0-知的生産の技術 執筆法

ショートショートの書き方 〜「ビジネスショートショート大賞」に向けて〜

「Business Media 誠」さんが次のような企画を実施されています。

「第1回 誠 ビジネスショートショート大賞」募集開始

簡単に要点をまとめると、

  • テーマはビジネス(日本語の小説でジャンルは不問)
  • プロ/アマ、年齢、性別、国籍は問わない
  • 文字数は3000字程度が目安(絶対的な基準ではない)
  • 締め切りは9月24日(月)

という感じ。

当ブログの読者さんの中にも、興味をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。

今回は、こういうショートショートの書き方について紹介してみましょう。

まずは文字数把握

文章を書く際に、まっさきに意識するのが「文字数」です。

文字数によって、書けることは随分変わってきます。だいたい1500字でワントピックス、という感じでしょうか。今回は3000字ですが、情景描写などを考慮すると、それほど多く事柄は盛り込めません。ワンテーマを意識した方がよいでしょう。

ちなみに、当ブログの「創作文」カテゴリーからいくつか文字数のサンプルを持ってくると、

「旅立ちの日」

が500字程度。

グラスとウィスキー

が1600字程度。

「冷蔵庫マネジメント」

が2400字程度。

「サンタな一日」___ Rashita’s Christmas Story 3

が5000字程度。

となります。ボリュームの目安としてください。

※文字数カウントの機能がついているエディタを使えば、文字数の把握は容易です。

テーマはあるか

テーマは「ビジネス」なんですが、それだけだと大ざっぱすぎて、「何を書けばばいいのやら」と途方に暮れます。

もう少し、絞り込んだ、あるいは具体性を持ったテーマを見つけたいところです。

これは視点を変えると、「自分はその小説を通して何を伝えたいのか?」という問いに変換できるかもしれません。ともかく、作品の軸を見つけることです。

「名刺の効果的な整理法__スキャンして全部捨てる__を伝えたい」でも、「会議を面白くするたった一つの方法__議長を持ち回り制にする__を知らせたい」でも、なんでもかまわないでしょう。

もしそういうテーマが見つからないときは、書店に行って売れているビジネス書を漁る__のは絶対に止めてください。ありきたりで、レッドオーシャンなものしか見つからないでしょう。

やるべきは、自分の業務日誌や手帳やノートを読み返すことです。その中で、自分がぶつかった問題と、それを乗り越えた工夫や後日談を探してください。金脈はそこに眠っています。

「そんな大したネタはないよ」

そう、大したネタなんてありません。大丈夫。ショートショートで大したネタなんて取り扱えませんので、それで十分です。

広げる・ひねる

テーマが見つかっても、その状況をそっくりそのまま小説の形に起こすのは難しいでしょう。状況を変えたり、あるいはデフォルメを入れたり、といった「物語」に仕立て上げる準備が必要です。それに、ストレートに話が進むのもちょっと物足りない感じがします。3000字とはいえ、構成(話の順序など)も意識したいところ。

そういう場合は、ブレストです。協力者を数人集めて行うか、一人ブレストでもよいでしょう。ともかく、話を盛り上げるためのアイデアを集めます。

ブレストについては、

「効果の上がらないブレスト」から抜け出すための5つのルール(シゴタノ!)

一人ブレストについては、

一人ブレストの技法 ~アイデアの4ステップ~(シゴタノ!)

あたりを参照してください。

一人でやる場合は、マインドマップを描くのもありでしょうし、四方発法なんかも活用できると思います。

取りかかる・手直しする

上の行程を進めていけば、頭の中にぼんやりとでもシチュエーションが浮かんでくると思います。あとは、それをディスプレイの上にテキスト化していくだけです。

最初はストレートに(思うままに)書いてしまうのが吉です。このぐらいの文字数なら1日で書くこともできるでしょう。勢いよくタイプが進んでいるときは、それを大切にしてください。脱線気味でも気にせずに進行しましょう。

最初出来上がった原稿が4000字あたりであれば、何も問題はありません。

本当の「作文作業」はここから始まります。読み返しての手入れ、つまり推敲です。

スティーブン・キングの『小説作法』には、リスボンの週刊新聞の編集長、ジョン・グールドの教えがこう綴られています。

ドアを閉じて書け。ドアを開けて書き直せ。すなわち、文章の出発点は自分だが、書かれた文章は人の目にさらされるということである。

他の人が読む文章、ということを意識して徹底的に推敲してください。プロの文章は真似できなくても、プロの姿勢は真似ることができるでしょう。

ともかく、何度も読み直して、「読みやすい文章」に整えていきます。文章を書くのとは別の一日を、まるまる使う覚悟が必要かもしれません。

この推敲に費やした時間や労力が、作品の質となってかえってきます。
※この辺の記事も参考に→「文章力のシンプルな鍛え方」(シゴタノ!)

さいごに

今回はショートショートの書き方について少し紹介してみました。

身近で具体的なテーマ、物語性、そして徹底的な推敲。必要なものはそれほど多くありません。天賦の才が顔を見せる余地は少ないでしょう。後は、書くか、書かないかだけの差です。

私も何か応募してみようかなと考えておりますので、興味がある方は一緒にチャレンジしてみましょう。


その他リンク:

どんな流れで進めればいいの? ビジネスノベルの書き方とは (1/5)

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