもない。たんに、それはすでに実施(あるいは検証)されてきた、ということにすぎたない。

せっかく、SNSだとかクラウドだとかいろいろ目の前に広がっているのだから、何か「実験」がしてみたい。そういう気持ちが私の中のどこかにあるのだろう。

幸い物書きという仕事は場所を選ばない。大がかりな研究所もいらないし、世界中を飛び回る必要性もない。しっかりした机、キビキビ動くパソコンとインターネット、それに懐の深い本棚があれば十分だ。

そういう仕事をさせてもらうチャンスが巡ってきたのだから、是非とも「実験」を続けていきたい。だから、「今のところそのつもりはありません」なわけだ。

世界征服

クリス・ギレボーはその著書『常識からはみ出す生き方』の中で、こんなことを書いている。

自分が本当に望むものを手に入れながら、同時に独自の方法でほかの誰かを助ける。それがひとつに収束した状態を、僕は「世界征服」と呼んでいる。

「世界征服」。うん、中二っぽい響きだ。だが、それがいい。

私の「実験」も、この文脈で言えば「世界征服」の一種になるのだろう。

まず第一に私の生活を成り立たせる必要がある。これは必須。霞を食べて生きているわけではないので、「稼ぎ」はしっかりと意識しておかないといけない。世界を征服するにも、自国の領土が安定していなければいずれ立ちゆかなくなることは目に見えている。それと同じだ。

その土台があった上で、私と似たようなことを考えている人にアドバイスできるようになりたい。Blogの書き方なんかも、私ができるアドバイスの一つだと思うし、マネタイズ云々や、企画書の書き方なんかもその範疇に入ってくるだろう。知的生産の技術に関する話も、この属性に入ってくる。
※ただし、〜〜・アドバイザーになりたいわけではない。

これとはまた別の路線の思惑もある。

たとえば、私が地元でイベントをひらく。すると、わざわざ地元まで足を運んでくれる人が出てくる。人が動き、お金が回る。あるいは、私に会いたいという人が、関西までやってくる。これも同じ。まあ、それぐらい大それた人になれるかどうかはわからないが、そうなったら面白いなとは思う。「ふるさと納税」以外にも、いろいろな方法があるのだ。

とりあえずは、ここに居を構え、自分なりの仕事をし続けていくつもり、ということだ。

さいごに

「どこでも仕事ができる」というのは「田舎でも仕事ができる」ということでもある。どこで仕事をするのかは、最終的にはその人の価値観に依って決まる。流行とかはまったくもってどうでもいい話だ。

ただ、都市部に住んで仕事をしながら、「やっぱり田舎がいいよな」と思っている人が、実際に脱都会し始めて、人口密集度が5%ぐらいでも軽減したら、どちらにとってもWinなんじゃないかな、とは思う。

▼こんな一冊も:

常識からはみ出す生き方 ノマドワーカーが贈る「仕事と人生のルール」
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